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円相場の終わり
新書判
208ページ
定価
850円+税
- 書店発売日
- 2020年4月10日
- 登録日
- 2020年3月17日
- 最終更新日
- 2020年4月2日
書評掲載情報
2020-05-24 |
産經新聞
朝刊 評者: 情報工場「SERENDIP」編集部 |
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紹介
●円・ドル相場は最小の値幅を毎年更新
為替は、国力を映す鏡とされる。1ドル=360円の固定相場の時代から1973年に変動相場制になり、2011年には75円の最高値をつけた時代もあった。
この円・ドルの年始・年末の値幅が毎年小さくなっている。運用のうまみは確実に減っている。
円高になれば、輸出国日本の企業業績が悪くなるというのも、いまや昔。生産のグローバル化は確実に進み、ヘッジは容易になっている。
グローバル化・IT化が国際的な物価の平準化を招き、どこかもかしこも低成長・低金利のオンパレード。モノの価格差がつかないなか、トランプ米大統領が「政治的脅し」で自国を有利に導こうという意図もそこにある。
●低温経済における金融政策の役割とは?
各国がおしなべて通貨安戦争に入り込み、金利は低く張り付いたまま。各国で金融政策が行き詰まり、中央銀行の役割が改めて問われている。
もし、為替相場が動かず、決済の役割だけでよいのであれば、「リブラ」だけで機能するという話も十分なりたつ。ビットコインのような急激な価格変動もなく、まさに理想の「(仮想)通貨」に近い役割を果たすことになるだろう。
その一方で、カーニー英イングランド銀行総裁の「デジタル通貨」構想も波紋を呼ぶ。中央銀行が積極的に関与して、新たな制度を作り出すものだ。
我々が当たり前のものと受け入れている変動相場制もたかだか50年にも満たない歴史しかない。急速に変わるマネー経済の本質的な変化を伝える。
目次
序 章 終幕の予兆
第1章 物価が上がらない
第2章 保護主義の奔流
第3章 市場の見えざる手
第4章 新たなる脅威
終 章 為替相場の未来
上記内容は本書刊行時のものです。