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四季の名言 坪内 稔典(著/文) - 平凡社
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四季の名言 (シキノメイゲン)

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発行:平凡社
新書判
248ページ
定価 800円+税
ISBN
978-4-582-85799-3   COPY
ISBN 13
9784582857993   COPY
ISBN 10h
4-582-85799-X   COPY
ISBN 10
458285799X   COPY
出版者記号
582   COPY
Cコード
C0295  
0:一般 2:新書 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2015年10月20日
最終更新日
2015年12月8日
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書評掲載情報

2016-01-17 毎日新聞
評者: 小島ゆかり(歌人)
2016-01-10 日本経済新聞
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目次


■ 春風や闘志いだきて丘に立つ 高浜虚子
■ 小諸なる古城のほとり 雲白く遊子悲しむ 島崎藤村
■「サヨナラ」ダケガ人生ダ 井伏鱒二 
■ 雲雀の鳴くのは口で鳴くのではない、魂全体が鳴くのだ。 夏目漱石 
■ この里に手まりつきつつ子どもらと遊ぶ春日は暮れずともよし 良寛 
■ 我々が物を知るということは、自己が物と一致するというにすぎない。花を見た時は
即ち自己が花となっているのである。 西田幾多郎 
■ チーラム チョチ チョン チー ツイーン チョチ チーラム チョン チョチ ツイーン チーラム チョチ ツイーン チーラム ツイーン 川村多実二 
■ 凡夫の心は物にしたがひてうつりやすし。/たとえば猿猴の枝につたふがごとし。法然上人 
■白鳥はかなしからずや空の青海のあをにも染まずただよふ 若山牧水
■ 小鳥ノヤウニ幸福デス 芥川龍之介 
■ 海のかなたを恋ひぬれて/ひとりただひとり/はるかにおもひつかれたり 室生犀星 
■ 私は生かされている。野の草と同じである。路傍の小石とも同じである。生かされているという宿命の中で、せいいっぱい生きたいと思っている。 東山魁夷 
■ 自転車はすうっと鳥のように近づいてきたかと思うと、洋服をきた女が、みんなのほうへにこっとわらいかけて、「おはよう!」と、風のようにいきすぎた。 壺井栄
■ 春は曙。やうやう白くなりゆく、山ぎはすこし明りて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。 清少納言 
■ 自分は現在に、未来に生きなければならないのだ。 植村直己 
■ 噴水が燠を吐いていた/赤い夕やけ空の下で 堀口大学 
■ もし君、何かの必要で道を尋ねたく思わば、畑の真ん中にいる農夫にききたまえ。 国木田独歩
■ 食うこと着ることについては明日を思いわずらった方が利口ですが、愛については明日を思いわずらうことは有害です。 伊藤整
■ 我利我利がりがりの/オレまみれだな/オーレ! まど・みちお 
■ 友をえらばば書を読んで六分の侠気四分の熱 与謝野鉄幹 
■ 恋愛は人世の秘鑰なり、恋愛ありて後人世あり。 北村透谷 
■ 努力して居る、若くは努力せんとして居る、といふことを忘れて居て、そして我が為せることがおのづからなる努力であつて欲しい。 幸田露伴 
■ われわれは一生涯、何か日常茶飯事以上のもの、「今一つの世界」を求めないではいられぬのです。 江戸川乱歩 
■ 時遅れのお昼飯代りにベンチに並んでむしゃむしゃ食べた時、まるく狐いろに膨らんで、窪みにほの紅く塩味の桜の花をつけたあんパンが、世の中にこんな食べものがあるかと思うほどおいしかった。 野上弥生子 
■ のど赤き玄鳥ふたつ屋梁りにゐて足乳の母は死にたまふなり 斎藤茂吉 
■ 籠もよ み籠持ち 掘串もよ み掘串持ち この岡に 菜摘ます子 家告らせ 名告らさね そらみつ 大和の国は おしなべて 我れこそ居れ しきなべて 我れこそ居れ 我れこそば 告らめ 家をも名をも  雄略天皇 
■ 雀の子そこのけそこのけ御馬が通る 小林一茶 
■──海よ、/僕らの使ふ文字では、/お前の中に母がゐる。 三好達治
■ 人生の最上段にある夢に届くよう、ぼくたちは爪先立ちせねばならないのだ。パティ・シャーロック 


■ 五月の朝の新緑と薫風は私の生活を貴族にする。 萩原朔太郎 
■ 九十九里の波の遠鳴り日の光り青葉の村を一人来にけり 伊藤左千夫 
■ 東山の新緑が花よりも美しく、赤味の差した楠の若葉がもくりもくり八坂の塔や清水の塔の後ろに浮き上がって眺められる頃になると、流石に京都の町々も遊び疲れた後の落ちつきを見せて来る。 志賀直哉 
■ 愁ひつつ岡にのぼれば花茨 与謝蕪村 
■ 子供より親が大事、と思いたい。 太宰治 
■ 新しい知識は小さな問題の陰に隠れている。 柳田國男 
■ 空だけが素敵に晴れている。あすも天気にちがいない。 寺山修司 
■ 再現(模倣)することは、子供のころから人間にそなわった自然な傾向である。 アリストテレス 
■ 言葉なんかおぼえるんじゃなかった/言葉のない世界/意味が意味にならない世界に生きてたら/どんなによかったか 田村隆一 
■ 車は過ぎんとす。狂せるごとく、浪子は窓の外にのび上がりて、手に持てるすみれ色のハンケチを投げつけつ。徳冨蘆花 
■ 四里の道は長かった。 田山花袋 
■ 夜更けの街の上に星がきれいであった/たれもいなかったので/塀の上から星を三つ取った 稲垣足穂 
■ きみを愛している。/きみは親しげに灯るランプを持って、/暗闇で考えにふけっていた私のところへ来てくれた女だ。 パウル・クレー 
■ えたいの知れない不吉な塊が私の心を始終圧えつけていた。 梶井基次郎 
■ 蛇 長すぎる。 ジュール・ルナール 
■ 今こそ日本語に対する勉強、鍛錬が必要です。 井上ひさし 
■ わしは明日からみそ汁だけでいいぜ 南方熊楠 
■ 玫瑰や今も沖には未来あり 中村草田男 
■ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。/よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。鴨長明 
■ 兵十は、火縄銃をばたりと、とり落としました/青い煙が、まだ筒口から細く出ていました。 新美南吉 
■ このなま身の人間なしにいかなる古典も伝統もへったくれもありはしない。 岡本太郎 
■ 渓流で冷やされたビールは、青春のやうに悲しかつた。 中原中也 
■ どうせ何をするにも真剣の命がけなら、人にけしかけてなんかもらわなくったって、一人でさっさとやるがいい。 柳原燁子 
■ おしやれと云ふのは、紅や油をつけることではなく、おのれの身の隅々まで心を行届かせることです。 橋本多佳子 
■ ひとよ 昼はとほく澄みわたるので/私のかへつて行く故里が どこかにとほくあるやうだ 立原道造 
■ 元来室内の灯し火は、冬は幾らか明るくし、夏は幾らか暗くすべきである。谷崎潤一郎 
■ だれか話し相手がいるというのはどんなに楽しいことかが、はじめてわかった。自分自身や海に向っておしゃべりするよりはずっといい。 ヘミングウェイ 
■ 馬を洗はば馬のたましひ冴ゆるまで/人恋はば人あやむるこころ 塚本邦雄 
■ 奥山に紅葉踏み分け鳴く蛍 太閤秀吉 


■ 風の音にぞおどろかれぬる 藤原敏行 
■ ものごとはね、心で見なくてはよく見えない。/いちばんたいせつなことは、目に見えない。 サン・テグジュペリ 
■ 風立ちぬ、いざ生きめやも。堀辰雄 
■ 読書するとは、自分でものを考えずに、代わりに他人に考えてもらうことだ。 ショーペンハウアー 
■ 月給四十円 正岡子規 
■ 六畳の小座舗に気を詰らして/始終壁に対ッて嘆息のみしてゐる。 二葉亭四迷 
■ 五億年経ったら帰って来る 高橋新吉 
■ 恥かいて、汗かいて、やり直す/切ない思いをしないと。 佐藤忠良 
■空っぽの袋は真っ直ぐに立ちにくい。 ベンジャミン・フランクリン
■ 実の伴ふ売名ならば天下に恥る所はないとの信念を持つて居る者である。 宮武外骨 
■ われわれが愛の目標に到達し、そうしてあらゆる人が昔ながらの本性(原形)に還元しつつ自分のものなる愛人を獲得するとき、ただその時にのみ人類は幸福になることができる。 アリストファネス 
■ 風を知り 水を識るも 徒為のみ/ 嗟呼 駱よ 駝よ 汝を奈何せん 梁川星巌 
■ 沈黙の人二人を載せた高瀬舟は、黒い水の面をすべって行った。 森鷗外 
■ ベッドのなかで、自分が途方もない虫に変わっているのに気がついた。フランツ・カフカ 
■ 美醜賢愚は俗論に任す 中島敦 
■ 今年七十六歳になる豊乃は、花の手をひいて石段を一歩々々、ふみしめるように上って行った。有吉佐和子 
■ 国に哲学無き、恰も床の間に懸物無きが如く、其国の品位を劣にするは免る可らず。 中江兆民 
■ 海岸通りに新顔が登場した、という話だった。/小犬を連れた奥さんだという。チェーホフ
■ 明る日私は誰より先に学校へいった。そうしてそっとお蕙ちゃんの席に腰かけてみたら今更のようになつかしさが湧きおこってじいっと机をかかえていた。 中勘助
■ ひとりの火をつくる 種田山頭火 
■ 無能無才にしてこの一筋につながる。 松尾芭蕉 
■ 眼は、いつでも思った時にすぐ閉じることができるようにできている。しかし、耳のほうは、自分では自分を閉じることができないようにできている。なぜだろう。寺田寅彦 
■ 日本人にとっての未来は子供であった。 宮本常一 
■ 先生。「十の林檎を二つに分けるといくつですか」/或る生徒。「はい、九つと一つであります」 木山捷平 
■ 小説の主脳は人情なり、世態風俗これに次ぐ。 坪内逍遥 
■ 読むこと/書くこと/行うこと 丸岡秀子
■(覆された宝石)のやうな朝 何人か戸口にて誰かとさゝやく それは神の生誕の日。 西脇順三郎 
■ 君があたり見つつを居らん 伊勢物語 
■ この木の葉は光るから風にキラキラする。/風が渡るとさざめくような風情が出る。楠は表情が多い。 幸田文 


■ 冬よ/僕に来い、僕に来い/僕は冬の力、冬は僕の餌食だ  高村光太郎 
■ 酔うて酔うて氷くだいて星を呑む 小西来山 
■ 徳は孤ならず、必ず隣り有り。 孔子 
■ 女が男のようにするより、男が女のように優しくなった方が世界はよくなる。西村伊作 
■ 菓子とは、ひとつがもっともおいしい。 中村汀女 
■ 春は花夏ほととぎす秋は月 冬雪さえて涼しかりけり 道元禅師 
■ こころよ/では いつておいで 八木重吉 
■ 畑の土は黒く、麦や葱は青く、空はすみわたって、諸君を待っている。 岸田劉生 
■ 或る霜の朝水仙の作り花を格子門の外よりさし入れ置きし者の有けり  樋口一葉 
■ たのしみは雪ふるよさり酒の糟あぶりて食ひて火にあたる時  橘曙覧 
■ 晩来 天 雪降らんと欲す/ 能よく一杯を飲むや無いなや  白居易 
■高砂や、この浦舟に帆をあげて、この浦舟に帆をあげて、月もろともに出いで汐の… 世阿弥 
■ やは肌のあつき血潮に触れも見でさびしからずや道を説く君  与謝野晶子 
■ よき友、三つあり。一つには物くるる友、二つには医師、三つには智恵ある友。吉田兼好 
■ 雪片 鼎に堕ちて揺らぎ未だ消えざるに/急かに嚼めば 歯間 瓊液鳴る 頼山陽 
■ 学問は底の知れざる技芸なり/憂鬱は花を忘れし病なり 牧野富太郎 
■ 私の言語の限界が私の世界の限界を意味する。 ウィトゲンシュタイン 
■ 茶の花を渡る真昼の地震かな 内田百閒 
■ 事小なるに似て決して小ならず。 福沢諭吉 
■ 好きで描き続けている人のことは、誰かがどこかから見ていてくれるような気がするのです。 やなせたかし 
■ ふかくこの生を愛すべし 会津八一 
■ げにさなり、すわり心地のよき椅子も。石川啄木 
■ 蟻は左の二番目の足から歩き出すんです。 熊谷守一 
■ 僕の涙で必ず月は曇らして見せる 尾崎紅葉 
■ 人の生くるや柔弱、其の死するや堅強。 老子 
あとがき

著者プロフィール

坪内 稔典  (ツボウチ ネンテン)  (著/文

1944年愛媛県生まれ。俳人、日本文学研究者。代表句に「三月の甘納豆のうふふふふ」「たんぽぽのぽぽのあたりが火事ですよ」「多分だが磯巾着は義理堅い」「びわ食べて君とつるりんしたいなあ」など。正岡子規研究の第一人者であり、著書に『子規山脈』(NHKライブラリー)、『正岡子規―言葉と生きる』(岩波新書)など多数、また『カバに会う――日本全国河馬めぐり』『柿日和――喰う、詠む、登る』(以上、岩波書店)など愛好する対象についての著作もある。『坪内稔典コレクション』(全3巻、沖積舎)が2013年に完結した。京都教育大学・佛教大学名誉教授。俳句グループ「船団の会」会員。

上記内容は本書刊行時のものです。