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江戸・東京語の否定表現構造の研究
- 書店発売日
- 2018年5月31日
- 登録日
- 2018年5月21日
- 最終更新日
- 2018年5月21日
紹介
「否定」をあらわす文末表現は、他者への配慮・表現論的機能・文法カテゴリーなど、様々な要素が複雑に絡み合った述語構造を持つ。
『浮雲』『小公子』『金色夜叉』といった明治文学を対象に、文法的形式と意味・機能の両面から、その史的変遷にアプローチ。
「言文一致運動」に代表される過渡期の言語実態を、日本語学的な視点からあぶりだす、刺激的な文法・文体論!
目次
まえがき
序章
1 研究目的
2 分析対象
3 調査資料
4 本書の構成
第1部 近世後期から明治期にかけての否定表現の系譜
第1章 近世後期江戸語における否定表現
1 近世と江戸語
2 近世後期江戸語における否定表現についての先行研究
3 近世後期江戸語における否定表現の研究―『仮名文章娘節用』
第2章 明治期東京語における否定表現
1 明治期東京語の概観
2 明治期における否定表現に関する先行研究
3 明治期における否定表現の認識―アストン(1888)『日本口語文典』第四版
○資料 アストン『日本口語文典』第四版(1888)の翻訳(「否定」に関する部分)
第3章 第一部のまとめ
第二部 否定表現構造における否定要素と文法カテゴリ
第4章 丁寧体否定形マセヌからマセンへの交替
1 はじめに
2 丁寧体否定形のマセヌとマセン
3 文末での丁寧体否定表現
4 まとめ
第5章 丁寧体否定形マセンとナイデスの併存
1 現代語のマセンとナイデス
2 テーマ設定の理由
3 ナイデスについての先行研究
4 調査対象
5 調査結果と分析
6 まとめ
第6章 複数の否定要素を含む述語部の構造
1 複数の否定要素からなる述語部構造の特質―二葉亭四迷『浮雲』
2 述語部否定構造の文法化―尾崎紅葉『金色夜叉』
第7章 否定表現構造と文法カテゴリー
1 述語部否定構造における文法カテゴリーの結合―若松賤子訳『小公子』
2 若松賤子の翻訳における「丁寧・否定・過去」からなる述語部の構造
第8章 第二部のまとめ
終章
1 結論
2 今後の課題
参考文献
あとがき
索引
上記内容は本書刊行時のものです。