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企業不祥事を防ぐ 國廣 正(著/文) - 日本経済新聞出版社
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企業不祥事を防ぐ (キギョウフショウジヲフセグ)

ビジネス
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四六判
256ページ
定価 1,700円+税
ISBN
978-4-532-32303-5   COPY
ISBN 13
9784532323035   COPY
ISBN 10h
4-532-32303-7   COPY
ISBN 10
4532323037   COPY
出版者記号
532   COPY
Cコード
C0034  
0:一般 0:単行本 34:経営
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2019年9月18日
最終更新日
2019年10月11日
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書評掲載情報

2019-11-16 日本経済新聞  朝刊
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紹介

コンプライアンスは、「過剰規制」から「ものがたり」へ
“規則を厳守"するからうまくいかない! 「コンプラ疲れ」を脱する3つのカギ
日本経済新聞社「2018年 企業が選ぶ弁護士ランキング」(危機管理分野) 1位!

企業不祥事が起こるたびに「コンプライアンス」が叫ばれる。しかし、実際には多くの企業で過剰規制による「コンプラ疲れ」が生じており、不祥事防止の役に立っていない。
コーポレートガバナンスの観点から社外取締役の義務化も進められている。しかし、ガバナンス先進企業と言われた東芝の不正会計事件から分かるように、「形だけ」のコーポレートガバナンスに不祥事防止の効果はない。

そこでこの本では、できるだけ多くの実例をあげて、「なぜ、企業不祥事はなくならないのか」「なぜ、そのコンプライアンスやコーポレートガバナンスは機能しないのか」を根本にまで遡って明らかにする。ここでは、「ストーリーの欠如」と「場の空気(同調圧力)」がキーワードになる。
その上で、「では、どうすればよいのか」ということを、危機管理の現場対応や社外役員としての活動といった筆者の実務経験に基づいて具体的に提言する。ここでは、「多様性」「インテグリティ(誠実性)」「空気読まない力」がキーワードになる。

この本のタイトルは、「企業不祥事を防ぐ」というシンプルなものだ。書かれているのはすべて実例(筆者の実体験も多く取り入れている)とそれに基づく考察だ。「机の上で考えた理論」は書いてない。
この本が、読者に「オモシロかった」と言われて、「やらされ感のコンプライアンス」から「元気の出るコンプライアンス」への橋渡しになることを願っている。
――「はじめに」より抜粋

目次

第1章 過剰規制から「ものがたりのあるコンプライアンス」へ
1 なぜ、コンプライアンスはつまらないのか
・コンプライアンスでは元気が出ない
・なぜ、企業はコンプライアンスをつまらなくするのか
・形式主義
・まず条文ありき(内部統制の基本方針?)
2 二つの不祥事を題材に考える
・三菱自工(MMC)の燃費不正事件
・NHK記者らのインサイダー取引事件
・三菱自工とNHKのコンプライアンスに共通するもの
3 危機管理の成功事例で「ものがたり(ストーリー)のあるコンプライアンス」を考える
・A社の事例──談合組織からの離脱
・B社の事例──「損失飛ばし」商品への対応
・すき家の事例
・ものがたりのあるコンプライアンスはオモシロい

第2章 日本型企業不祥事の根本にあるもの
1 品質不正事件について考える
・品質不正の多発
・理系の技術者は文系の営業に比べて誠実?
・神戸製鋼所品質データ改ざん事件
・VWの排ガス不正との違い
・日本の品質不正問題への対応の難しさ
・デジタル時代への対応の遅れ
・安全基準の意味(制度的保障)の認識の欠如
・信頼回復の方向性
2 不正について考える
・「盗む不正」と「ごまかしの不正」
・不正は特別の犯罪者が行うものか
・「ずる」について考える
・不正は伝染する
3 「空気」について考える
・商工中金の危機対応融資における改ざん事件
・商工中金の池袋事案(組織的隠ぺい)
・「同質性」と「空気」の問題をどうやって克服するか
・変化のためのキーワードは「多様性」と「ガバナンス」

第3章 これからのコンプライアンス
1 コンプライアンスの主戦場はレピュテーション・リスク対応
・企業不祥事の本質はレピュテーション・リスクにある
・法令順守論からのアプローチでは有効なリスク管理はできない
2 新時代のリスク管理を考えるにあたって知っておくべきいくつかの概念
・コンダクトリスク
・プリンシプルベース
・フォワードルッキング
・リスクベース・アプローチ
3 では、どうすればよいのか
・誤った対応(静的対応)
・求められるのはダイナミックな対応(動的対応)
4 すべての基礎となるインテグリティ
・「一本の筋」としてのインテグリティ
・インテグリティを明確に定義するのは難しい
・コンプライアンスとインテグリティ

第4章 コーポレートガバナンスの実際
1 コーポレートガバナンスとは、どういうことだろうか
・コーポレートガバナンスという言葉
・ガバナンスの基本は、チェック&バランスによる規律
・コーポレートガバナンスの「型」
・容れ物ではなく中身の問題
2 コーポレートガバナンスを実質化するもの
・独立性と多様性
・「攻め」と「守り」は表裏一体
・CEOの指名と解任はコーポレートガバナンスの要
3 ガバナンスが機能する前提となる情報伝達
・東芝事件を題材に考える
・社外役員と社内の壁をどう取り除くか
・それでも情報伝達は難しい
・バッドニュース・ファースト(Bad News First/Fast)
・コーポレートガバナンスが機能するには企業風土が大切
4 コーポレートガバナンスとサステナビリティー(持続可能性)
・サステナビリティーは取締役会の重要テーマ
・ESG投資(機関投資家によるガバナンス)
・SDGs(持続可能な開発目標)
5 ガバナンスを実効化する工夫の実例
・東京海上日動
・LINE
・三菱商事
・オムロン

第5章 危機管理実務の最前線
1 不祥事の実態から危機管理のあり方を考える
・自然災害の危機管理と不祥事の危機管理の違い
・不祥事の発生を想定した危機管理体制の必要性
・危機管理の失敗パターン:その1 隠ぺい
・危機管理の失敗パターン:その2 都合の良い情報にすがりつく
・危機管理の失敗パターン:その3 決断しない
2 危機管理における事実調査の重要性
・危機管理に不可欠な説明責任
・事実調査の重要性
・危機管理の阻害要因とその克服
・根本原因解明の重要性
3 第三者委員会による危機管理の実際
・第三者委員会とは
・不良第三者委員会(お手盛り第三者委員会)
・日弁連ガイドライン
・第三者委員会とコーポレートガバナンス
4 SNSの炎上と危機管理
・カネカの「パタハラ」炎上事案
・事案の概要
・危機管理上の問題点の検討

第6章 企業のグローバル展開とリスク管理
1 外国公務員贈賄のリスク管理を考える──海外展開する日本企業の試金石
・三菱日立パワーシステムズ(MHPS)の司法取引から外国公務員贈賄問題を考える
・重大リスクとしての外国公務員贈賄問題──日揮、丸紅のナイジェリア贈賄事件
・日本の状況
・外国公務員贈賄防止に特化したコンプライアンス・プログラムの必要性
・有事対応の重要性
・企業グループとしての対応
・海外展開する日本企業の陥りがちな問題点を指摘したJTC報告書
2 企業はグローバルNGOとどう付き合うか
・グローバルビジネスと日本企業の発想ギャップ
・リスクを拡大する日本企業の不合理な行動パターン(ガラパゴス的思考)
・現代奴隷に対する各国の対応──NGOによる監視を制度に組み込む
・リスクマネジメントとしてのNGOとの対話
・NGOとどのように付き合うか
・NGOとガバナンスの本質

著者プロフィール

國廣 正  (クニヒロタダシ)  (著/文

弁護士・国広総合法律事務所 1955年大分県生まれ。東京大学法学部卒業。 専門分野は、危機管理、コーポレートガバナンス、コンプライアンス、会社法など。多くの大型企業不祥事の危機管理、第三者委員会調査や会社法関係訴訟などを手がける。 日本経済新聞社の「2018年 企業が選ぶ弁護士ランキング」の「危機管理分野」で第1位。 東京海上日動火災保険㈱社外取締役、三菱商事㈱社外監査役、LINE㈱社外取締役、オムロン㈱社外監査役。 公的職務として、内閣府顧問、消費者庁顧問、「内閣府・内閣官房・内閣法制局入札監視委員会」委員長のほか、警察庁の「監察業務の高度化等に関する検討会」、経済産業省の「外国公務員贈賄の防止に関する研究会」、金融庁の「監査法人のガバナンス・コードに関する有識者検討会」などの委員を務める。 著書に、『修羅場の経営責任―今、明かされる「山一・長銀破綻」の真実』(文春新書)、『それでも企業不祥事が起こる理由』、『内部統制とは、こういうことだったのか』(共著)、『なぜ企業不祥事は、なくならないのか』(共著)(以上、日本経済新聞出版社)など。

上記内容は本書刊行時のものです。