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最適モデルによるインストラクショナルデザイン 鄭 仁星(編著) - 東京電機大学出版局
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9784501543907

最適モデルによるインストラクショナルデザイン ブレンド型eラーニングの効果的な手法
原書: 0

教育
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A5判
168ページ
並製
定価 1,900円+税
ISBN
978-4-501-54390-7   COPY
ISBN 13
9784501543907   COPY
ISBN 10h
4-501-54390-6   COPY
ISBN 10
4501543906   COPY
出版者記号
501   COPY
Cコード
C3037  
3:専門 0:単行本 37:教育
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2008年4月
書店発売日
登録日
2021年1月12日
最終更新日
2021年1月12日
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目次

第1章 インストラクショナルデザイン(ID)とは何か?
 1.1 アメリカにおけるIDの捉え方
 1.2 日本でのIDの捉え方
 1.3 eラーニングのためのID―考慮すべき重要な点
第2章 IDモデル
 2.1 学習理論の3つのアプローチ
 2.2 学習理論からID理論へ
 2.3 教授システムと学習環境
 2.4 アプローチの違いから見る目標設定と課題分析
 2.5 様々なIDモデル
 2.6 まとめ―基本的な前提と折衷主義
第3章 OPTIMALモデル―ブレンド型eラーニングへの実践的で簡単なアプローチとして
 3.1 OPTIMALモデルの4つの特徴
 3.2 OPTIMALモデルの概要
 3.3 マクロデザイン
 3.4 マイクロデザイン
 3.5 LMSへの統合
 3.6 OPTIMALモデルを用いたeラーニング事例
第4章 マクロデザイン―目標・プロトタイピング・試行
 4.1 学習目標
 4.2 プロトタイピング
 4.3 試行する
第5章 マイクロデザイン―双方向性・教材・メディア要素
 5.1 Webを基盤としたeラーニングの特性
 5.2 双方向性のデザイン
 5.3 教材のデザイン
 5.4 メディア要素のデザイン
第6章 LMSへの統合
 6.1 LMS紙上体験
 6.2 LMSとは何か
 6.3 オープンソースLMSとは
 6.4 LMSにはどんな機能があるか
 6.5 LMSに学習コンテンツを実装するときの留意点
第7章 日本でのブレンド型eラーニング実践事例
 7.1 教育番組と連動した「おこめ」の総合学習
 7.2 大学におけるeラーニング実践―大教室で行う講義
 7.3 大学におけるeラーニング実践―少人数の映像制作実習
 7.4 教員研修におけるeラーニング実践
第8章 海外でのeラーニング実践事例
 8.1 医学教育のeラーニング「SimTiki」(アメリカ)
 8.2 オープンユニバーシティのeラーニング実践(イギリス)
 8.3 教員研修におけるeラーニング(中国)
参考文献
あとがき
索引
編者紹介・執筆者一覧

前書きなど

<この本の目的>
 本書は次の3つの質問に対してわかりやすく解説します。
 ①インストラクショナルデザイン(Instructional Design:ID)とは何だろうか。
 ②インストラクショナルデザイン(ID)について,何がわかっているのか。
 ③優れたブレンド型eラーニングの環境をどう設計したらよいのだろうか。

 インターネットを活用した学習と対面の学習を組み合わせて行う教育を「ブレンド型eラーニング(blended e-learning)」と呼びます。それは,インターネットだけを使う遠隔教育(distance education)とは違うものです。このブレンド型eラーニングを優れたものにして,学習を促進するためには,インストラクショナルデザイン(Instructional Design:ID)の考え方が不可欠であると,私たち執筆者は考えています(以後,インストラクショナルデザインをIDと略記します)。
 これまでに多くの研究者がIDについて研究を重ね,IDモデルを発表しました。最も知られているモデルのひとつにADDIEモデル(アディーモデルと読む)があります。ADDIEは,IDの5つの段階の頭文字で,Analysis(分析),Design(デザイン),Development(開発),Implementation(実践),Evaluation(評価)を意味します。そして,このADDIEモデルを発展させて,多様な教育場面に応用できるIDモデルがいくつも開発されてきました。
 さて,情報通信技術(Information and Communication Technology:ICT)の進歩にともない,最近のeラーニングにも様々な形態のものが出てきました。eラーニングを設計するためにIDモデルが利用されますが,最近ではこのeラーニングの多様化にあわせてIDモデルそのものも再構築されています。たとえば,ホートン(Horton 2006)はeラーニングの設計のために,体系的で柔軟性のあるIDモデルを提案されています。また,プログラミングや製品開発の分野で使われるラピッド・プロトタイピング(rapid Prototyping)と呼ばれる方法を取り入れたIDモデルも提案されています。このIDモデルは,短い開発サイクルを何度も繰り返すことで,教育システムを短期間に改善していくための方法ですが,詳しくは,本書の中で説明をします。
 このように,IDモデルは対面型の教育場面においてもeラーニングにおける様々な教育の場面においても活用され,IDに関する本も多数出版されてきました。しかし,これらの本は教師向けの対面型の授業か,ID専門家向けのオンライン型の教育のどちらかしか扱ってこなかったのではないでしょうか。
 本書はID専門家でない学校教師や大学講師を対象にIDモデルの入門書として書かれブレンド型eラーニングの設計を提案するものです。これからの教育では,対面教育と遠隔教育とをバランスよく組み合わせた方法が必要になってきます。そして,多くの場合このような教育は,専門家であるインストラクショナルデザイナーが設計するのではなく,個々の教師によって準備され,実践されます。たとえば,日本では公立大学の70%と私立の教育機関の41%が何らかの形でeラーニングを採用していますが,ほとんどの場合,教室での指導と遠隔教育の組み合わせ,つまりブレンド型の学習環境です。キャンパスに通うことなしに,eラーニングだけで単位認定をしている大学は全体の10%にすぎません。また,50%のeラーニングのコンテンツ(教育内容)は担当教員によって開発されています(NIME2006)。
 では,IDの専門家でない教師が自分の教育にeラーニングを取り入れようとするときの状況は,どんなふうでしょうか。ほとんどの教師がIDの知識も教育方法に関する技能も十分に身につけていないのが普通ですから,ここでごく一般的な大学での事例を紹介しましょう。語学教員の山田さんは英語を学部1,2年生に教えています。5年ほど前から大学が主催するWebCTの講習会が開かれるので興味があれば参加するように言われていました。しかし,山田さんは「WebCT」が何なのかよくわからなかったので,講習会には参加しませんでした。2年ほど前に同僚が「Blackboard」を使って授業をしているという話を聞いて,「Blackboard」がどのようなものかわかりませんが,おもしろそうだなと思ったことがありました。そのとき,大学のWebサイトにある「Blackboard」のアイコンをクリックしてみたことがありました。そこには使い方が書いてありましたが,そのとおりに操作してもよくわからないため,そのまま放っておきました。
 山田さんがWebCTやBlackboardというものがLMS(learning Management system)と呼ばれるWeb上のツールであることがわかったのは,ほんの最近のことでした。多くの大学がLMSを導入して,授業改善に役立てようとしていることも最近,同僚から聞きました。山田さんは来学期からLMSを使って授業を行ってみようとしています。大学のITセンターの技術スタッフに相談し,次の学期からLMSを使って,授業のプリントを配布したり,Web上でディスカッションを利用したいと説明しました。でも,初めての経験なので本当にうまくいくのだろうか心配です。大学のサポートがあっても,それは技術的なことが中心で,実際にどのようにLMSを使って授業を組み立てていったらよいかはよくわかりません。eラーニングと対面授業を組み合わせた学習を,自分の英語の授業に取り入れるには,まだまだ超えなければならないハードルがたくさんあります。もちろん,eラーニングを取り入れようという気持ちはとても大切ですが,それを具体的にどのように取り組んでいったらよいか,その手順と手法を身につけることが必要になります。

<この本が対象とする読者>
 本書は,次のような人たちを対象としています。まず,山田さんのような先生,つまり授業を持っている学校教員や大学教員で,ブレンド型eラーニングのわかりやすい説明を求めている人です。次に,eラーニングとIDについて学んでいる大学生および大学院生,ID専門家として企業研修でeラーニングの開発を始めたばかりの人,そして優れたeラーニングの設計に興味を持っている人たちです。本書はすぐに読めるやさしいテキストとして書かれており,そのテーマは,IDモデルを適切にブレンド型学習に適用することです。したがって,本書は教育工学関連コースの副読本として,あるいはeラーニングの入門コースの教科書として使用することができます。
 eラーニングと授業を組み合わせるにあたって,LMSを使うことを想定しています。市販されている代表的なLMSの例としては,BlackboardやWebClassがあります。MoodleやXoopsは無料で公開されているLMSです。CEASなどのように,大学によっては独自のLMSを開発しています。

<章の構成>
 第1章では,「IDとは何か」という第1の問いに答えます。IDには複数の概念や定義がありますが,まず,それらを教育一般およびeラーニングの場面に分けて解説します。そしてIDに対する肯定論と否定論を示し,長所と短所について考え,最後にブレンド型学習のためのIDに関して,この本の立場を述べます。
 第2章では,「IDについて何がわかっているのか」という第2の問いに答えます。そしてIDモデルや方略について概観し,それらを比較・対照することによって類似点と相違点を明らかにします。紹介するモデルは,ディックらのモデル,ケラーのARCSモデル,構成主義による認知的従弟モデルなどです。
 第3章から第6章では,「優れたブレンド型eラーニングの環境をどう設計したらよいのだろうか」という第3の問いに答えます。そして,ブレンド型学習の設計のためのOPTIMAL(最適)モデルを提案します。第3章では,このOPTIMALモデルと名づけた,LMSを利用してeラーニングを設計するための実践的なアプローチを紹介します。OPTIMALの文字はそれぞれモデルの中の7つのタスク,Objectives(目標を定める),Prototyping(プロトタイピング),Testing(試行),Interaction Design(双方向性のデザイン),Material Design(教材のデザイン),Audio-Visual Design(メディア要素のデザイン),LMS Integration(LMSへの統合)の7つを示します。第4章ではOPTIMALモデルの初めの3つのタスク(Objectives,PrototypingとTesting)について,LMSによるeラーニングの設計の大枠(マクロ)の側面として説明し,具体的な例を示します。第5章では,続く3つのタスク(Interaction,Material,Audio-Visual Design)について設計の詳細(マイクロ)の側面として説明します。第6章では,IDモデルの最後のタスク(LMSへの統合)について詳細を解説し,具体例と注意点をあげます。
 最後の2つの章,第7章および第8章では,展望として,いくつかのeラーニングおよびブレンド型学習のサイトの事例を日本や海外から紹介します。eラーニングあるいはブレンド型学習のサイトとして,初等中等教育,高等教育,さらに教師教育について触れます。

上記内容は本書刊行時のものです。