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京アニ事件 津堅 信之(著/文) - 平凡社
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京アニ事件 (キョウアニジケン) 巻次:948948

新書
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発行:平凡社
新書判
208ページ
定価 820円+税
ISBN
978-4-582-85948-5   COPY
ISBN 13
9784582859485   COPY
ISBN 10h
4-582-85948-8   COPY
ISBN 10
4582859488   COPY
出版者記号
582   COPY
Cコード
C0236  
0:一般 2:新書 36:社会
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2020年7月15日
書店発売日
登録日
2020年5月26日
最終更新日
2020年7月7日
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書評掲載情報

2020-09-06 読売新聞  朝刊
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紹介

2019年7月18日──。
日本を代表するアニメ制作会社である、京都アニメーション」のスタジオに火が放たれた。
結果的に36名が死亡するという、史上最悪の放火殺人事件となった「京アニ事件」。
この事件があらわにしたこととは何だったのか。
アニメ史を専門とする研究者が、独自の視点から事件の深層を読み解く。

目次

《目次》
はじめに

第1章 メディアは事件をいかに報じたか
1、事件初日
相次いだ取材依頼/多くの人は京アニ自体を知らなかった
京アニは「唯一無二の存在」
2、「専門家」の多くが沈黙──事件翌日
嚙み合わない会話/「アニメ業界には、パクリっていうのはあるんですか?」
発言することのリスク
3、史上最悪の放火殺人事件──事件発生3日
防火設備に落ち度はなかった/「地方発」と「聖地巡礼」/事件の犠牲者は誰なのか
4、「犠牲者」から「犠牲物」へ──事件発生1週間
資料が焼失した影響/制作途上の原画は「中間生成物」
5、誰が犠牲になったのか──事件発生1か月
不確実な「犠牲者情報」の拡散/実名報道の必要性とは/鎮魂の上映
6、容疑者はどこへ行った──事件発生3か月
京アニ事件の語りにくさ/スタジオの取り壊し工事

第2章 事件による被害状況
1、事件発生まで
京アニと容疑者の接点/容疑者の足取り
2、火災発生
生死を分けた咄嗟の判断/火災現場の経過/「殺すぞ。自分には失う物はない」
3、人的・物的被害
被害状況の概要/データは無事に回収

第3章 「独立国」としての京都アニメーション
1、アニメ史の中の京アニ
創業のきっかけ/日本アニメの源流/女性たちの「内職部隊」
95年という転換点/京アニブランドの形成
2、アニメ界の旧弊を打破
健全な労働環境を提供/アニメ界の報酬はピラミッド構造/東京一極集中からの脱却
「京都に出せば丁寧な仕上げが返ってくる」
3、唯一無二の作品を生み出す
日常に潜む非現実感/視聴者が「観てくれている」/「ぼんやりとしたリアリズム」
4、京アニの「家族主義」
「みんなで分かち合う」価値観/充実した福利厚生/京アニ入社試験の課題
自給自足の「独立国」/東映動画と虫プロの伝統を最高度に昇華

第4章 事件があらわにしたこと
1、アニメにまつわる事件史
連続幼女誘拐殺人事件/ポケモンショック/京田辺警察官殺害事件
2、専門家はなぜ沈黙したのか
アニメファンが攻撃されてきた歴史/「昔に比べてちょっと違うな」
京アニ事件はテロではない
3、容疑者像をいかに捉えるか
ネットで炎上した大学教授のコラム/「オタクはやがてアニメを殺す」
4、実名報道をめぐる議論
報道機関はなぜ京アニの意に反して実名を公表したか/「再発防止」という視点
制作者という「公」の立場/報道における個人情報の扱い
5、国内外からの寄付
欧米的な寄付が身近なものに
第5章 事件をいかに記録するか
1、京アニの再興へむけて
待ち望まれる新作/京アニへのリクエスト
2、犯罪被害者の権利保護と報道の自由
取材に応じた遺族も/専門家の仕事とは
3、犠牲者の鎮魂の場
スタジオ跡地をどうするか
4、研究者の立場から
アーカイブの重要性/京アニが前に進んでいくために

著者プロフィール

津堅 信之  (ツガタ ノブユキ)  (著/文

1968年兵庫県生まれ。近畿大学農学部卒業。アニメーション研究家。日本大学藝術学部映画学科講師。専門はアニメーション史。近年は映画史、大衆文化など、アニメーションを広い領域で研究する。主な著書に、『日本のアニメは何がすごいのか』(祥伝社新書)、『ディズニーを目指した男 大川博』(日本評論社)、『新版 アニメーション学入門』『新海誠の世界を旅する』(ともに平凡社新書)など。

上記内容は本書刊行時のものです。