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日中関係史 エズラ・F・ヴォーゲル(著/文) - 日本経済新聞出版社
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日中関係史 (ニッチュウカンケイシ) 1500年の交流から読むアジアの未来 (センゴヒャクネンノコウリュウカラヨムアジアノミライ)

社会一般
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四六判
652ページ
定価 3,000円+税
ISBN
978-4-532-17674-7   COPY
ISBN 13
9784532176747   COPY
ISBN 10h
4-532-17674-3   COPY
ISBN 10
4532176743   COPY
出版者記号
532   COPY
Cコード
C0022  
0:一般 0:単行本 22:外国歴史
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2019年10月31日
最終更新日
2019年12月12日
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書評掲載情報

2020-12-19 毎日新聞  朝刊
評者: 橋爪大三郎(社会学者)
2020-03-07 日本経済新聞  朝刊
評者: 川島真(東京大学教授)
2020-02-16 毎日新聞  朝刊
評者: 橋爪大三郎(社会学者)
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紹介

GDP世界二位の中国と、三位の日本の関係は、米中関係に次いで世界で二番目に重要な二国間関係だと言える。だが、日中関係は「緊迫」「危険」「難解」「複雑」という言葉が当てはまる。尖閣諸島周辺では、いまなお両国が日常的に対峙し、危険な衝突が起きる可能性が高い。もし二国間関係の取り扱いを間違えば、両国は軍拡競争に走り、二国間、地域、グローバルな問題での協力は行き詰まり、最終的には紛争になるだろう。

だが、日中関係を適切に取り扱うことができれば、両国は国際秩序と地域の協力枠組みを守るために協力し合える。貿易、経済建設、研究開発、平和維持、自然災害対応などの分野で、両国は力を合わせていけるはずなのである。

日中の指導者たちは、両国関係を発展させていくには、相手国が歴史に対して真摯に向き合うべきだと発言している。日中関係は1500年にわたる長い歴史を持ち、両国国民は過去の歴史に対する深く複雑な感情を有している。そのため、両国の研究者が集まって歴史観をすり合わせようとしても、新たな緊張関係を生みだし、重要な問題についてはほとんど合意が得られない。

しかし、両国の協力関係と友好関係のためには、歴史問題の超克は不可避の課題だ。本書は、日中両国の研究者であるエズラ・ヴォーゲルが、7世紀の遣隋使以来の1500年間におよぶ日中関係を網羅し、第三国人の視点から客観的な日中関係史を提供するものである。

目次

まえがき
 凡例

第1章 中国の日本文化への貢献――六〇〇~八三八年
  推古天皇以前の日中接触と日本の学びの基盤
  六〇〇年以降、日本はいかに中国から学んだか 
  言語、文学、音楽 
  仏教 
  建築 
  通貨、そして商業経済の始まり 
  中国からの学びの遺産 

第2章 革新的な学びを伴わない貿易関係――八三八~一八六二年
  港湾管理官、商人、僧侶――八三八~一四〇三年 
  日中間の二度目の衝突――一二七四年および一二八一年の元軍の九州侵攻 
  朝貢使節の復活――一四〇三~一五四七年 
  倭寇、そして中国でのその永続的イメージ 
  日中間の三度目の衝突―─一五九二~一五九七年、豊臣秀吉の朝鮮侵攻 
  江戸時代・清朝期の地域情勢 
  江戸幕府の対外関係 
  明朝の遺臣の台湾・日本逃亡 
  江戸時代の日本と清朝期中国の貿易 
  清に対する徳川家の三つの見方―─国家主義者、漢学者、貿易商人 

第3章 西洋諸国への対応と関係再開―─一八三九~一八八二年
  西洋諸国の要求に対する日本の強み 
  一八六〇年代の転換点 
  中国と日本の外交管理 
  「千歳丸」の訪問―─一八六二年 
  条約交渉─―一八七〇~一八七三年
  台湾と琉球をめぐる交渉―─一八七三年 
  中国公使館の東京開設─―一八七七年 
  外に向かう日本─―一八六九~一八七九年 
  日本の軍事的野心─―組織的な計画か、予想外の展開か? 

第4章 朝鮮をめぐる競争と日清戦争―─一八八二~一八九五年
  壬午軍乱と日清両国の派兵 
  金玉均による甲申政変の失敗―─一八八四年 
  福澤諭吉、中国文化との決別を唱える 
  日本国民の海外進出への支持の拡大 
  日本による清国情報の収集―─一八八〇~一八九四年 
  日清戦争の前兆―─一八九四年 
  日清戦争―─一八九四~一八九五年 
  下関条約―─一八九五年 
  三国干渉 
  日本勝利の衝撃 

第5章 日本に学ぶ中国の近代化――一八九五~一九三七年
  日本の勝利を分析 
  戊戌の変法と日本モデル 
  近衛篤麿と「アジア人のためのアジア」外交 
  日中協力関係のための基礎づくり 
  過激な排外主義から新たな親日政策へ 
  中国人官僚の日本視察 
  中国で顧問、教師として活動した日本人 
  教員養成と大学の発展 
  治安部隊の構築 
  新たな共和国への新たな法的枠組みの構築 
  中国人学生と日本人教師 
  日本で教育を受けた学生と中華帝国の終焉 
  学んだ教訓と先送りの協力関係 

第6章 台湾と満洲の植民地化――一八九五~一九四五年
  日本統治下の台湾――一八九五~一九四五年 
  日本統治下の満洲――一九〇五~一九四五年 
  日露戦争――一九〇四~一九〇五年 
  日本軍による満洲侵略 
  南満洲鉄道と関東軍による支配――一九〇五~一九三一年 
  満鉄 
  関東軍 
  張作霖、張学良と日本 
  満洲事変――一九三一年 
  満洲国――一九三一~一九四五年 
  満洲と中国のナショナリズム 
  台湾および満洲における植民地化の遺産 

第7章 政治的混乱と戦争への道――一九一一~一九三七年
  中国の混乱と辛亥革命 
  明治天皇崩御とその後の日本の混乱
  混乱から軍部の支配へ――一九一一~一九三七年 
  中国の弱い政府と強い主張――一九一五~一九三七年 
  対華二十一カ条要求、パリ講和会議、中国ナショナリズムの噴出 
  ワシントン会議、原敬、幣原喜重郎 
  長江デルタの混乱と中国ナショナリズムの高揚 
  田中義一、蒋介石、済南での失敗
  張作霖爆殺 
  濱口内閣とさらなる暗殺 
  満洲での不服従 
  日中の敵対化 
  蒋介石による日本融和政策の最後の試み 
  蒋百里と、中国による日本打倒計画 
  融和政策から統一戦線へ 
  戦争前夜 

第8章 日中戦争――一九三七~一九四五年
  戦争前夜の軍事バランス 
  華北と上海での軍事行動――一九三七年七月~一一月 
  南京大虐殺――一九三七年一二月 
  徐州と武漢の会戦――一九三八年 
  傀儡の国民政府 
  日本占領地域の統治 
  戦時の中国に在留した日本人 
  非占領地域 
  一号作戦 
  日本本土 
  戦争の遺産 

第9章 大日本帝国の崩壊と冷戦――一九四五~一九七二年
  大日本帝国の崩壊 
  大移動と日本人アイデンティティの縮小 
  満洲における日本資産の奪い合い 
  中国内戦と再統一――一九四五~一九四九年 
  連合国による占領と日本の再編成――一九四五~一九五二年 
  朝鮮戦争と日中関係の凍結――一九四八~一九七二年 
  植民地から通商パートナーに転じた台湾――一九四七~一九七二年 
  国交正常化前の日本と中国の接触チャネル――一九四九~一九七二年 
  周恩来と鳩山一郎の関係改善の努力――一九五三~一九五六年 
  中国の政治的締め付けと岸信介首相――一九五七~一九六〇年 
  貿易関係の改善とLT事務所――一九六〇年代 
  内向き中国と文化大革命――一九六六~一九六九年 
  朝海の悪夢と田中角栄内閣――一九七〇~一九七二年 

第10章 協力――一九七二~一九九二年
  限定的な開放 
  中国「改革開放」に向けた日本の全面的支援の始動 
  中国の財政緊縮――一九七九~一九八一年 
  日本の経済的助言、援助、協力
  一九八〇年代の文化交流 
  一九八〇年代の政治的摩擦 
  天安門事件後、日本はすぐに制裁を解除 

第11章 日中関係の悪化――一九九二~二〇一八年
  天皇の中国訪問 
  一九九二年以降の日中関係緊張の原因 
  中国の愛国主義教育の推進 
  アジアで優勢に立つ中国 
  尖閣諸島問題 
  中国優位への転換――一九九三~二〇一二年 
  最悪の日中関係――二〇一〇~二〇一四年 
  習近平、安倍晋三、そして日中関係の安定化 
  持続する経済関係 
  二〇一四年以降の日中関係の緊張緩和 
  米中関係の緊張が高まる中での日本――二〇一七年 

第12章 新時代に向かって
  二〇一四年以降の日中関係 
  中国指導者の懸念と歴史の利用 
  日本との交流経験が少ない中国指導者 
  将来に目を向けつつ、歴史と向き合う 
  日中が歴史を直視するためにできること 
  新しいビジョン――政温経熱 
  日中協力のためのアジェンダ 

 主要人物の経歴 
 謝辞 
 訳者あとがき 
 原註 
 参考文献とさらなる読書リスト

著者プロフィール

エズラ・F・ヴォーゲル  (エズラ エフ ヴォーゲル)  (著/文

エズラ・F・ヴォーゲル(Ezra F. Vogel)
ハーバード大学ヘンリー・フォードⅡ世社会科学名誉教授。1930年アメリカ・オハイオ州生まれ。1958年ハーバード大学社会関係学部博士課程修了(社会学博士)、同大学の教授や東アジア研究センター所長を経て、日米関係プログラム所長、フェアバンク中国研究センター所長、アジアセンター初代所長などを歴任。93年~95年、ワシントンの国家情報会議(NIC)東アジア担当の国家情報官に就任。『ジャパン・アズ・ナンバーワン』(1979年)が日本でベストセラーに、『現代中国の父 鄧小平』(2013年)が中国でベストセラーになり、日中両国で広く著作が読まれている。

益尾 知佐子  (マスオ チサコ)  (翻訳

九州大学大学院比較社会文化研究院准教授。
専門はユーラシア国際関係、現代中国の政治・外交。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了、博士(学術)。日本学術振興会特別研究員(DC1、海外、PD)、日本国際問題研究所研究員、エズラ・F・ヴォーゲル教授研究助手、ハーバード大学イエンチン研究所協働研究員、中国社会科学院訪問学者、外交学院訪問学者などを歴任。
単著に『中国政治外交の転換点――改革開放と「独立自主の対外政策」』(東京大学出版会、2010年)、『中国の行動原理――国内潮流が決める国際関係』(中公新書、2019年)、共著に『中国外交史』(東京大学出版会、2017年)、共訳書に『現代中国の父 鄧小平』(日本経済新聞出版社、2013年)などがあるほか、共著、論文多数。英語と中国語でも研究活動を行っている。

上記内容は本書刊行時のものです。