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フランスのニーチェ ジャック・ル・リデ(著) - 法政大学出版局
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フランスのニーチェ (フランスノニーチェ) 19世紀末から現在まで (ジュウキュウセイキマツカラゲンザイマデ)

哲学・宗教
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四六判
470ページ
上製
価格 5,000 円+税   5,500 円(税込)
ISBN
978-4-588-01187-0   COPY
ISBN 13
9784588011870   COPY
ISBN 10h
4-588-01187-1   COPY
ISBN 10
4588011871   COPY
出版者記号
588   COPY
Cコード
C1310  
1:教養 3:全集・双書 10:哲学
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2025年6月26日
書店発売日
登録日
2025年5月7日
最終更新日
2025年6月26日
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紹介

20世紀の哲学思想に最大のインパクトをもたらしたニーチェ。ニーチェ自身によるボードレールほかフランス思想芸術の摂取から始まり、その遺産のフランスへの翻訳紹介、イデオロギー的曲解の数奇なプロセス、左右の文学者らによる毀誉褒貶の歴史、全集編纂の動向、実存哲学やポスト構造主義による再活性化にいたるまで、独仏間の「文化の移転」の実態を公平な視点で記述した第一級の受容史研究。

目次

はじめに

第1章 フランス化したニーチェ
ニーチェとフランス 『悲劇の誕生』の時期
フランス「デカダンス」派の薫陶
親密なるニーチェとボードレール
ボードレール、フランスのヴァーグナー
ルネ・シャール──ボードレール、ランボー、そしてニーチェ

第2章 「ニーチェはラテン世界の人間か?」論争
ニーチェはドイツ語で書いたフランス人か?
ニーチェとフランス──エリーザベト・フェルスター=ニーチェとそのフランス人助言者アンリ・リシュタンベルジェの定見のなさ
ロカルノ精神の標榜──「ニーチェに対するフランス思想の影響」
最もフランス的なドイツ人作家

第3章 『メルキュール・ド・フランス』誌とアンリ・アルベール
フランスとの最初の出会い、最初の誤解(一八七七─八九)
ガブリエル・モノー 文通相手にしてつつましき仲介者
初期の翻訳とフランス・ニーチェ主義の先駆者たち
エリーザベト・フェルスター=ニーチェの「ニーチェ著作権」奪回
アンリ・アルベール
『メルキュール・ド・フランス』のニーチェ

第4章 一八九〇年から一九一四年まで。フランスのニーチェ主義誕生第一の「契機」
ヴァーグナー主義の衰退、ニーチェ主義の台頭
慎重なアカデミズムの哲学者たち
伝統主義者まで読むニーチェ──エミール・ファゲ
ゲルマニスト 「文化の移転」の立役者
ニーチェは右翼か左翼か
ニーチェと向き合うユダヤ知識人
ある偶像の絶頂期
『ツァラトゥストラはかく語りき』リヒャルト・シュトラウス
アンドレ・ジッド
ポール・ヴァレリー
フランスのニーチェ主義 その壮大な第一の契機の驚くべき統計結果

第5章 ニーチェの伝記 ダニエル・アレヴィからギー・ド・プルタレースまで
ニーチェの伝記を書く──実行できないままであった課題
ダニエル・アレヴィ
ギー・ド・プルタレース

第6章 一九一四─一八年、大戦間、第三帝国
第一次世界大戦──ニーチェ主義を捨てるフランス人
二〇年代
シャルル・デュ・ボス
ジャン=ポール・サルトルのニーチェ的小説の計画
「知的ロカルノ精神」──ミュンヘンのニーチェ協会の一九二九年のコンクール
三〇年代
仏独の対照的嗜好、アクション・フランセーズ、ティエリー・モーニエ
第三帝国下で
ドイツとニーチェについての試論

第7章 ニーチェという狂気──フランス啓蒙思想の危機?
フランスにおけるニーチェの第二の契機
ユルゲン・ハーバーマス、ジョルジュ・バタイユを批判
社会学研究会
ジョルジュ・バタイユの歩み
無神学大全と好運への意志
サルトル、バタイユと対峙
ニーチェと共産主義
画家になったニーチェ、アンドレ・マッソン

第8章 解放直後から六〇年代まで
二〇世紀の証人 モーリス・ド・ガンディヤック
ジャン・ヴァール ニーチェ研究の仲間たち
ニーチェのキリスト教的読解 R・P・ド・リュバックからポール・ヴァラディエまで
マルクス=ニーチェ主義──アンリ・ルフェーブル
アンドレ・マルロー
ジャン・デュビュッフェ──「われわれは踊る芸術を望む」
クロソウスキーと「ニーチェの狂気」
モーリス・ブランショ

第9章 ロワイヨモン・シンポジウムから現在まで
ニーチェ研究の新しい文献学的基礎
古典派と(ポスト)近代派
ジル・ドゥルーズとミシェル・フーコー
フーコーから新しい歴史学へ
脇道へ ロラン・バルトについて
芸術家にして俳優である哲学者
ピエール・ブードの『粉々になったニーチェ』
ジャック・デリダ
記号論的読解
サラ・コフマン
ニーチェ主義者であるか否か
もう一つの系譜学
この二〇世紀末のエピローグ
フランスにおけるニーチェ受容の第三の契機──数字から見た総合評価

第10章 フランス‐ドイツ間の再移転
フランスのニーチェは祖国ではもはや予言者ではない
マンフレート・フランクによれば、フランスの「ネオ構造主義」とは?
ユルゲン・ハーバーマスの批判『近代の哲学的ディスクルス』
解釈の二つの潮流

結び 移転、反移転、再移転

訳者あとがき

原注・訳注
文献一覧
人名索引

著者プロフィール

ジャック・ル・リデ  (リデ ジャック ル)  (

ジャック・ル・リデ(Jacques Le Rider)
1954年生まれ。パリの高等師範学校、パリ大学でドイツ語・ドイツ文学を学ぶ。オットー・ヴァイニンガーの研究で学位を取得。19世紀末から20世紀初頭の、ウィーンを中心としたドイツ語文化圏の文化、とりわけ精神史、思想史の研究を専門とする。パリ大学をはじめ海外でも教鞭をとり、2023年までパリの社会科学高等研究院の教授を務める。著書(未邦訳)に『ウィーンの近代性とアイデンティティの危機』『フロイト、アクロポリスからシナイへ』(PUF)、『カール・クラウス』(Seuil)ほか多数、邦訳に『中欧論──帝国からEUへ』(白水社、文庫クセジュ)がある。

岸 正樹  (キシ マサキ)  (

岸 正樹(キシ マサキ)
1955年生まれ。アテネフランセ、日仏学院にて学ぶ。英米仏の批評理論、翻訳理論を研究。現在、翻訳家。訳書にJ.ラトナー=ローゼンハーゲン『アメリカのニーチェ』、A.ベルマン『翻訳の時代──ベンヤミン『翻訳者の使命』註解』、J.-J.ルセルクル『言葉の暴力──「よけいなもの」の言語学』(いずれも法政大学出版局)。

上記内容は本書刊行時のものです。