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海の乙女の惜しみなさ デニス・ジョンソン(著/文) - 白水社
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海の乙女の惜しみなさ (ウミノオトメノオシミナサ)

文芸
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発行:白水社
四六判
235ページ
定価 2,400円+税
ISBN
978-4-560-09058-9   COPY
ISBN 13
9784560090589   COPY
ISBN 10h
4-560-09058-0   COPY
ISBN 10
4560090580   COPY
出版者記号
560   COPY
Cコード
C0097  
0:一般 0:単行本 97:外国文学小説
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2019年2月26日
最終更新日
2019年4月9日
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紹介

どん底から救済を夢見る人々の姿

 2017年に没した著者が死の直前に脱稿した、26年ぶりの短篇集。『ジーザス・サン』の流れを汲みつつ、どん底から救済を夢見る人々の姿を通して、アメリカ的精神のゆくえを冷徹に見つめる5篇を収録。
「海の乙女の惜しみなさ」
 広告代理店に長年勤務した60代前半のビル・ウィットマンの人生の瞬間をめぐる断片的な物語。老境に差しかかった語り手にのしかかる「老い」と「死」という主題が全体を貫く。
「首絞めボブ」
 1967年、主人公はささいな非行により刑務所に収監される。そこで目にしたのは、無秩序の寸前で保たれている秩序、それぞれの受刑者が語る虚構すれすれの体験談だった。
「ドッペルゲンガー、ポルターガイスト」
 詩人である大学教師ケヴィンが、才能豊かな教え子マークのエルヴィス・プレスリーに対する強迫観念を振り返る。マークはエルヴィスに関する陰謀説を証明しようとしていた。
 「老い」と「死」という主題と、老いつつある「アメリカ」そのものを視野に入れた描写が、どの短篇にも色濃く現われている。生前、「現在においてもっとも影響力のある作家」と呼ばれた著者の集大成と呼ぶにふさわしい作品。

著者プロフィール

デニス・ジョンソン  (ジョンソン)  (著/文

1949年、旧西ドイツ、ミュンヘン生まれ。1983年、長篇小説Angelsでデビュー。以来、核戦争後の近未来や、暴力とドラッグに染まった現代アメリカ社会の裏面を精力的に描きつづけた。2007年、長篇小説『煙の樹』(白水社)で《全米図書賞》を受賞、《ニューヨーク・タイムズ年間最優秀図書》にも選ばれた。本書は1992年刊の第一短篇集『ジーザス・サン』(白水社)に続く26年ぶりの第二短篇集で、作家の死の直前に脱稿した。2017年、肝癌のため67歳で死去。

藤井 光  (フジイ ヒカル)  (翻訳

1980年大阪生まれ。北海道大学大学院文学研究科博士課程修了。同志社大学文学部英文学科准教授。主要訳書にD・ジョンソン『煙の樹』、R・ハージ『デニーロ・ゲーム』、S・プラセンシア『紙の民』、R・カリー・ジュニア『神は死んだ』、H・ブラーシム『死体展覧会』、M・ペンコフ『西欧の東』(以上、白水社)、D・アラルコン『ロスト・シティ・レディオ』、T・オブレヒト『タイガーズ・ワイフ』、S・フリード『大いなる不満』、A・ドーア『すべての見えない光』(第三回日本翻訳大賞受賞)、R・マカーイ『戦時の音楽』(以上、新潮社)など

上記内容は本書刊行時のものです。