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出版者情報
新・現代障害者福祉論
- 書店発売日
- 2019年9月26日
- 登録日
- 2019年8月6日
- 最終更新日
- 2024年1月19日
紹介
理念や政策・制度の生成と展開を追うだけでなく、人権保障の立場を明確にし、障害者福祉領域の今日的な課題を提示する。Ⅰ部:障害者問題と障害者福祉、Ⅱ部:生きる権利と社会福祉援助、Ⅲ部:障害者・家族の生活問題と社会福祉援助の専門性。3部14章編成。
目次
はじめに
◆第Ⅰ部 障害者問題と障害者福祉
第1章 現代社会と障害者問題 [鈴木 勉]
1 障害者問題とは何か
2 障害者問題を発生させる経済メカニズムとしての資本主義
3 なぜ障害者は排除されるのか─市民革命期の「能力に基づく平等」論のパラドックス
4 資本主義の発展と障害者「対策」の展開
第2章 障害者福祉制度の成立根拠 [鈴木 勉]
1 障害者福祉の成立根拠
2 障害者観の転換と平等回復
3 福祉の実現とは何か
第3章 ノーマライゼーションの生成と発展―「障害者権利条約」への途 [鈴木 勉]
1 障害者とは「通常の人間的ニーズを満たすのに特別の困難をもつ普通の市民」
2 ノーマライゼーション理念の生成と展開
3 ノーマライゼーションに含まれる2つの要素
4 実質的平等をどのように回復するか
5 「障害のある人の権利条約」が構想する平等回復措置
第4章 全人間的復権としてのリハビリテーション [鈴木 勉]
1 リハビリテーションとは何か
2 リハビリテーション概念の変遷
3 第二次世界大戦後のリハビリテーションの展開
4 全人間的復権の理念の新しい発展─ADL自立からQOL自立へ
第5章 障害概念の検討と日本における障害の法的定義の問題点 [鈴木 勉、田中 智子]
1 障害とは何か
2 ICFの活用
3 日本における障害の法的定義の特徴とその課題
第6章 日本における戦後の障害者運動と障害者施策の展開 [田中 智子]
1 第1期(戦後~1940年代):戦後処理と社会福祉の勃興
2 第2期(高度経済成長期1950~60年代):対象者の拡大と基本的人権をめぐる闘い
3 第3期(1970年代):人間としての基本的活動の保障
4 第4期(1980年代):社会生活の拡大─「生活の3拠点」の保障
5 第5期(1990年代以降):社会福祉基礎構造改革による福祉サービスの商品化と家族の当事者性の表れ
第7章 障害者総合支援法の概要と生活課題 [塩見 洋介]
1 障害者総合支援法の概要
2 障害者自立支援法訴訟と「骨格提言」
3 障害者総合支援法と生活課題
◆第Ⅱ部 障害者の生きる権利と社会福祉援助
第8章 人間発達と「生活の3拠点」 [鈴木 勉]
1 ノーマルな暮らしの条件としての「3つの生活の場」
2 生活の3つの拠点と生活圏の構造
第9章 “暮らす”権利と社会福祉援助 [田中 智子]
現代における障害者の“暮らす”権利
・“暮らす”権利を保障する社会福祉実践―高齢期を迎えても自由な暮らしがしたいAさんの支援 [伊藤 成康]
第10章 “働く”権利と社会福祉援助
現代における障害者の“働く”権利
・“働く”権利を保障する社会福祉実践―地域と福祉と行政が連携し,「リフレかやの里」の再生をめざす [青木 一博]
第11章 “余暇”の権利と社会福祉援助
現代における障害者の“余暇”の権利
・“余暇”の権利を保障する社会福祉実践―放課後活動の仲間と楽しみながら成長する成人グループ「ひかり」の活動 [近藤 すみ子]
第12章 社会福祉事業実践と公的責任―人間発達に適合的な福祉供給主体像の探求
1 規制緩和と福祉供給主体の多元化
2 福祉サービスの特質と供給主体像─提供者と利用者の共同性の視点から
3 わが国の障害者福祉領域における非営利事業組織─共同作業所運動
4 イタリア社会的協同組合の成立と発展
5 イタリア社会的協同組合のミッションと組織構成上の特徴
◆第Ⅲ部 障害者・家族の生活問題と社会福祉援助の専門性
第13章 障害者・家族のライフサイクルと社会的支援 [田中 智子]
1 はじめに:障害者と家族の位置関係をめぐる議論
2 障害者・家族の生活問題を引き起こす社会的背景
3 障害者・家族のライフサイクルの特徴と生活問題
4 障害者・家族のライフサイクルにおける生活課題と支援ニーズ
5 障害者・家族に対する社会的支援のあり方
・ライフサイクルを見通した社会的支援の実際
(1) 障害をもつ乳幼児の保護者の現実と願い─子どもと保護者の伴走者として [井上 美樹]
(2) 障害者の自立と家族の現状─青年期から高齢期へ [平野 美佐子]
第14章 障害者福祉実践における専門職の役割と専門性 [田中 智子]
1 障害福祉専門職の仕事の特質
2 障害者福祉専門職に求められる専門性
・障害者福祉専門職の実践と成長―専門職とは“自分の気づきをほりさげ,共有化し,集団化すること” [大田 哲嗣]
あとがき
上記内容は本書刊行時のものです。