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特許を取ろう! 宮保 憲治(著) - 東京電機大学出版局
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特許を取ろう! (トッキョヲトロウ) 技術者・研究者へ贈るコツとテクニック (ギジュツシャケンキュウシャヘオクルコツトテクニック)

工業・工学
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A5判
168ページ
並製
価格 2,000円+税
ISBN
978-4-501-63080-5   COPY
ISBN 13
9784501630805   COPY
ISBN 10h
4-501-63080-9   COPY
ISBN 10
4501630809   COPY
出版者記号
501   COPY
Cコード
C3050  
3:専門 0:単行本 50:工学・工学総記
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2017年9月
書店発売日
登録日
2017年7月24日
最終更新日
2017年9月15日
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紹介

”特許を積極的に取ってもらいたい!”このコンセプトのもと、「ひらめき」を具現化するための思考の整理法、創作物を特許化するための特許取得手順、申請手続きの対処法など、特許を取るために必要となる基礎知識について、身近な例を用いて具体的に解説。また、特許の創作上、役立つ特許検索の方法や活用法もまとめた。一部改正した特許法に対応。

目次

第I部 アイデアから特許まで
第1章 特許になるアイデア,ならないアイデア
 1.1 発明とは
 1.2 新規性
 1.3 進歩性
 1.4 先願
第2章 「ひらめき」から具体的な発明まで
 2.1 アイデア創出から発明の抽出まで
 2.2 ニーズ指向型の発明の創出プロセス(その1)
 2.3 ニーズ指向型の発明の創出プロセス(その2)
 2.4 シーズ指向型の発明の創出プロセス(その1)
 2.5 シーズ指向型の発明の創出プロセス(その2)
 2.6 シーズ指向型の発明の発展
第3章 応用的な発明事例
 3.1 請求項の書き方の指針と記述例
 3.2 放射線量検出アラーム器具の請求項と特許実施例
 3.3 可視光を用いた暗号通信方式の請求項と特許実施例
 3.4 遠隔通信制御システムの請求項と特許実施例
第II部 特許法の基礎
第4章 特許制度の概要
 4.1 特許法の第一歩
 4.2 発明にかかわる権利
第5章 特許出願を受けるための条件
 5.1 特許要件
 5.2 新規性(特許法第29条第1項)
 5.3 進歩性(特許法第29条第2項)
 5.4 先願(特許法第39条第1項,第2項)
 5.5 拡大先願(特許法第29条の2)
 5.6 単一性(特許法第37条)
第6章 優先権出願と分割出願
 6.1 優先権出願(特許法41条第1項)
 6.2 分割出願
第7章 出願審査請求と出願公開
 7.1 出願審査請求
 7.2 出願公開
第8章 拒絶理由とその対応
 8.1 拒絶理由通知
 8.2 拒絶理由の種類
 8.3 新規性違反の拒絶理由とその対策
 8.4 進歩性違反の拒絶理由とその対策
 8.5 記載不備の拒絶理由とその対策
 8.6 拒絶理由への対抗
 8.7 補正の制限
第9章 査定
 9.1 特許査定
 9.2 拒絶査定とその対応
第III部 外国特許の取得と特許調査
第10章 外国出願の必要性と種類
 10.1 外国出願の必要性
 10.2 パリ条約による直接出願
 10.3 特許協力条約による国際出願
第11章 公開情報の読み方
 11.1 公開情報と種類
 11.2 公開特許公報の内容
 11.3 特許公報の内容
第12章 特許調査
 12.1 特許調査の必要性
 12.2 特許調査の方法
コラム 1 弁理士との相談
    2 水晶振動子
    3 ノウハウと特許の関係
    4 特許と論文の違い
    5 周辺特許
    6 技術分野の変遷に対応する特許対象
    7 進歩性を否定された消しゴム付き鉛筆の発明
    8 世界の先願主義
    9 特許調査で得られる情報
参考文献
参考特許
索引

前書きなど

はじめに
 本書の基礎となった前著『技術者・研究者のための特許の取り方』は,おかげさまで多くの中堅技術者,大学教員,医学関係者の方々からも好評を博しました。
 前著が出版されて5年が経過し,少しでも多くの技術者に「特許取得」を身近なものとしていただくことに鑑み,より平易な技術を対象として読者層を広げてほしいとの要望が多く寄せられたのが,本書の執筆に至った経緯です。
 多くの技術者は,わずかな「ひらめき」に日々遭遇していることと思います。しかし,「ひらめき」の片鱗を「特許」のレベルにまで引き上げるためには,ある程度の専門的な訓練と精神的な忍耐力が必要です。専門的な訓練とは,アイデアを発明のレベルまで引き上げるための思考プロセスを修得することや,権利化に必要な文書の作成方法を学ぶことなどが該当します。また特許出願後は,特許庁からの拒絶理由へ対処するための基礎知識を習得する必要があります。
 みなさんは,「発明」あるいは「特許」という言葉を聞いたときに,それは特殊な能力を持った技術者でなければ,成し得ないものだという先入観を持っていないでしょうか。できることならば「発明」を行い,産業界で貢献できるように自身の技術力に磨きをかけたいと思ったことはないでしょうか。実際に,理系大学院生や企業の研究・開発に携わる中堅技術者層の方々からも,多くの有意義なご意見を賜りました。前著では「特許の創作」にあたって必要となる課題の整理法や実践的な手順を述べ,出願の段階に漕ぎ着けるまでの基本的な考え方や対処法を解説しました。本書においてもこの基本的なスタイルを踏襲し,さらに多くの技術者が興味を抱くと思われる身近な技術を例に挙げて解説しています。
 特許出願に必要となる文書の作成方法に加え,「特許庁により出願特許が拒絶された場合の意見書や特許請求範囲の精査と修正方法」等の実践的な対処法もあわせて解説しました。
 一般的には,公開された特許公報や特許法を読んでも,複雑過ぎて内容の理解に多くの時間を費やす場合も多いと思います。特許法にかかわる条文は抽象的な内容を含んでおり,特許出願のうえで何が重要かを理解することを難しくしている面もあると思います。本書では情報通信に限定せず,広く電子・情報・システム工学,医療工学等の分野においての特許出願事例も扱いました。発明の動機が発明のレベルに至るまでの思考過程を,具体的な事例をもとにして解説しました。また,これらの事例を通じて,発明の実現に必要な思考法や特許成立に必要不可欠となる要件や,特許請求項の記載方法を学ぶことができます。
 本書は,情報工学科,電気・電子工学科,機械工学科,医療工学科等に所属する理系大学院生はいうまでもなく,若手技術者や事務系管理職として知的財産を扱う方々にも役立てていただけるよう,執筆しました。
 また上記の状況や読者からのご意見を参考に,第II部 特許制度の概要では事例を含めて解説するとともに,各種出願形態の具体例の充実化を図りました。特に,出願後の拒絶対応が重要視されている最近の状況に鑑み,知的財産部門に従事する方や若手技術者が初めて特許出願を行った後,拒絶理由を経験した場合にも対応方法が理解できるように具体例を交えて解説しました。補正書・意見書の事例を盛り込み,さまざまな事例にも対応できるように留意しました。
 本書に盛り込んだもう1つの工夫は,特許の創作上,読者に役立つと思われる,特許検索の方法や活用法や,特許に関わるエピソードを含めた「コラム」欄の充実化を図ったことです。また,この5年間での特許法の一部改正に鑑み,現時点(平成29年3月)での特許法に対応して解説を行いました。
 これらの一連の工夫により,読者が本書の学習スタイルから一歩離れ,リラックスしながら特許談話を「深掘り」する時間がとれるように配慮しました。
 このように内容を充実することにより,本書1冊だけでも特許の創作と取り方にかかわる基礎的な知識の修得は十分に行えると思います。
 多くの現場で活躍されている技術者の方々に「アイデア」を特許化するための,ヒントを提供できれば,このうえない喜びと考えています。
 筆者らの100件以上にわたる特許出願の経験をもとに,具体的でかつわかりやすい実例を織り交ぜることにより,実践的な発明の創作法,利用方法,拒絶理由に対する対応策等を総合的に理解していただくことが本書を出版する目的です。
 本書が我が国の知的財産の蓄積に,少しでも役立つことを願っています。
 筆者らの浅学非才を顧みず,類書には存在しない本書の企画・出版をご支援いただいた東京電機大学出版局の関係各位に謝意を表します。
2017年4月 著者らしるす

上記内容は本書刊行時のものです。