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アイダホ エミリー・ラスコヴィッチ(著/文) - 白水社
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アイダホ (アイダホ)

文芸
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発行:白水社
四六判
368ページ
定価 3,600円+税
ISBN
978-4-560-09075-6   COPY
ISBN 13
9784560090756   COPY
ISBN 10h
4-560-09075-0   COPY
ISBN 10
4560090750   COPY
出版者記号
560   COPY
Cコード
C0097  
0:一般 0:単行本 97:外国文学小説
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2022年5月31日
最終更新日
2022年7月15日
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紹介

記憶は消えても悲しみは消えない

 アイダホの山中に住む音楽教師アンは、夫ウエイドのかつての家族のことを何年も思い続けている。9年前、一家が薪を取りに出かけた山で、ウエイドの前妻ジェニーが末娘メイを手にかけ、上の娘ジューンはその瞬間を目撃、ショックで森に逃げこみ失踪した。長女の行方を必死に捜し続けてきたのに、最近のウエイドは若年性認知症の影響で、事件のことも娘がいたこともわからないときがある。ジェニーは、罰を受けること以外、何も望まず誰とも交わらずに服役してきたが、新たな同房者とあることを機にぎごちないやりとりが始まる。アンは夫のいまだ癒えぬ心に寄り添いたいと願い、事件に立ち入ることを躊躇いながらも、一家の名残をたどり、断片を繋ぎ合わせていく……。
 凄惨な事件を核としながら、本書が目を凝らすのは事件そのものではなく、人々の心の動き。人の心の襞をひとつずつそっとめくるように静かに物語は進む。また、厳しく美しいアイダホの大自然の描写も魅力的で、もうひとつの主人公ともいえる。
 日常が一瞬で打ち砕かれる儚さ、愛よりも深い絆、贖罪を、静謐な筆致で鋭く繊細に描く珠玉のデビュー長篇。2019年度国際ダブリン文学賞受賞作。

著者プロフィール

エミリー・ラスコヴィッチ  (エミリー ラスコヴィッチ)  (著/文

アイダホ北部で育つ。アイオワ大学創作科で修士号を取得。大学で創作を教えるかたわら、「ゾエトロープ」や「ワンストーリー」等に作品を寄稿。2015年に短篇OwlでO・ヘンリー賞を受賞。2017年、長篇第一作となる本書を刊行。2018年度Pacific Northwest Book Awardsを受賞し、同年度ディラン・トマス賞、ニューヨーク公共図書館若獅子賞の最終候補に選ばれ、2019年度国際ダブリン文学賞を受賞した。

小竹 由美子  (コタケ ユミコ)  (翻訳

1954年東京生まれ。早稲田大学法学部卒業。主要訳書にT・ボウラー『嵐をつかまえて』、A・N・ウィルソン『猫に名前はいらない』、J・シェパード『14歳のX計画』『わかっていただけますかねえ』、P・トーディ『イエメンで鮭釣りを』『ウィルバーフォース氏のヴィンテージ・ワイン』、P・ハーディング『ティンカーズ』(以上、白水社)

上記内容は本書刊行時のものです。