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対馬の渡来版経
護り伝える東アジアの至宝
- 書店発売日
- 2022年8月31日
- 登録日
- 2022年8月9日
- 最終更新日
- 2022年8月9日
紹介
国境の島、対馬。朝鮮半島まで約五十キロの位置にあるこの島は、古来、日本にとって外来文化受容の最前線基地として重要な役割を担ってきた。
島内には、朝鮮半島由来の文物が数多く伝来し、その交流の歴史を物語る遺品として大切に護られている。
そのひとつが朝鮮半島から伝わった版経と呼ばれる印刷された仏教経典の数々であり、世界的にみても現存まれな遺品が数多く残されている。
十年に及ぶ総合調査により見えてきた対馬伝来の版経に関する新知見を多数の図版とともに余すところなく提示。
東アジア文化交流の至宝である対馬の版経を未来に伝える一里塚となる画期的な書。
掲載図版100点超!
目次
カラー口絵
序言 横内裕人
総論 対馬に残る渡来経巻の世界 横内裕人
1 対馬渡来版経のすべて
長松寺所蔵 高麗版初雕本『大般若経』 横内裕人
金剛院所蔵 高麗版再雕本『大般若経』 馬場久幸
多久頭魂神社所蔵 高麗版再雕本大蔵経 馬場久幸
西福寺所蔵 元版普寧寺蔵『大般若経』 横内裕人
妙光寺所蔵 元版普寧寺蔵『大般若経』 瓜生翠
高野山金剛峯寺所蔵 高麗版大蔵経 須田牧子
武田科学振興財団杏雨書屋所蔵 磧砂版大蔵経 須田牧子
東泉寺所蔵 元官版『大方広仏華厳経』 梶浦晋
【コラム】経典の調査方法 松浦晃佑
【コラム】「高麗版」のふるさと 馬場久幸
2 対馬渡来経巻を掘り下げる
対馬宗氏の経典施入とその政治的意義 荒木和憲
対馬藩と寺社の宝物―経典を中心に 一瀬智
高麗版再雕本大蔵経の料紙について 富田正弘
高麗版再雕本大蔵経に見える墨書の検討 馬場久幸
多久頭魂神社所蔵高麗版大蔵経の渡来年代について 須田牧子
萬松院所蔵の朝鮮版経典 瓜生翠
朝鮮・世祖による仏典整理・編纂・刊行事業とその顛末―仏典諺解文献の言語への検討を通して 杉山豐
妙光寺・普寧寺蔵大般若経の経箱 松浦晃佑
対馬版経の調査・研究と今後の保管・管理―平成の対馬版経調査に参加して 山口華代
【コラム】長崎県対馬歴史研究センターの開所と今後の役割 丸山大輝
【博物館紹介】対馬の新拠点、対馬博物館 成富なつみ
上記内容は本書刊行時のものです。