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ハーレクイン・ロマンス
巻次:930930
恋愛小説から読むアメリカ
- 初版年月日
- 2019年12月13日
- 書店発売日
- 2019年12月16日
- 登録日
- 2019年10月26日
- 最終更新日
- 2019年12月12日
書評掲載情報
2020-02-01 | 朝日新聞 朝刊 |
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紹介
世界114か国、28言語以上で読まれ、恋愛小説の代名詞として知られる「ハーレクイン・ロマンス」。主人公のヒロインが、長身マッチョでエリートのイケメンとすったもんだの末、ハッピーエンドになるシンデレラ・ストーリーは、どう読まれ、書かれてきたのか。ヒロインとヒーローの変遷、フェミニズムとの攻防……偉大なるマンネリ小説から、アメリカ社会を読む。
目次
《目次》
序章 恋は本屋さんで売っている?
第1章 道化師の誕生――ハーレクイン社とミルズ&ブーン社
それは二人の女性から始まった/イギリスのロマンス小説出版社ミルズ&ブーン
「有名な一人の男性作家」より「大勢の無名の女性作家」へ/主要マーケットは貸本屋
ストーリーと装幀の「ワンパターン」化戦略/娯楽の王者テレビの登場
「女性誌」とのタイアップ/ペーパーバック・ブームの到来
ハーレクイン社とミルズ&ブーン社の紳士協定
【コラム】 イギリスの貸本屋事情
第2章 ハーレクイン・ロマンス、アメリカへ進出
イギリス発カナダ経由/白衣のロマンス「ドクター・ナースもの」/アメリカ市場への進出/洗剤を売るようにロマンス小説を売る──新社長W・L・ハイジーの登場
ミルズ&ブーン社を傘下に/男性読者中心だったアメリカ市場/ロマンスの「製品化」
読者よりも年下のヒロイン/「絶世の美女」より「かわいい女の子」
「深窓の令嬢」より「つましい職業婦人」/高身長マッチョでイケメンなヒーロー像
アメリカ流「セルフメイド・マン」よりイギリス流「白馬に乗った騎士」
障害はロマンスの必須要素/ハッピーエンドの結末/ハーレクイン・ロマンスの三条件
ロマンス小説のマクドナルド化/空前のブーム
【コラム】 表紙イラストに描かれたヒーローとヒロイン
第3章 ロマンス小説を生み出した十八世紀イギリス
ロマンス小説の元祖『パミラ』/男の恋の物語から、女の恋の物語へ
貴族階級の没落とブルジョア階級の勃興/恋愛結婚と「駆け落ち」の流行
女性読者の誕生/男性は議論のために読書し女性は自分のために読書する
手紙を読む・書く女性たち/女性向けハウツー本でもあった『パミラ』
【コラム】 パロディの系譜――『高慢と偏見』から『ブリジット・ジョーンズの日記』へ
第4章 アメリカ人はロマンスがお好き?
ベンジャミン・フランクリンもロマンス小説に携わった/反面教師として読まれたロマンス小説/
アメリカ版『おしん』の「家庭小説」/キリスト教的信仰心から生まれた「家庭小説」
「玉の輿小説」の登場/アメリカン・ドリームとワーキング・ガール
砂漠の族長とのロマンス/ゴシック・ロマンスの登場
夫が私の命を狙ってる!?──ゴシック・ロマンスの醍醐味
新しいロマンスはイギリスからやって来る
【コラム】 新しいヒーロー像「アルファ・マン」
第5章 ロマンス戦争勃発
右肩上がりの一九七〇年代/ライバル「シルエット・ロマンス」の登場
実は奥手なハーレクイン・ロマンス/ラブシーンはどこまで許される?
アメリカ人ロマンス作家の登場/アメリカ版官能ロマンスの誕生
ライバル出版社の買収/アメリカから世界市場へ/新しい市場、中国
【コラム】 日本版の魅力、ハーレクインコミックス
第6章 ロマンス小説を読むのはなぜ後ろめたいのか
フェミニズムからの批判/ロマンス小説は有害図書?
なぜ女性は後ろめたい読書をするのか?/現実社会からの逃避と負の連鎖
フェミニズムとの「対立」から「相思相愛」へ/ハーレクインを読まなくなる社会へ?
【コラム】 ハーレクイン・ロマンス、最近の傾向
終章 偉大なるアマチュア文学
女性素人作家の発見/「質」より「量」の出版へ/出版社と作家の親密な関係
主婦からベストセラー作家へ/AIやコンピュータにも書ける?
ロマンス作家たるもの、熱心なロマンス読者であれ/ハーレクイン・ロマンスは永遠に!
【コラム】 ハーレクイン・ロマンスとコバルト文庫
あとがき
上記内容は本書刊行時のものです。