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眠りの航路 呉明益(著/文) - 白水社
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眠りの航路 (ネムリノコウロ)

文芸
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発行:白水社
四六判
338ページ
定価 2,400円+税
ISBN
978-4-560-09069-5   COPY
ISBN 13
9784560090695   COPY
ISBN 10h
4-560-09069-6   COPY
ISBN 10
4560090696   COPY
出版者記号
560   COPY
Cコード
C0097  
0:一般 0:単行本 97:外国文学小説
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2021年6月29日
最終更新日
2021年8月26日
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書評掲載情報

2021-11-28 読売新聞  朝刊
評者: 柴崎友香(作家)
2021-10-02 毎日新聞  朝刊
評者: 川本三郎(評論家)
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紹介

父子二代の記憶へ漕ぎ出す鮮烈な長篇デビュー作


台湾を代表する作家であり、世界的に注目を集める作家・呉明益の長篇デビュー作の待望の邦訳。のちに『自転車泥棒』や『歩道橋の魔術師』にもつながる原初の物語である。
台北で暮らすフリーライターの「ぼく」は、数十年に一度と言われる竹の開花を見るために陽明山に登るが、その日から睡眠のリズムに異常が起きていることに気づく。睡眠の異常に悩む「ぼく」の意識は、やがて太平洋戦争末期に神奈川県の高座海軍工廠に少年工として13歳で渡り、日本軍の戦闘機製造に従事した父・三郎の人生を追憶していく。戦後の三郎は、海軍工廠で働いた影響から難聴を患いながらも、台北に建設された中華商場で修理工として寡黙に生活を送っていた。中華商場での思い出やそこでの父の姿を振り返りながら「ぼく」は睡眠の異常の原因を探るために日本へ行くことを決意し、沈黙の下に埋もれた三郎の過去を掘り起こしていく。三郎が暮らした海軍工廠の宿舎には、勤労動員された平岡君(三島由紀夫)もいて、三郎たちにギリシア神話や自作の物語を話して聞かせるなど兄のように慕われていたが、やがて彼らは玉音放送を聴くことになるのだった――。

著者プロフィール

呉明益  (ゴ メイエキ)  (著/文

1971年台北生まれ、小説家、エッセイスト。輔仁大学マスメディア学部卒業、国立中央大学中国文学部で博士号取得後、現在、国立東華大学華語文学部教授。90年代初頭から創作を行い、短篇小説集『本日公休』(97年)で作家デビュー。2007年、初の長篇小説『睡眠的航線』(本書)を発表し、『亜州週刊』年間十大小説に選出された。以降、80年代の台北の中華商場を舞台とした短篇小説集『歩道橋の魔術師』(白水社)やSF長篇小説『複眼人』(KADOKAWA)、激動の台湾百年史を一台の自転車をめぐる記憶に凝縮した長篇小説『自転車泥棒』(文藝春秋)など、歴史とファンタジーを融合させたユニークな作品を次々と発表している。国内では全国学生文学賞、聯合報文学小説新人賞、梁実秋文学賞、中央日報文学賞、台北文学賞、台湾文学長篇小説賞、台北国際ブックフェア大賞などを相次いで受賞、海外では『複眼人』がフランスの島嶼文学賞を獲得、『自転車泥棒』が国際ブッカー賞の候補にノミネートされるなど、その作品は世界的に評価され、日本語、英語、フランス語、チェコ語、トルコ語など、数ヶ国語に翻訳されている。

倉本 知明  (クラモト トモアキ)  (翻訳

1982年、香川県生まれ。立命館大学大学院先端総合学術研究科修了、学術博士。台湾文藻外語大学副教授。専門は比較文学。2010年から台湾・高雄在住。共著『戦後史再考――「歴史の裂け目」をとらえる』(平凡社)、訳書に伊格言『グラウンド・ゼロ――台湾第四原発事故』、王聡威『ここにいる』(いずれも白水社)、蘇偉貞『沈黙の島』(あるむ)がある。

上記内容は本書刊行時のものです。