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発行:白水社
A5判
422ページ
定価
7,500円+税
- ISBN
- 9784560098035
- Cコード
-
C0010
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一般 単行本 哲学
- 出版社在庫情報
- 不明
- 書店発売日
- 2017年6月29日
- 登録日
- 2017年4月27日
- 最終更新日
- 2017年6月22日
書評掲載情報
2019-02-10 |
読売新聞
朝刊 評者: 宮下志朗(放送大学客員教授、仏文学者) |
2017-07-30 |
読売新聞
朝刊 評者: 納富信留(東京大学教授・西洋古代哲学) |
紹介
死刑存廃論を脱構築!
ジャック・デリダは、死刑に関するセミネールを1999~2000年度と2000~01年度の二年度にわたって行なった。本書にはその第一年度が収録されている。
死刑について考えるにあたっての出発点となるのは、パラダイム的な大いなる例(ソクラテス、イエス、ハッラージュ、ジャンヌ・ダルク)をはじめ、聖書からベッカリーア、ロック、カント、ユゴー、ジュネらを経由し、カミュやバダンテールに至る正典的テクスト、そして第二次世界大戦後の法的テクストの数々。
死刑廃止運動の論理と修辞に関心を寄せた読解がなされ、とりわけ、アメリカ合衆国の歴史(1972年に死刑適用は違憲と判決した最高裁判所の決定から、1977年の執行再開などに至る歴史)には数多くの分析がついやされる。
「私は、単にして純な、最終的な死刑廃止に投票します。」──このヴィクトール・ユゴーの声を力強く響かせながら、残酷さ、血、例外、恩赦、主権、利害……極刑のはらむ概念について、憲法や条約、文学作品とともに明解に問い直されてゆく哲学のディスクール! 死刑存廃論の全体を脱構築してゆく、政治神学‐死刑論。
上記内容は本書刊行時のものです。