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新彰義隊戦史
- 書店発売日
- 2020年9月30日
- 登録日
- 2020年8月6日
- 最終更新日
- 2020年8月6日
紹介
慶応四年(1868)5月の上野戦争で、江戸の全市民から熱狂的エールを受けながら、新政府軍のアームストロング砲の前に一日で敗退したと片づけられてきた彰義隊。
徳川王朝の滅亡に際し、恭順を拒み、西から侵攻した新政府軍に剣をとって立ち向かい義に殉じた江戸の幕臣、譜代藩臣には10代の御曹司も混じってはいたが、組織、装備ともに整った佐幕連合軍で、伝えられるような烏合の衆ではなかった。明治期のマスメディアで「幕末の花」と謳われるも、その後長きにわたり官軍史観によって幕末維新史の彼方に葬り去られ栄光を奪われた。
彰義隊の歴史、隊士をはじめ、関連人物の人間像、そして映画・演劇・絵画などにおける受容などを幅広く紹介。さらに生存者と子孫の証言や一次資料、関連史料を解析し事実と照合。彰義隊を扱った作品は多いが、多面的かつ本格的に俯瞰するものは少ないなか、改めてその実態と全貌に迫る待望の書!
目次
土田健次郎序
はじめに
第一部 彰義隊の歴史
第一章 彰義隊の予備知識
1 略史と編成
2 支援の部隊
3 構成と経過
4 英文の説明
5 武士と幕臣
6 思想と感情
7 史観の対立
8 戦争の報道
第二章 上野戦争の実際
1 隊士の服装
2 両軍の配置
3 戦争の経過
4 敗因の分析
第三章 彰義隊の祭祀
1 初建の墓
2 次建の墓
3 再建の墓
4 百年の祭
5 奇譚怪談
第二部 彰義隊の群像
第一章 彰義隊の人々
1 死者のうち十一名
2 生者のうち三十三名
3 縁者のうち六名
第二章 彰義隊の関係者
1 勝海舟と木城花野(彰義隊士夫人)
2 山岡鉄舟と覚王院義観
3 福沢諭吉の「痩せ我慢武士道」
4 葛飾北斎と江戸の四景
5 上野松坂屋と江戸市民の体験した上野戦争
6 「ほ組」の鳶頭・榎本某―柳橋を救った男伊達
7 臼井勢以子―ホセ・リサールの慕った麗人
第三部 彰義隊の受容
第一章 彰義隊と江戸文化
1 長唄―岡安喜代八
2 川柳―内田博柳
3 武芸―鍬海正雲
4 琵琶歌―池辺義象
5 画像―石版画・錦絵
6 校歌(上野高校)―藤村作
7 漫画と歌謡
第二章 彰義隊とドラマ
1 歌舞伎「皐月晴上野朝風」・「将軍江戸を去る」
2 岡本綺堂「権十郎の芝居」
3 演劇「振武軍」
4 映画『一殺多生剣』『ラスト・サムライ』『合葬』
第四部 彰義隊の諸相(シンポジウムのパネリスト意見)
1 寛永寺碑記―明治政府による検閲 浦井正明
2 薩摩からみた彰義隊 桐野作人
3 映画『合葬』の制作意図 小林達夫
4 彰義隊の心意気 星亮一
5 彰義隊遺聞 森まゆみ
6 諷刺錦絵に描かれた彰義隊 森田健司
7 長州からみた彰義隊 山本栄一郎
8 彰義隊の武士道 山本博文
第五部 彰義隊の蝦夷
おわりに
付録
彰義隊名鑑 460名
彰義隊文書 210点
上記内容は本書刊行時のものです。