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ビザンツ帝国 生存戦略の一千年
発行:白水社
四六判
380ページ
定価
4,200円+税
- 書店発売日
- 2018年1月21日
- 登録日
- 2017年11月28日
- 最終更新日
- 2017年12月26日
書評掲載情報
2018-12-16 |
毎日新聞
朝刊 評者: 本村凌二(東京大学名誉教授・西洋史) |
2018-03-18 |
毎日新聞
朝刊 評者: 本村凌二(東京大学名誉教授・西洋史) |
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紹介
民族移動の荒波のなかで生きる
ギボンは『ローマ帝国衰亡史』で、彼のいう「ギリシア人」つまりビザンツ人の「臆病と内紛」を強調した。地図からビザンツが消えてしまった理由として、ビザンツ人に何かしら欠陥があったという認識は、今日でも残っている。多くの敵を打ち破るため軍団を整備すべき時に、教義論争や教会装飾にかまけて、政治・経済の現実を無視したというのだ。
だが、もし本当にビザンツ人が怠惰で無気力だったとしたら、なぜビザンツ帝国はあれほど長く存続したのだろうか。アレクサンドロス大王をはじめ、カリスマ的な開祖が死ぬとたちまち瓦解してしまった支配が歴史上にはしばしばみられる。しかもビザンツは、アジアやアラビア半島から人の波が西へと移動していく、いわば「民族のボウリング場」の端に位置していた。ある集団を軍事力で打ち破ったところで、新たに3つの集団が現れた。ここでは、まったく新しい考え方が必要だったのだ。
ゆえに問うべきは、なぜビザンツが滅びたかではない。なぜ不利な条件のもとで存続できたかなのだ――。本書は、おもな皇帝と印象的なエピソードを軸に、対外関係からビザンツ史を語る試みである。
上記内容は本書刊行時のものです。