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不法移民はいつ〈不法〉でなくなるのか
滞在時間から滞在権へ
発行:白水社
四六判
224ページ
定価
2,800円+税
- 書店発売日
- 2017年9月24日
- 登録日
- 2017年7月27日
- 最終更新日
- 2017年9月23日
書評掲載情報
2021-05-29 |
朝日新聞
朝刊 評者: 高谷幸(東京大学准教授・移民研究) |
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紹介
最良の移民論入門
オバマ米大統領は、5年以上国内に滞在している不法移民に対して、犯罪歴がなく納税をしていることを条件に、合法的に労働できるよう大統領覚書を発した。これにより合法的地位を与えられた不法移民は500万人に上る。そして、新大統領トランプの「長城」建設構想はじめ反移民政策はもちろん、この覚書を標的にしたものである。
現在、1100万に上ると言われる不法移民は、アメリカにおける深刻な政治・社会問題となっており、この膨大な不法移民をどうするかは、文字通り国論を二分している。
本書は、移民論の「古典」として内外で参照される1冊である。その主張は極めて明快で、5年以上滞在している不法移民には「滞在権」が付与されるべきだと説く。
著者自身はもともと開放国境論を主張して、移民正義論を打ち立てた世界的権威。移民問題の深刻化を背景に本書の刊行に踏み切った。
日本でも移民は焦点として浮上しつつある。本書は、日本の読者向けに移民にアプローチするための読書案内、アメリカ移民法史年表とともに、井上彰、谷口功一、横濱竜也各氏による座談会「危機の時代の移民論」も付した。
上記内容は本書刊行時のものです。