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人類の起源、宗教の誕生 山極 寿一(著/文) - 平凡社
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人類の起源、宗教の誕生 (ジンルイノキゲンシュウキョウノタンジョウ) ホモ・サピエンスの「信じる心」が生まれたとき (ホモサピエンスノシンジルココロガウマレタトキ)

新書
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発行:平凡社
新書判
224ページ
定価 840円+税
ISBN
978-4-582-85913-3   COPY
ISBN 13
9784582859133   COPY
ISBN 10h
4-582-85913-5   COPY
ISBN 10
4582859135   COPY
出版者記号
582   COPY
Cコード
C0214  
0:一般 2:新書 14:宗教
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2019年4月3日
最終更新日
2019年5月8日
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書評掲載情報

2019-07-06 朝日新聞  朝刊
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紹介

霊長類学の重鎮と宗教学・キリスト教学の一流研究者による、人類の誕生・発展と宗教との係わりを巨視的なスケールで語る対談。宗教は文明の誕生と同時に生まれたというのが定説だが、本書の議論ではさらに深く踏み込み、文明以前の人類にも宗教的観念があったか、ゴリラやチンパンジーにも宗教に類するような思考は存在するのか、など、最新の研究成果を踏まえつつ、かつてない議論を戦わせる。
対談内容は近現代社会にまで及び、「科学技術は宗教と経済のどちらをパートナーとして選んできたのか」「IT技術の発展はこれからの宗教に何をもたらすのか」など、きわめて刺激的かつ重要なテーマを論じる。白熱した議論に加え、自筆解説2本を収録。

目次

《目次》
●対談
第1章 人類は「物語」を生み出した
人間が生きる意味/犬に祈りはあるか/仲間を信じて食物を食べるということ/宗教の起源は「共同体のエシックス」/秩序を重んじ、不公平を甘受するニホンザル/「物語」が世界の外に人類を導いた/想像力こそホモ・サピエンスの力/集団に再び帰れるという人間の特性/集団に依存する生存戦略の理由/多産こそ集団形成の原動力/死者はいつか帰ってくる/魂はいつ現れたのか/ジャングルの未知のコミュニケーション/「言葉で空間を再現する」という能力の獲得
第2章 暴力はなぜ生まれたか
宗教は農耕牧畜より以前に生み出された/おばあさんザルの紛争解決/富の収奪、土地の価値が武器を人に向けた/共感能力の暴発と、暴力の頻発/儀式が「仲間」という共感能力を育てる/人口爆発に追い付けない人類の社会性/コミュニケーションの限界は一五〇人/「抵抗勢力」として始まった世界宗教/宗教の強大化が「犠牲」を求める/人類は「未来」をいつから信じ始めたのか
第3章 暴走するAIの世界
資本主義化したキリスト教/歴史と哲学を重んじるヨーロッパの伝統/キリスト教の暴力性はなぜ生まれたか/価値の一元化とキリスト教の分裂/貨幣が宗教を追い越していった/「ヒューマニズム」の発明/人間中心主義のもとにある「孤立した人間理解」/欲望を放置する利己主義/解体される人間と魂の問題/「ホモ・デウス」、人間から神へのアップグレード/AIは人間を「排除」する/AIが人間を評価する愚
第4章 ゴリラに学べ!
今西錦司と西田幾多郎/人間が「ルール化されたロボット」になる日/身体なきリアリティの幻想/生の身体行動からしか得られないもの/スマホ・ラマダーンで、データから脱出せよ!/なぜ宗教に「断食」があるのか
第5章 大学はジャングルだ
コミュニティが救う自己不安/新たな社会力を生み出す場として/ジャングルではつねに新しい種が生まれる/「知のジャングル」の未来像

●補論
◎人間、言葉、自然――我々はどこへ向かうのか  山極寿一
言葉、人間と動物を分かつもの/集団化するチンパンジー、孤独を好むゴリラ/人間にはなぜ言葉が必要だったか/子供を守るためのコミュニケーション/重さを持たないコミュニケーションの道具/身体を離れてしまった「言葉」/想像の欲求が人間の心を蝕む/超越者、神、神殿の始まり/西田幾多郎の「無の哲学」と生命の本質
◎宗教が迎える新しい時代  小原克博
霊長類研究と宗教研究/「宗教」の歴史/家族・社会の来歴/人間の言語的特徴と宗教/動物と人間/動物観・自然観の違い/自然と人工物/ロゴスと肉(身体)/食と新たな社会性/不在者の倫理

著者プロフィール

山極 寿一  (ヤマギワ ジュイチ)  (著/文

1952年東京生まれ。京都大学大学院理学研究科博士課程単位取得退学。理学博士。人類学者・霊長類学者。現在、京都大学総長、日本学術会議会長。著書に『ゴリラ』『家族進化論』(東京大学出版会)、『暴力はどこからきたか』(NHKブックス)、『日本の人類学』(共著、ちくま新書)、『都市と野生の思考』(共著、集英社インターナショナル新書)、『ゴリラからの警告「人間社会、ここがおかしい」』(毎日新聞出版)、『ゴリラの森、言葉の海』(共著、新潮社)などがある。

小原 克博  (コハラ カツヒロ)  (著/文

1965年大阪生まれ。同志社大学大学院神学研究科博士課程修了。キリスト教神学者・宗教学者。現在、同志社大学神学部教授、良心学研究センター長。著書に『世界を読み解く「宗教」入門』(日本実業出版社)、『一神教とは何か』(平凡社新書)、『宗教のポリティクス』(晃洋書房)、『神のドラマトゥルギー』(教文館)、『良心学入門』(共著、岩波書店)、『原理主義から世界の動きが見える』(共著、PHP新書)などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。