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クルーゾー
発行:白水社
四六判
502ページ
定価
4,000円+税
- 書店発売日
- 2023年2月27日
- 登録日
- 2022年12月24日
- 最終更新日
- 2023年3月1日
書評掲載情報
2023-04-22 |
日本経済新聞
朝刊 評者: 山本浩司(早稲田大学教授) |
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紹介
国家崩壊を神話的に描く、21世紀の『魔の山』
1989年夏、東ドイツで⽂学を学ぶエドは、恋⼈を事故で亡くして絶望し、人生からの逃亡を決意する。向かったのはバルト海に浮かぶ小さな島、ヒッデンゼー。対岸にデンマークを望むこの島は、自由を求める人々の憧れの地だ。島に到着したエドは、さしあたり⼀夏を過ごそうと「隠者亭」の⽫洗いの職に就く。実質、島はクルーゾーというカリスマ的な男によって統治されていた。強烈な影響力で周囲を動かすクルーゾーに、エドは畏怖と憧れを抱く。やがて、クルーゾーは詩への情熱からエドを特別な存在として認め、二人は心を通わせ、深い絆で結ばれていく。だが、夏が終わり、秘かに国境を越えようと住人が一人また一人と去っていくと、平穏な日々に亀裂が……。
最後に一人、島に残った男が知る世界の大転換と、友との約束とは? 極限で見出した、真の自由と友情とは?
いまドイツで最も注目され、《バッハマン賞》《ライプツィヒ書籍見本市賞》など、数多の文学賞の栄誉に輝く詩人が、夢と現実の境界を溶かす語りで、国家の終焉を神話に昇華させた長篇。本書で《ドイツ書籍賞》を受賞している。
上記内容は本書刊行時のものです。