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近代日本の美術思想(下) 今橋 映子(著/文) - 白水社
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近代日本の美術思想(下) (キンダイニホンノビジュツシソウ) 美術批評家・岩村透とその時代 (ビジュツヒヒョウカイワムラトオルトソノジダイ)

芸術
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発行:白水社
A5判
788ページ
定価 22,000円+税
ISBN
978-4-560-09819-6   COPY
ISBN 13
9784560098196   COPY
ISBN 10h
4-560-09819-0   COPY
ISBN 10
4560098190   COPY
出版者記号
560   COPY
Cコード
C0070  
0:一般 0:単行本 70:芸術総記
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2021年2月26日
最終更新日
2021年4月8日
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書評掲載情報

2021-12-18 毎日新聞  朝刊
評者: 鹿島茂(仏文学者)
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紹介

岩村透とは誰か。文化芸術はなぜ社会に必要か。

黒田清輝や森鷗外の盟友でありながら、忘却の彼方となった美術批評家・岩村透。
なぜ彼は忘れられたのか――美校の初代西洋美術史教授であった彼は、制作家と社会を結ぶ批評を重視し、「美術」による社会変革を試みた。1910年代の日本で、百年後の「美術と社会」を見据え、美術ジャーナリズムやアーツマネジメントを展開。言論統制下に美術行政を論じながらも早逝した彼の仕事の全貌と、驚くほど多分野の人々との共闘の足跡を辿る。

文学・絵画・彫刻・工芸・建築・社会思想などを繋ぐ学際研究、著者畢生の大作。
上下2巻で、新出図版も多数。カラー口絵各8頁。
年譜・参考文献・巻末関連資料など完備。

目次

[上巻目次]
はじめに――美術百年の志

第Ⅰ部 岩村透を読み直すために
 第1章 その生涯 (1870-1917)
 第2章   岩村透研究の推移と問題点
 第3章   美術批評史研究の推移と岩村透の位相――批評期区分の試み
コラム1  岩村透の蔵書――明治大正期知識人の世界像
        
第Ⅱ部 世紀転換期の美術批評と岩村透の仕事
第4章   美術批評はいかにして可能か
第5章   技芸家のための西洋美術史
 第6章   ボヘミアニズムの仕掛け人――「巴里の美術学生」の波及力
        
第Ⅲ部 明治大正期の初期社会主義と美術批評
第7章 坂井犀水と初期社会主義
 第8章   岩村透と初期社会主義
第9章   先取られた追悼――森鷗外「かのやうに」における岩村透像

第Ⅳ部 前衛史観に抗して
 第10章  『美術新報』改革とその戦略(1909-1913)
 第11章  文展時代の〈小芸術〉――〈民藝〉直前の装飾美術運動

[下巻目次]
第Ⅴ部 美術行政とアーツマネジメントの先駆者
 第12章  「美術問題」の輿論形成に向けて――〈時言〉〈週報言〉の戦略
 第13章   海外美術情報の領分――生きて動く世界美術史
 第14章  『日本美術年鑑』の百年
       ――国内美術情報収集の意味とその継承者たち
第15章  美術行政とアーツマネジメントへのめざめ
      ――国民美術協会という遺産
第16章  美術と建築、技芸家と社会
 第17章  歴史が照らすもの――美術行政とアーツマネジメントの先駆者

第Ⅵ部 途絶された旅路――岩村教授復職却下事件の真相

 第18章  ボヘミアニズムの光と闇
       ――岩村教授復職却下事件の真相と高等遊民問題
 第19章  幻の著作――二言語使用者の夢
 終 章   大樹の倒れたあとに
       ――岩村透没後十年忌(1926年)本瑞寺所蔵追善作品群の意味
 コラム2 百年後の光輪――岩村透百回忌(2016年)法要および記念展覧会

おわりに――一念の誠天地を動かすべし

著者プロフィール

今橋 映子  (イマハシ エイコ)  (著/文

1961年東京生まれ。東京大学大学院総合文化研究科教授。専門は比較文学・比較文化。著書に、『異都憧憬 日本人のパリ』(柏書房、1993/平凡社ライブラリー、2001)(1994年度サントリー学芸賞および渋谷クローデル特別賞受賞)、『〈パリ写真〉の世紀』(白水社、2003)(2003年度重森弘淹写真評論賞、2004年度島田謹二記念学藝賞および日本写真協会賞学芸賞受賞)、『ブラッサイ パリの越境者』など。

上記内容は本書刊行時のものです。