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戦後経済学史の群像
日本資本主義はいかに捉えられたか
発行:白水社
四六判
224ページ
定価
2,200円+税
- 書店発売日
- 2020年12月24日
- 登録日
- 2020年10月29日
- 最終更新日
- 2020年12月14日
書評掲載情報
2021-03-20 |
東京新聞/中日新聞
朝刊 評者: 栗原裕一郎(評論家) |
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紹介
「近代化」と「豊かさ」をめぐる思索
「日本資本主義」という〈問題〉がかつて存在した―。
明治以降の日本社会は、マルクスが捉えた資本主義の発展図式と異なるのではないか。もしそうだとしたら、日本社会はどのような資本主義社会であり、現状、どの段階にあるのか。
こうした論点をめぐり1920年代から30年代にかけて「日本資本主義論争」が起こる。さらにこの論争は、封建社会から資本主義社会への移行の問題として「大塚史学」に引き継がれる。
そして戦後社会科学は、この日本資本主義論争と大塚史学を揺籃に歩み始める。
そこで追求されたのは、日本資本主義の構造把握を通じた「近代化」と「豊かさ」の実現である。もちろん、どちらも戦時下の「生産力」の増強という要請の変奏曲でもある。
本書では、内田義彦、大河内一男、高島善哉、小林昇、水田洋、伊東光晴という戦後経済学の巨人に即して、日本資本主義がいかに捉えられたかを解明する試みである。
それは同時に「戦後」とはどんな時代だったかを明らかにすることでもある。日本資本主義が問われなくなったとき、戦後が終わったとも言いうるからだ。社会科学が輝いた時代へ赴く、渾身の書下ろし。
上記内容は本書刊行時のものです。