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ローマ帝国の崩壊[新装版] ブライアン・ウォード=パーキンズ(著/文) - 白水社
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ローマ帝国の崩壊[新装版] 文明が終わるということ

発行:白水社
四六判
336ページ
定価 3,600円+税
ISBN
9784560097847
Cコード
C0022
一般 単行本 外国歴史
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2020年6月30日
最終更新日
2020年8月21日
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書評掲載情報

2020-10-17 毎日新聞  朝刊
評者: 鹿島茂(仏文学者)

紹介

 ローマ帝国は衰亡したのか、独自の価値をもつ「古代末期」という新しいポジティヴな時代と捉えなおすべきなのか。本書は長年のこの議論をわかりやすく解説しつつ、「ゲルマン民族が侵入してきたとき、経済や社会に何が起き、人びとの暮らしはどう変化したのか」を、文献史料や陶器・家畜の骨・建築物(の跡)などを使い、史学・考古学双方の研究を駆使して描き出している。
 ローマ帝国はさまざまな方法で経済的発展を促進し、税収による莫大な金銭を再分配した。ライン川とドナウ川に沿って駐屯していた職業的な軍が五世紀に崩壊すると、給料を得ていた何万もの兵士たちの購買力も失われ、彼らの装備を製作していたイタリア北部の工場も姿を消した。また皇帝たちは自身のために、交易を円滑にするインフラを維持したが、実際には貨幣は徴税官よりも商人や一般市民の手に渡るほうがはるかに多く、道路を旅するのも、軍より荷馬車と駄獣のほうがずっと頻繁だった。帝国の終焉とともに、これらへの設備投資は劇的に減少した。結果、地域の農業・工業の専門分化や作物・工芸品の換金が困難になると、住民はより生産性の低いシステムへの回帰を強いられ、人口は減少していく。
 ローマ帝国の洗練された生産・流通システムがひとたび崩壊してしまうと、地域によっては先史時代の水準にまで後退し、回復には数世紀を要したという事実は、かなり衝撃的である。英国ペンクラブのヘッセル=ティルトマン歴史賞受賞。

著者プロフィール

ブライアン・ウォード=パーキンズ  (ウォードパーキンズ)  (著/文

イギリスの考古学・歴史学研究者。ローマ生まれ。オクスフォード大学モードリン・カレッジを卒業。2019年9月に同大学トリニティ・カレッジを退職し,現在同カレッジ名誉フェロー。同大学古代末期研究センター元所長。父は建築史家ジョン・ブライアン・ウォード=パーキンズ。本書は2006年に、イギリスで優れた歴史ノンフィクション作品に贈られるヘッセル=ティルトマン賞を受賞した。

南雲 泰輔  (ナグモ タイスケ)  (翻訳

山口大学人文学部講師。京都大学博士(文学)。主要著書:『ローマ帝国の東西分裂』(岩波書店、2016年)、『378年:失われた古代帝国の秩序(歴史の転換期2)』(南川高志編、山川出版社、2018年、分担執筆)、『論点・西洋史学』(金澤周作監修、ミネルヴァ書房、2020年、分担執筆)

上記内容は本書刊行時のものです。