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鄙の宿[新装版] W・G・ゼーバルト(著/文) - 白水社
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鄙の宿[新装版] (ヒナノヤド)

文芸
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発行:白水社
四六判
186ページ
定価 3,600円+税
ISBN
978-4-560-09486-0   COPY
ISBN 13
9784560094860   COPY
ISBN 10h
4-560-09486-1   COPY
ISBN 10
4560094861   COPY
出版者記号
560   COPY
Cコード
C0097  
0:一般 0:単行本 97:外国文学小説
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2022年12月24日
最終更新日
2023年3月3日
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紹介

「魂の近親者」であった作家と作品への共感

 ジャン・ジャック=ルソー、ローベルト・ヴァルザーなど、ゼーバルトが偏愛した作家・作品と人生を振り返る。彼らは時代の波に乗らなかった「脇役」であった。そして、「幸福」とは言えなかった人生を送り、書くことを止められなかった作家たちであった。
 19世紀から20世紀にかけて、急速に変貌を遂げていく近代社会、資本主義、そしてナショナリズムへの傾斜を背景にしながら、そうした趨勢と思潮に背を向け、逃避し、孤独で病的な作家たちの生涯が、ゼーバルトならではの独自な視点から取りあげられた逸話を交え、いつものように印象深い図版を豊富に織り交ぜながら綴られる。彼らが一見小さな領域に引きこもっているかに見えて、むしろ誰よりも「時代の災厄」を感知し、それぞれが言葉で相対していたことが、ゼーバルト流の息の長い密度の濃い文体で明かされる。時空を越えた連想や脱線から時代が捉えられ、歴史を越えて、生きる苦悩のごとき普遍的な生々しさが浮かび上がり、心を強く打つ。
 ゼーバルトの歴史へのまなざし、近代に対する鋭い批評性を改めて認識させられる作品集。カラー口絵6点収録。

著者プロフィール

W・G・ゼーバルト  (ゼーバルト)  (著/文

W.G.SEBALD
1944年、ドイツ・アルゴイ地方ヴェルタッハ生まれ。フライブルク大学、スイスのフリブール大学でドイツ文学を修めた後、マンチェスター大学に講師として赴任。イギリスを定住の地とし、イースト・アングリア大学のヨーロッパ文学の教授となった。散文作品『目眩まし』『移民たち 四つの長い物語』『土星の環 イギリス行脚』を発表し、ベルリン文学賞、ハイネ賞など数多くの賞に輝いた。遺作となった散文作品『アウステルリッツ』も、全米批評家協会賞、ハイネ賞、ブレーメン文学賞を受賞し、将来のノーベル文学賞候補と目された。エッセイ・評論作品『空襲と文学』『カンポ・サント』『鄙の宿』も邦訳刊行されている。2001年、住まいのあるイギリス・ノリッジで自動車事故に遭い、他界した。

鈴木 仁子  (スズキ ヒトコ)  (翻訳

1956年生まれ。翻訳家。主要訳書:ベーレンス『ハサウェイ・ジョウンズの恋』、ゲナツィーノ『そんな日の雨傘に』、ゼーバルト『アウステルリッツ』『移民たち』『目眩まし』『土星の環』『空襲と文学』『カンポ・サント』(以上、白水社)。

上記内容は本書刊行時のものです。