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「唐物」とは何か
舶載品をめぐる文化形成と交流
- 書店発売日
- 2022年9月30日
- 登録日
- 2022年9月20日
- 最終更新日
- 2022年9月20日
紹介
奈良から平安、中世や近世にかけて受容されてきた舶載品である「唐物」。その研究は歴史学、美術史、日本文学など、これまで様々な分野で進展してきた。しかし、その内容は多種多様にわたり、共通の理解が異なる分野で必ずしも共有されてきたとはいいがたい。
そこで2011年に刊行された『唐物と東アジア』(アジア遊学)の第二弾として、対象地域・時代を広げ、改めて「唐物」の概念の成立や展開、その歴史的・ 文化史的な意義を多角的な視点から再検証する。
唐物の受容や海外交流に関する研究の現状と課題を提示し、唐物研究の新たなステージを拓く画期的な成果。
目次
[序言]「唐物」の文化史的意義を問い直す 河添房江
[総論]人・モノ・情報の移動・交流からみた「日本文化」―「唐物」と「国風文化」をめぐる研究の狭間から考える 皆川雅樹
Ⅰ 唐物の成立と展開
「唐物」の成立 河内春人
考古学からみた古代から中世の唐物交易の変遷 菅波正人
鎌倉時代の唐物と文化伝播 大塚紀弘
[コラム]鎌倉の「唐物」─金沢北条氏ゆかりの称名寺伝来品 梅沢恵
室町時代政治史からみた唐物 松永和浩
室町仏教と唐物 川本慎自
[コラム]能・狂言と唐物―日明貿易と応永の外寇のはざま 関屋俊彦
[コラム]唐物としての銭貨 川戸貴史
[コラム]「青花」の受容、「染付」の展開―日本中近世陶磁史からみた唐物 高島裕之
海渡る「唐物」―九~十三世紀中国より見た 山崎覚士
高麗・朝鮮王朝との交流と唐物 関 周一
[コラム]北方・南方文化と唐物 蓑島栄紀
[コラム]ふたつの「ういろう」―ポスト・モンゴルの海域交流が創った「唐物」 向正樹
[コラム]世界のなかの「唐物」現象―「唐物」価値の源泉を求めて 塚本麿充
Ⅱ 日本文化のなかの唐物
金属工芸からみた「唐物」 久保智康
平安漢文学からみた唐物―文具を中心として 河野貴美子
[コラム]薫物と唐物 田中圭子
[コラム]日本文学と鸚鵡―歌論用語「鸚鵡返し」をめぐって 小山順子
泉涌寺における唐物の受容 西谷功
〈唐物〉としての「方丈草庵」―維摩詰・王玄策から鴨長明へ 荒木浩
唐物としての書と書物―無学祖元を例に 堀川貴司
二つの牧谿伝承作―円覚寺蔵「白衣観音図」と建長寺蔵「猿猴図」をめぐって 高橋真作
[コラム]花道史における中国瓶花と唐物 井上治
[コラム]近世の文人と唐物 高松亮太
[コラム]近代文化と「唐物」 山本真紗子
上記内容は本書刊行時のものです。