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いかさま師ノリス クリストファー・イシャウッド(著/文) - 白水社
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エクス・リブリス・クラシックス

いかさま師ノリス

文芸
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発行:白水社
四六判
270ページ
定価 3,600円+税
ISBN
978-4-560-09916-2   COPY
ISBN 13
9784560099162   COPY
ISBN 10h
4-560-09916-2   COPY
ISBN 10
4560099162   COPY
出版者記号
560   COPY
 
Cコード
C0097
一般 単行本 外国文学小説
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2020年9月29日
最終更新日
2020年11月17日
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書評掲載情報

2021-04-17 毎日新聞  朝刊
評者: 若島正(京都大学名誉教授・米文学)

紹介

恐怖はいつの間にか、もうそこに。

 1930年代、ワイマール文化が咲き誇るベルリン。語り手ウィリアムはアーサー・ノリスと知り合った。立派な身なりをした教養人で貿易業をしているという。ノリスを介しウィリアムは癖のある面々と出会う。ノリスは贅沢な乱痴気生活をしては困窮して姿を消し、次に現われたときには大金を手にしている。彼はまた、多くのベルリン市民と同じように政治にも関心を見せた。ある時、ウィリアムは彼に代わり、取引先に知り合いの男爵を引き合わせるよう頼まれる。だが実は、ノリスの取引先とはさる情報機関だった……。
 ノリスの滑稽な言動には毎回笑わせられるが、本書は単純な喜劇に終わらず、奥深い。共産党やナチスに対する市民の熱狂が渦巻いていた当時、ベルリンに暮らしていた著者イシャウッドは、1935年に本書を発表した。ナチスによる敵対者への残虐な弾圧が広く知られる前にその危うさを描きこんだ鋭さには驚くばかり。熱狂の影で進む恐怖はいつ、どこの国でも起こりうる。いま我々もノリスを笑っていられるだろうかと背筋が寒くなる。
 ナチス台頭前夜の狂乱の日々を鋭い洞察力で描く、イシャウッドの予見的傑作、新訳で登場。

著者プロフィール

クリストファー・イシャウッド  (クリストファー イシャウッド)  (著/文

1904年、イングランドの裕福な家庭に生まれる。ケンブリッジ大学を退学処分となり、ロンドンで家庭教師などをしながら本格的に小説を書きはじめる。28年、第一長篇All the Conspiratorsを発表後、幼馴染W・H・オーデンの誘いで、ベルリンに向かう。ワイマール文化華やかなりしベルリンでの経験を基に書いた本書『いかさま師ノリス』(1935)とGoodbye to Berlin(1939)で不動の地位を確立。後者はミュージカル・映画の名作『キャバレー』にもなった。また、文学界の新潮流「オーデン・グループ」を形成し注目された。39年、オーデンと共に渡米。カリフォルニアで出会ったヒンドゥー教に傾倒。グレタ・ガルボ、ストラヴィンスキー、オルダス・ハクスリー、テネシー・ウィリアムズ、デイヴィッド・ホックニーらと親交を結ぶ。46年、アメリカに帰化。後期の代表作にA Single Man(1964)がある。86年、カリフォルニアのサンタモニカにて逝去。

木村 政則  (キムラ マサノリ)  (翻訳

1968年生まれ。英米文学翻訳家。著書に『20世紀末イギリス小説――アポカリプスに向かって』。訳書に『モーム短篇集――マウントドレイゴ卿/パーティの前に』サマセット・モーム、『チャタレー夫人の恋人』D・H・ロレンス。『見えない日本の紳士たち』『国境の向こう側』グレアム・グリーン(共訳)。『バン、バン! はい死んだ』『寝ても覚めても夢』『ブロディ先生の青春』『あなたの自伝、お書きします』ミュリエル・スパーク。

上記内容は本書刊行時のものです。