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介護漢方 井齋偉矢(著/文) - 南山堂
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介護漢方 排泄障害・摂食嚥下障害・運動器障害・睡眠障害・フレイル・サルコペニアへの対応

発行:南山堂
A5判
75ページ
定価 2,000円+税
ISBN
9784525471316
Cコード
C3047
専門 単行本 医学・歯学・薬学
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2020年7月1日
書店発売日
登録日
2020年6月4日
最終更新日
2020年6月17日
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紹介

【被介護者も介護スタッフも「漢方薬の活用」で元気な毎日を目指す!】
多くの被介護者に排泄,睡眠,運動機能などに問題があり,これらは介護負担に直接つながり,軽減が求められています.
そこで,本書では被介護者の問題となっている症状にあわせて「漢方薬を活用する」ことで被介護者が元気を取り戻し,介護者の身体的・精神的負担を軽減できるよう解説.

〈主な内容〉
第1章 在宅・施設・訪問医療における問題点

第2章 介護者と被介護者のための漢方治療
1 排便障害 ─便秘─
 ◇大腸機能が低下している被介護者に対する第一選択薬 桃核承気湯
 ◇桃核承気湯を投与したら軟便になるときの第一選択 麻子仁丸
 ◇麻子仁丸でも軟便になるときの選択肢 大黄甘草湯/調胃承気湯/桂枝加芍薬大黄湯
 ◇桃核承気湯を投与しても便が硬いままのときの第一選択 大承気湯
 ◇骨盤内の微小循環障害がさらに進行しているときの選択肢 通導散
 ◇右下腹部に痛みを訴えたときの選択肢 大黄牡丹皮湯
2 排便障害 ─下痢─
 ◇腸管の機能が落ちたことによる下痢の選択肢 啓脾湯/真武湯/人参湯
 ◇細菌性あるいはウイルス性腸炎の症状としての下痢のときの選択肢 半夏瀉心湯/桂枝人参湯
3 フレイル,サルコペニア
 ◇老化現象,特に下半身の機能低下に対する第一選択 八味地黄丸,八味丸
 ◇特に下肢のしびれや夜間頻尿に使用する場合の第一選択 牛車腎気丸
 ◇老化現象に加えて皮膚乾燥が著しいときの第一選択 六味丸
4 摂食嚥下障害とそれに伴う低栄養
 ◇食べる意欲を取り戻したいときの第一選択 黄耆建中湯
 ◇摂食障害がそれほど深刻ではないときの第一選択 人参養栄湯
5 運動器障害
 ◇骨折・骨挫傷・骨折術後の局所の抗炎症・微小循環改善のための第一選択 治打撲一方
 ◇部位にかかわらず打撲したときの第一選択 通導散/桂枝茯苓丸
 ◇頸椎の変形性疾患により発症した上肢の神経痛やしびれに対する第一選択 桂枝加朮附湯
6 排尿障害
 ◇高齢者の夜間頻尿,男性の尿失禁に対する第一選択 牛車腎気丸
 ◇膀胱神経症,女性の尿失禁に対する第一選択 清心蓮子飲
7 認知症
 ◇易怒性を伴う認知症に対する第一選択 抑肝散
 ◇不安の強い認知症に対する第一選択 抑肝散加陳皮半夏
8 睡眠障害
 ◇睡眠のリズムを回復させる第一選択 酸棗仁湯
 ◇神経が昂っているために眠られない人の第一選択 柴胡加竜骨牡蛎湯

第3章 介護者を支える漢方治療
1 介護者の過重な労働を少しでも軽減させるために漢方薬ができること
2 介護・施設・訪問医療を支える人の悩みを解決するための支援
 ◇気分が塞ぎ抑うつ状態になったとき 半夏厚朴湯
 ◇いろいろな状況で腹が立ったとき 抑肝散/抑肝散加陳皮半夏
 ◇自信を喪失したとき 桂枝加竜骨牡蛎湯
 ◇神経過敏,神経興奮を来たしたとき 柴胡加竜骨牡蛎湯
 ◇疲労困憊して食欲がなくなったとき 補中益気湯

目次

【目次】
本書を読む前に─漢方薬を理解する─

第1章 在宅・施設・訪問医療における問題点
 1 在宅・施設・訪問医療患者の特徴
 2 在宅・施設・訪問医療に漢方治療ができること


第2章 介護者と被介護者のための漢方治療
 1 排便障害─便秘─
 ◇大腸機能が低下している被介護者に対する第一選択薬
  桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)

 ◇桃核承気湯を投与したら軟便になるときの第一選択
  麻子仁丸(マシニンガン)

 ◇麻子仁丸でも軟便になるときの選択肢
  大黄甘草湯(ダイオウカンゾウトウ)/調胃承気湯(チョウイジョウキトウ)/
  桂枝加芍薬大黄湯(ケイシカシャクヤクダイオウトウ)

 ◇桃核承気湯を投与しても便が硬いままのときの第一選択
  大承気湯(ダイジョウキトウ)

 ◇骨盤内の微小循環障害がさらに進行しているときの選択肢
  通導散(ツウドウサン)

 ◇右下腹部に痛みを訴えたときの選択肢
  大黄牡丹皮湯(ダイオウボタンピトウ)

 2 排便障害─下痢─
 ◇腸管の機能が落ちたことによる下痢の選択肢
  啓脾湯(ケイヒトウ)/真武湯(シンブトウ)/人参湯(ニンジントウ)

 ◇細菌性あるいはウイルス性腸炎の症状としての下痢のときの選択肢
  半夏瀉心湯(ハンゲシャシントウ)/桂枝人参湯(ケイシニンジントウ)

 3 フレイル,サルコペニア 
 ◇老化現象,特に下半身の機能低下に対する第一選択
  八味地黄丸(ハチミジオウガン),八味丸(ハチミガン)

 ◇特に下肢のしびれや夜間頻尿に使用する場合の第一選択
  牛車腎気丸(ゴシャジンキガン)

 ◇老化現象に加えて皮膚乾燥が著しいときの第一選択
  六味丸(ロクミガン)

 ◇老化現象に加えて胃腸虚弱になって痩せていくときの第一選択
  真武湯(シンブトウ)

 ◇免疫能と消化管機能を元に戻したいときの第一選択
  補中益気湯(ホチュウエッキトウ)

 ◇ヘロヘロ・ヨレヨレに精神・呼吸器症状などを合併しているときの第一選択
  人参養栄湯(ニンジンヨウエイトウ)

 ◇寝たきりあるいは終日横になっている高齢者を起こしたいときの第一選択
  黄耆建中湯(オウギケンチュウトウ)

 4 摂食嚥下障害とそれに伴う低栄養
 ◇食べる意欲を取り戻したいときの第一選択
  黄耆建中湯(オウギケンチュウトウ)

 ◇摂食障害がそれほど深刻ではないときの第一選択
  人参養栄湯(ニンジンヨウエイトウ)

 5 運動器障害
 ◇骨折・骨挫傷・骨折術後の局所の抗炎症・微小循環改善のための第一選択
  治打撲一方(ヂダボクイッポウ)

 ◇部位にかかわらず打撲したときの第一選択
  通導散(ツウドウサン)/桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)

 ◇頸椎の変形性疾患により発症した上肢の神経痛やしびれに対する第一選択
  桂枝加朮附湯(ケイシカジュツブトウ)

 ◇肩関節周囲炎,五十肩,肩関節リハビリ中に対する第一選択
  二朮湯(ニジュツトウ)

 ◇急性の腰背部痛に対する第一選択
  葛根湯(カッコントウ)+芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)+疎経活血湯(ソケイカッケツトウ)

 ◇慢性の腰背部痛に対する第一選択
  牛車腎気丸(ゴシャジンキガン)+疎経活血湯(ソケイカッケツトウ)

 ◇下肢のしびれに対する第一選択
  牛車腎気丸(ゴシャジンキガン)

 ◇変形性膝関節症で膝蓋骨が見えなくなって膝が丸くなり大きくなる 症例に対する第一選択
  防已黄耆湯(ボウイオウギトウ)

 ◇膝の内側側副靭帯炎によって膝痛を来す症例に対する第一選択
  越婢加朮湯(エッピカジュツトウ)

 ◇下腿に限局した浮腫に対する第一選択
  越婢加朮湯(エッピカジュツトウ)and/or 猪苓湯(チョレイトウ)

 6 排尿障害 
 ◇高齢者の夜間頻尿,男性の尿失禁に対する第一選択
  牛車腎気丸(ゴシャジンキガン)

 ◇膀胱神経症,女性の尿失禁に対する第一選択
  清心蓮子飲(セイシンレンシイン)

 7 認知症 
 ◇易怒性を伴う認知症に対する第一選択
  抑肝散(ヨクカンサン)

 ◇不安の強い認知症に対する第一選択
  抑肝散加陳皮半夏(ヨクカンサンカチンピハンゲ)

 8 睡眠障害 
 ◇睡眠のリズムを回復させる第一選択
  酸棗仁湯(サンソウニントウ)

 ◇神経が昂っているために眠られない人の第一選択
  柴胡加竜骨牡蛎湯(サイコカリュウコツボレイトウ)


第3章 介護者を支える漢方治療
 1 介護者の過重な労働を少しでも軽減させるために漢方薬ができること

 2 介護・施設・訪問医療を支える人の悩みを解決するための支援
 ◇気分が塞ぎ抑うつ状態になったとき
  半夏厚朴湯

 ◇いろいろな状況で腹が立ったとき
  抑肝散/抑肝散加陳皮半夏

 ◇自信を喪失したとき
  桂枝加竜骨牡蛎湯

 ◇神経過敏,神経興奮を来たしたとき
  柴胡加竜骨牡蛎湯

 ◇疲労困憊して食欲がなくなったとき
  補中益気湯

Column 漢方薬を楽に美味しく飲む方法 


【序文】
 2018年5月に厚生労働省社会・援護局が発表した第7期介護保険事業計画の介護サービス見込み量等に基づく介護人材の必要数は,2020年度末には約216万人,2025年度末には約245万人と推計されている.そのため,2020年度末までに約26万人,2025年度末までに約55万人,年間6万人程度の新たな介護人材を確保する必要がある.これには,①介護職員の処遇改善,②多様な人材の確保・育成,③離職防止・定着促進・生産性向上,④介護職の魅力向上,⑤外国人材の受入環境整備など総合的な介護人材確保対策に国が取り組む必要があると述べている.
 厚生労働省の推計に基づく分析では,団塊の世代が全員75歳以上になる2025年度に必要とされる介護職員数に対し,確保できる見込み数の割合(充足率)は都道府県による地域差が大きく,最も低いのは福島県,千葉県の74.1%で,必要な職員数の4分の3に届かず,充足率が最も高い山梨県の96.6%と20ポイント以上の差があった.全国平均は86.2%で100%確保できるとした都道府県はなかった.介護職員は低賃金や重労働といったイメージから敬遠されがちで,このままでは将来も深刻な人手不足が避けられない.3Kとは「きつい,汚い,危険」という労働条件の厳しい職種を指し,一般的には,土木作業やゴミ収集などが3Kに含まれると言われる.介護職も「寝たきりの人の世話や認知症入居者の対応など体力的,精神的にきつい(kitsui)」「排泄物に触れるなど汚い(kitanai)仕事が多い」「危険(kiken)な感染症に罹患する恐れがある」という3Kとして知られているが,「給料(kyuryou)がほかの業種よりも低く,昇級や賞与がない」を加えて4Kであると言う人もいる.介護職の給料に関しては,一概には言えないが,仕事量に見合った給料をもらえないという理由で,短期間に離職する人も少なくないようである.
 本書では,介護を担う人々(介護者)の,給料以外の3Kという状況を少しでも楽にして支えるためにサイエンス漢方処方では何ができるかということをまず考えてみたい.次いで,介護をされる人々(被介護者)に対して有効なサイエンス漢方処方を取り上げ解説する.

 2020年5月

医療法人徳洲会 日高徳洲会病院 院長
サイエンス漢方処方研究会 理事長
井齋偉矢

上記内容は本書刊行時のものです。