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新・資本主義論
「見捨てない社会」を取り戻すために
発行:白水社
四六判
334ページ
定価
3,200円+税
- 書店発売日
- 2020年10月1日
- 登録日
- 2020年7月29日
- 最終更新日
- 2020年9月11日
書評掲載情報
2023-03-18 |
東京新聞/中日新聞
朝刊 評者: 根井雅弘(京都大学教授) |
2020-12-12 |
日本経済新聞
朝刊 評者: 根井雅弘(京都大学教授) |
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紹介
分断と対立を克服するための処方箋
各国の社会は今、ナショナリズムやマルクス主義といった古びたイデオロギーやポピュリズムに流される低所得・低学歴層と、グローバル化する世界で利益を追求して豊かな暮らしを謳歌する高学歴エリート層とに分裂し、対立している―。そんな溝を埋め、資本主義をふたたび多くの人びとに豊かさと希望をもたらすものへと軌道修正していくにはどうすればよいのか。著者は、資本主義が本来もっていた責任感と義務感に基づく「助け合いの精神」の復興を説く。そして、そのためにはデジタル化の進展で希薄になり、価値観の相異から内部に対立さえ抱えるようになった国家や地域社会といったコミュニティの住人としての、アイデンティティーの回復が重要だと指摘する。
開発経済学の分野を牽引してきた第一人者ならではの深い洞察をベースに、かつて鉄鋼業で栄えながら深刻な状況に陥って回復の途上にある英国シェフィールドの労働者の家庭に育った個人的な体験も交じえながら、資本主義の倫理的・道徳的側面に着想を得た方策の数々を平易な言葉で述べる。グローバル社会を生きるあらゆる世代に向けて、未来への指針を具体的に提示した野心作。
上記内容は本書刊行時のものです。