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ROEを超える企業価値創造 柳 良平(著/文) - 日本経済新聞出版社
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ROEを超える企業価値創造

四六判
288ページ
定価 2,200円+税
ISBN
9784532322618
Cコード
C0034
一般 単行本 経営
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2019年2月22日
最終更新日
2019年3月14日
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紹介

なぜ日本企業は不当に低く評価されているのか?
「見えない資産」を活かせ!

上場企業(金融除く)のバランスシートには依然として200兆円近い広義の現金(現金+有価証券)が積み上がり、上場企業の1割以上で広義の現金の方が時価総額より大きい。アベノミクス前後で株価もROEもほぼ倍増したが、企業価値の創造は十分ではない。一方、ESG(環境、社会、統治)ブームの中、ROEを忌み嫌う一部の経営者も非財務情報のアピールには熱心であるが、日本企業のPBR(株価純資産倍率)はほぼ1倍で推移しており、非財務資本の価値が付加価値として市場から認識されていない。

その背景には、日本市場の長期的低迷、「資本の価値」の低評価、企業と投資家の認識ギャップ、低いROEとコーポレートガバナンスの問題等があり、歴史的文化的要因も含めてきわめて根が深い。近年アベノミクスのガバナンス改革、「伊藤レポート」などでROEは向上してきたが、いまだ道半ばであり、その質が問われている。皮相的なROE経営ではなく長期的持続的な価値創造に貢献することが重要である。
わが国企業には資本コストやROEが十分に理解されていないのではないだろうか。あるいは当局のリードに盲目的に追従して皮相的なROE経営や横並びの配当政策に陥っていないだろうか。一部の投資家のショートターミズムも悪影響を及ぼしてはいないだろうか。

そして究極的には、企業価値は非財務資本から財務資本に転換されて生成されると考えられるが、いかにしてそれを具現化して資本市場の理解を得ていくのか。潜在的には非財務資本の価値がきわめて高いはずの日本企業が過小評価される事態に陥っている現状を打破し、コーポレートガバナンスや財務リテラシー、ESGとそのIR(説明責任の履行)を改善することで、大きな企業価値の向上が図れるのではないか。ESGが救世主になる可能性があるのではないだろうか。
こうした思いでわれわれ3人はそれぞれ啓蒙活動をしてきたが、本書は3人の長年の日本企業の企業価値向上への思いを伝える集大成と言って良い。
――「はじめに」より抜粋

目次

第1章 日本の資本市場の現状と課題 広木 隆
1 低評価に甘んじている日本企業の「資本の価値」
2 なぜ日本企業のROEは低いのか
3 日本企業のガバナンスの問題
4 確実に変わり始めている株式市場

第2章 世界の投資家の日本企業に対する認識――グローバル投資家サーベイ 柳 良平
1 日本企業のコーポレートガバナンスに対する満足度
2 日本企業のROEに対する満足度
3 日本企業の保有する現金・有価証券の水準の妥当性
4 日本企業の保有する現金 ・ 有価証券100円の価値
5 日本株投資に係る株主資本コスト(投資家の最低要求リターン)
6 エクイティ・スプレッド(ROE ― 株主資本コスト)の支持率
7 日本企業のESGとその開示についての投資家意見
8 日本企業のESGを企業価値評価(PBR)に織り込むべきか

第3章 日本企業の現金価値のディスカウントと配当政策 柳 良平
1 積み上がる現金・有価証券
2 ガバナンスディスカウントの定性的証拠
3 ガバナンスディスカウントの定量的証拠
4 最適資本構成に基づく最適配当政策を考える

第4章 日本企業のROEと企業価値の実証結果 井出真吾
1 ROEと資本コスト、企業価値の密接な関係
2 株式市場はROEのどこを評価するのか

第5章 マクロ的な観点からのROE――資本・労働の生産性と分配 広木 隆
1 ROEは生産性を測る指標
2 企業価値創造の鍵
3 分配のベスト・バランスが課題

第6章 ESG投資の意義と効果 井出真吾
1 ESG投資は効果を生むか
2 ESG評価と株式リターンの実際

第7章 非財務資本とエクイティ・スプレッドの同期化による価値創造 柳 良平
1 非財務資本を包含する市場付加価値の欠如
2 エクイティ・スプレッドの意義
3 ROE経営を超えて――「非財務資本との同期化」の提言
4 結論

終章 鼎談――日本企業の価値創造の処方箋 柳 良平・広木 隆・井出真吾
ROEの向上に満足してはいけない
日本企業の現金が低く評価される根本的原因
日本企業のガバナンスはどこが問題なのか
横並びの配当性向30%がはらむ大きな問題
ESGに取り組む本当の意味

索引

著者プロフィール

柳 良平  (ヤナギリョウヘイ)  (著/文

エーザイ株式会社常務執行役CFO(最高財務責任者)、早稲田大学大学院会計研究科客員教授
1985年早稲田大学商学部卒業、米国サンダーバード国際経営大学院MBA (withDistinction)取得、京都大学博士(経済学)。銀行支店長、メーカー財務部長、UBS証券Executive Directorなどを経て現職。東京証券取引所上場制度整備懇談会委員、東京証券取引所ディスクロージャー部会委員、日本管理会計学会常務理事も務める。
主な著書に『Corporate Governance and Value Creation in Japan 』(英文、Springer社)、『ROE経営と見えない価値』(編著、中央経済社)、『ROE革命の財務戦略』『管理会計の改善マニュアル』(いずれも中央経済社)、『企業価値向上のための財務会計リテラシー』(共著、日本経済新聞出版社)がある。

広木 隆  (ヒロキタカシ)  (著/文

マネックス証券株式会社 執行役員 フィナンシャル・インテリジェンス部長 チーフ・ストラテジスト
1987年上智大学外国語学部卒業。国内銀行系投資顧問、外資系運用会社、ヘッジファンドなどさまざまな運用機関でファンドマネージャー等を歴任。2010年より現職。青山学院大学大学院(MBA)非常勤講師も務める。テレビ東京「ニュースモーニングサテライト」レギュラーコメンテーターをはじめメディアへの出演も多数。
著書に、『ストラテジストにさよならを 21世紀の株式投資論』(ゲーテビジネス新書)、『9割の負け組から脱出する投資の思考法』(ダイヤモンド社)、『勝てるROE投資術』(日本経済新聞出版社)がある。

井出 真吾  (イデシンゴ)  (著/文

株式会社ニッセイ基礎研究所上席研究員・チーフ株式ストラテジスト
1993年東京工業大学卒業、同年日本生命保険相互会社入社、1999年㈱ニッセイ基礎研究所、2018年より現職。専門分野は株式市場 ・ 株式投資。科学的かつ客観的分析に定評があり、新聞やテレビなどメディアへの露出も多数。企業・新聞社主催のセミナーのほか、学会活動にも取り組む。
著書に『本音の株式投資』『株式投資 長期上昇の波に乗れ! 』(いずれも日本経済新聞出版社)がある。

上記内容は本書刊行時のものです。