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ビリオネア・インド ジェイムズ・クラブツリー(著/文) - 白水社
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ビリオネア・インド (ビリオネアインド) 大富豪が支配する社会の光と影 (ダイフゴウガシハイスルシャカイノヒカリトカゲ)

社会一般
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発行:白水社
四六判
474ページ
定価 3,200円+税
ISBN
978-4-560-09782-3   COPY
ISBN 13
9784560097823   COPY
ISBN 10h
4-560-09782-8   COPY
ISBN 10
4560097828   COPY
出版者記号
560   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2020年6月30日
最終更新日
2020年8月17日
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書評掲載情報

2020-10-17 日本経済新聞  朝刊
評者: 村山真弓(日本貿易振興機構理事)
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紹介

超富裕層(スーパーリッチ)の生態から見えてくる、繁栄と腐敗の構造

 本書は、経済自由化以降の急激な成長によって誕生した超富裕層の実態に深く切り込み、インドの経済・政治・社会の諸相を、ときに魅力的に、ときに生々しく描き出したノンフィクションである。380億ドルという途方もない個人資産を持つインド最大の富豪ムケーシュ・アンバニをはじめ、ビジネスのさまざまな分野で成功を収めた億万長者が何人も登場するが、単なる「成金列伝」ではない。政官財の癒着、蔓延する縁故主義、地方政界やスポーツ界を蝕む汚職体質など、サクセスストーリーの裏に見え隠れする負の側面から、インド社会に根深く残る腐敗の構造をあぶり出していく。
 『フィナンシャル・タイムズ』の記者だった著者は、19世紀後半のアメリカの「金ぴか時代」に現在のインドを重ね合わせたうえで、アメリカではその後、政治の透明性向上や中産階級の拡大といった変化がもたらされたが、インドも近い将来、そうした「革新主義時代」に移行することができるだろうかと問う。
 グローバル経済の功罪、新興国の経済発展と政治、貧富の格差といった現代世界が直面するさまざまな問題を考えるうえで示唆に富み、読み応え十分の一冊。

著者プロフィール

ジェイムズ・クラブツリー  (クラブツリー)  (著/文

ジャーナリスト。英国のブレア、ブラウン両首相の戦略チームで上級政策顧問を務めたのち、有力誌『プロスペクト』のシニアエディターを経て、2011~16年『フィナンシャル・タイムズ』ムンバイ支局長としてインドに駐在。『ニューヨーク・タイムズ』『エコノミスト』『ニッケイ・アジア・レビュー』など、米欧日の主要メディアを中心に旺盛な執筆活動を展開してきた。現在はシンガポールに拠点を置き、シンガポール国立大学リークアンユー公共政策大学院准教授、王立国際問題研究所のフェローを務めている。

笠井 亮平  (カサイ リョウヘイ)  (翻訳

1976年愛知県生まれ。岐阜女子大学南アジア研究センター特別研究員。中央大学総合政策学部卒業後、青山学院大学大学院国際政治経済学研究科で修士号取得。在中国、在インド、在パキスタンの日本大使館で外務省専門調査員として勤務。横浜市立大学、駒澤大学などで非常勤講師。著書に『モディが変えるインド』『インド独立の志士「朝子」』(以上、白水社)、共著に『軍事大国化するインド』(亜紀書房)、『台頭するインド・中国』(千倉書房)、訳書に『シークレット・ウォーズ(上下)』『ネオ・チャイナ』(以上、白水社)などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。