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出版者情報
フォールトライン
組織の分断回避へのアプローチ
- 初版年月日
- 2023年3月16日
- 書店発売日
- 2023年3月11日
- 登録日
- 2023年1月17日
- 最終更新日
- 2023年1月20日
紹介
日本でも、ダイバーシティという言葉はすっかり定着しているように見えるが、ダイバーシティを推し進めれば、それだけで組織のパフォーマンスが向上するわけではない。その理由は、ダイバーシティには、プラスとマイナスの2面性があるためである。プラスの側面は、広く指摘されているように、多様な人材を組織に取り込むことで、多様な視点、情報、知識が得られ、より質の高い意思決定、創造性、イノベーションを促進する効果を持つことである。
一方、マイナスの側面とは、ダイバーシティが進んだ組織では、メンバーの多様な属性によって「サブグループ化」が起こることである。このサブグループは、普段は見えないが、何かのきっかけ(トリガー)によって、顕在化し、組織内に分断線(フォールトライン)を生じさせる。それはちょうど、地震をきっかけに断層線が地上から視認できるようになるのと同じである。そしてそれを放置すれば、職場内の人間関係に決定的な亀裂を生じさせてしまう可能性がある。
本書は、サブグループ化の指標となるフォールトラインに焦点を当て、組織のパフォーマンスを損なうような職場の分断を回避するための方策を示す。
近年、フォールトラインに関する研究は増加しつつあり、実務界からも注目の集まる概念で、本書はフォールトラインを取り上げた、本邦初の研究書である。研究者はもちろんのこと、職場のダイバーシティを推進する上での課題に悩む実務家にも多くの示唆を与えることだろう。
目次
序章 職場の分断はなぜ起こるか
第I部 フォールトラインの先行研究と研究課題
第1章 多様性の先に待つ「フォールトライン」
第2章 本書の構成
第3章 サブグループの理論的背景
第4章 先行研究
第5章 研究課題
第II部 フォールトラインのプロセス・モデル
第6章 フォールトラインの形成プロセス
第7章 フォールトラインの影響プロセス
第8章 フォールトラインの顕現化プロセス
第9章 分析方法
第10章 仮説の検定
第III部 考察と展望
第11章 発見事実
第12章 考察
第13章 フォールトラインの負の効果を乗り越えプラスにつなげるアクション
フォールトラインのプロセス・モデルに関する補足
補章1 フォールトラインの顕現化プロセス:インタビュー調査
補章2 フォールトラインの形成プロセス;フォールトラインの計算方法
上記内容は本書刊行時のものです。