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帝国崩壊とひとの再移動 : 引揚げ、送還、そして残留
発行:勉誠出版
A5判
縦210mm
245ページ
価格情報なし
- 初版年月日
- 2011-9-10
- 登録日
- 2018年2月18日
- 最終更新日
- 2018年2月18日
紹介
日本は近代化と同時に帝国化を推進していき、植民地や勢力圏にひとびとが輩出されていった。同時に、勢力圏から多くのひとびとが内地に流入、さらに朝鮮から満洲へなど、勢力圏内でも人口の大移動が生じた。そして、敗戦による帝国の崩壊によって、劇的な逆流が生じた。そのような終戦直後の膨大なひとびとの移動は、単に帝国崩壊によって引き起こされただけでなく、戦後東アジアの地域秩序の形成によっても強く規定されていた。その過程で、日本国内における在日朝鮮人という存在がもたらされ、勢力圏に中国残留孤児をはじめとする「日本人残留者」が生み出された。そしてそれは、単にひとびとが「新たな国境」を越えて大量に動いた(あるいは残った)というだけではなく、移動したひとびとが戦後の当該社会にどのように包摂され、あるいは排除されていったのかという社会問題と深く関連していた。帝国日本をめぐる人口移動を、いまなお残された「東アジアの課題」として検証する。
目次
序論-いま、帝国崩壊とひとの再移動を問う
第1部 朝鮮をめぐるひとの再移動の諸相(日本帝国と朝鮮人の移動-議論と政策
朝鮮における日本人引揚げのダイナミズム-逃亡/引揚げ、送還/抑留、追放/懲罰の変奏曲 ほか)
第2部 満洲をめぐるひとの再移動の諸相(満洲移民の引揚経験-岐阜県黒川開拓団を事例に
満洲からの引揚体験 ほか)
第3部 沖縄、台湾、南洋をめぐるひとの再移動の諸相(ある沖縄移民が生きた南洋群島-要塞化とその破綻のもとで
フィリピン日本人移民の戦争体験と引揚げ-沖縄出身者を中心に ほか)
第4部 帝国崩壊後の様々な戦後(在日朝鮮人の戦後と私
引揚援護活動と二日市保養所-女性引揚者の沈黙のなかで ほか)
上記内容は本書刊行時のものです。