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生の肯定
ニーチェによるニヒリズムの克服
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2020年3月5日
- 書店発売日
- 2020年3月5日
- 登録日
- 2020年1月10日
- 最終更新日
- 2020年3月12日
書評掲載情報
2020-07-17 |
週刊読書人
評者: 齋藤元紀 |
2020-07-11 |
図書新聞
評者: 梅田孝太 |
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紹介
ニーチェにおいてニヒリズムとは何か。それはペシミズムとどう異なるのか。断章的なテクストに現れた主題群──近代世界の方向喪失、すべての価値の転換、力への意志、絶望の克服、永遠回帰、そしてディオニュソス的な知恵といった、容易に把握しがたいニーチェ独自の思考の道筋を、錯綜する解釈の歴史から取り出して内在的かつ体系的に記述する試み。近年出色の研究書、日本語版序文付。
目次
日本語版への序
序
凡例/文献略語表
序 論
1 ニーチェ思想の体系性
2 本書の狙い
3 ニーチェの哲学的プロジェクト
4 『遺稿』の問題
第一章 ニヒリズム
第一節 ニヒリズムの本性
1 人生の意味という観念
2 ニヒリズムの二つの意味
3 ペシミズムとニヒリズム
4 絶望と方向喪失の対立?
5 「最高の価値」という概念
6 ニヒリズム──哲学かデカダンスか
第二節 ニヒリズムの諸源泉
1 「神は死んだ」
2 生の否定
3 生の否定の諸相
第三節 ニヒリズムの克服
1 ニヒリズムと価値転換
2 ニヒリズムの重要性
3 相対的概念としてのニヒリズム
第二章 方向喪失の克服
第一節 ニヒリズムと、価値に関する客観主義
1 絶望と方向喪失
2 客観主義
第二節 記述的客観主義の批判
1 プラトン主義の拒否
2 カント主義の拒否
3 ニヒリズム
第三節 規範的主観主義
第四節 規範的虚構主義
第五節 メタ倫理の限界
1 規範の本性
2 メタ倫理と絶望
第三章 力への意志
第一節 ショーペンハウアーのペシミズム
1 哲学と経験
2 ペシミズム
3 苦痛と欲求
4 幸福の消極的性格
5 人間的意志の本性
6 退屈に基づく論証
第二節 力への意志とは何か
1 ショーペンハウアー批判
2 力への意志の本性
3 力への意志の逆説
4 力への意志の心理学──二つのケーススタディ
第四章 絶望の克服
第一節 すべての価値の価値転換の可能性について
第二節 苦悩の問題
1 同情の道徳
2 諦念としての幸福
第三節 力の倫理
1 力、強さ、弱さ
2 二種類の抵抗
3 困難の価値
4 力が単独で目的自体になること
5 敵を評価すること
第四節 すべての価値の価値転換
1 同情の価値転換
2 偉大さという概念
3 幸福の価値転換
第五節 系譜学と価値転換
第五章 永遠回帰
第一節 永遠回帰と、生の肯定
第二節 永遠回帰の諸解釈
1 宇宙論としての永遠回帰
2 永遠回帰と、選択の無益さ
3 永遠回帰と、選択の重要性
4 永遠回帰と自己
5 永遠回帰と、生の評価
第三節 永遠回帰と価値転換
1 価値転換の必要性
2 永遠回帰の再描写
第六章 ディオニュソス的知恵
第一節 生の肯定と苦悩
1 苦悩の価値
2 アダムの堕罪、ソクラテスの無知、ファウストの取引
3 ディオニュソスと悲劇的知恵
4 超 人
第二節 生の否定と弱さ
1 ルサンチマン
2 禁欲主義的理想
3 ニーチェの「博愛」
4 倫理的エリート主義の問題
第三節 結 論
原 注
訳 注
訳者解説
訳者あとがき
索 引
上記内容は本書刊行時のものです。