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ホッキョクグマ
北極の象徴の文化史 巻次:ホッキョクノショウチョウノブンカシ
発行:白水社
A4変型判
345ページ
定価
12,000円+税
- 書店発売日
- 2020年8月3日
- 登録日
- 2019年12月25日
- 最終更新日
- 2020年7月9日
書評掲載情報
2020-12-13 |
読売新聞
朝刊 評者: 三中信宏(進化生物学者) |
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紹介
極北のカリスマの過去・現在・未来
先史時代から現在に至る8000年の歴史を通じて、この白く美しいカリスマ的な野獣に私たちが抱くイメージや観念がどのように成り立ち、変遷してきたかを辿る一大文化史。
冒頭の章では、人類史における彼らの存在の歴史と、北極の気候に適応した生態について概観する。第二章では、ベルリン動物園で生まれ、人工哺育されたクヌートの短い生涯を辿り、彼の存在が私たちに問いかけるものについて考察する。
続く章では、先住民族に伝わる神話や伝説、狩猟などの文化を扱う。神聖な存在としても狩りの獲物としても先住民たちがホッキョクグマを尊んできたのに対し、非先住民は狩るか狩られるかの関係でのみ彼らを捉え、交易品、戦利品、あるいは見世物としての価値を付与してきた。
他にも、「白い熊」についての最古の記述が「日本書紀」であること、北極探検、サーカスや動物園における彼らの数奇な歴史、近年ますます人気を集める野生観察ツアーの問題点、さらにはホッキョクグマ肉の味、剝製作りまで、多様な切り口が用意されている。私たちを魅了してやまない彼らの本来の姿を知り、未来を考えるための必読書。図版175点。
上記内容は本書刊行時のものです。