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教養の近代測地学
メフィストのマントをひろげて
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2020年11月24日
- 書店発売日
- 2020年11月24日
- 登録日
- 2020年9月4日
- 最終更新日
- 2021年11月2日
書評掲載情報
2021-01-16 |
日本経済新聞
朝刊 評者: 粂川麻里生(慶應義塾大学教授) |
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紹介
望遠鏡、地球儀、プラネタリウム、図化機、航空写真、地震計……。宇宙の謎を数学的に解き明かし、地理学や地質学を総動員して地球の姿を把握してきた測地学の歴史。そこには、地図作りに生涯を捧げた技術者たち、氷河や火山など未踏の地の探索者たち、崇高な自然に対峙した詩人や科学者の数々のドラマがあった。ゲーテ研究者が約250点もの図版とともに物語る、文理融合、クロスボーダーな快著!
目次
はじめに 紙の地図とデジタルの地図
1 地図と近代測量
2 陸地測量部から地理調査所への変身──国家機密と製図技術
3 地図の変身──「陸測五万分一」地形図のその後
4 地図を「読む」、地図を「作る」──本書執筆の動機
第1章 地図と戦争──軍用地図と外邦図の行方
1 文・理が融合した豊かな地図の世界
2 ゲーテと地図
3 ヴァイマル公カール・アウグストと軍用地図
4 国土地理院のドイツ軍用地図
5 全国に散らばる外邦図
6 比較対象として──戦後のドイツ測量機関の行方
第2章 地球儀と本当の地球──ベハイムの〈地球林檎〉とオイラーの予言
1 地球儀の歴史──ドイツ語圏を中心に
2 回転楕円体の地球と近代ヨーロッパにおける三角測量
3 地球の姿から内部へ──地軸変動とオイラーの予言
4 「柔らかい地球」のための国際緯度観測事業
第3章 水沢の緯度観測所──木村榮と宮澤賢治
1 師走の風物詩──ベートーヴェンの『第九』とシラー
2 緯度観測所設置前夜──麻布の東京天文台
3 ヘルメルトとポツダムの王立測地学研究所
4 田中舘の交渉と木村のZ項発見
5 夏目漱石の苦言とZ項の謎解明
6 『風野又三郎』と高層気象観測
第4章 ツァイス、ヴァンシャフ、バンベルク──ドイツ製望遠鏡からプラネタリウムまで
1 ツァイスの望遠鏡──水沢の浮遊天頂儀
2 カール・ツァイスと双子都市ヴァイマル/イェーナ
3 ベルリンの専門工房──カール・バンベルクとヴァンシャフ
4 金星の太陽面通過──十八世紀からの国際天文観測プロジェクト
5 「アルビレオの観測所」と現代の宇宙の三角測量
6 ツァイスのプラネタリウム
第5章 日本水準原点とアナログ図化機──標高を知り、空から地上を撮る
1 日本水準原点──高さを示す基準
2 日本がお手本としたドイツ水準原点の歴史
3 オランダお雇い技師リンドと東京湾平均海面
4 銀板写真から航空測量へ
5 ツァイスの一等図化機(ステレオ・プラニグラフ)
6 ツァイスの傑作レンズ「トポゴン」と外邦図
第6章 変化し続ける地球──地震・地磁気・重力
1 近代までの大地震の記録と原因解明の試み
2 世界初の地震学会設立と地震計
3 濃尾地震と地磁気計測──バートンの写真集『日本の地震』
4 「重力点TOKYO–B」──重力と標高
5 ガウスとヴェーバーの電磁式通信
6 地磁気逆転と〈チバニアン〉
第7章 続『劒岳』──南極大陸と立山カルデラ
1 〈日本アルプス〉と氷河
2 『ファウスト』と小氷期──ゲーテの氷河理論
3 厳寒の発見とゴシック小説『フランケンシュタイン』
4 極地探検の歴史──文学作品や絵画を手掛かりにして
その一 ナドルニーの小説『緩慢の発見』
その二 ランスマイアーの冒険小説『氷と闇の恐怖』
その三 立松和平の小説『南極にいった男』
5 続『劒岳』──立山ガイドのその後
6 もうひとつの立山──カルデラと砂防
7 大規模崩壊地と「SABO」──赤木正雄のオーストリア留学
結び──ゲーテと花崗岩
あとがき・謝辞
主要文献リスト
主要人名索引
追記
『教養の近代測地学』正誤表PDF
本書の刊行後、いくつかの誤表記または事実誤認の箇所を確認いたしました。編集部の不注意によるものであり、ご迷惑をおかけしました関係各位、読者の皆さまに心よりお詫びを申し上げます。(2021年11月1日現在)
上記内容は本書刊行時のものです。