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ナノスケールサーボ制御 山口 高司(編著) - 東京電機大学出版局
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ナノスケールサーボ制御 (ナノスケールサーボセイギョ) 高速・高精度に位置を決める技術 (コウソクコウセイドニイチヲキメルギジュツ)
原書: 0

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A5判
290ページ
上製
定価 4,300円+税
ISBN
978-4-501-11350-6   COPY
ISBN 13
9784501113506   COPY
ISBN 10h
4-501-11350-2   COPY
ISBN 10
4501113502   COPY
出版者記号
501   COPY
Cコード
C3054  
3:専門 0:単行本 54:電気
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2007年10月
書店発売日
登録日
2010年2月18日
最終更新日
2022年7月20日
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紹介

MATLABプログラムファイルを添付.

目次

基礎編
 第1章 序論
  1.1 ナノスケールサーボ制御
  1.2 ハードディスク装置
 第2章 ナノスケールサーボのためのモデリング
  2.1 ハードディスク装置のメカニズム
  2.2 位置決め誤差モデル
  2.3 制御対象のモデリング
  2.4 外乱因子の分離とモデリング
 第3章 ナノスケールサーボのための制御系設計の基礎
  3.1 高精度位置決め制御(1)位相補償とノッチフィルタ
  3.2 高精度位置決め制御(2)オブザーバと状態フィードバック制御
  3.3 高速移動制御(1)2自由制御
  3.4 高速移動制御(2)飽和を考慮した移動制御
  3.5 モード切り換えと初期値補償制御
応用編
 第4章 ナノスケールサーボのための超精密制御系設計
  4.1 位相安定による広帯域化
  4.2 ロバスト制御
  4.3 マルチレート制御
  4.4 繰り返し制御
  4.5 加速度フィードフォワード制御
 第5章 ナノスケールサーボのための超高速制御系設計
  5.1 終端状態制御による制振軌道設計
  5.2 完全追従制御
  5.3 モデルフォロイング制御
 第6章 コンシューマエレクトロニクス対応の制御系設計
  6.1 省電力をめざした制御系設計
  6.2 静粛性をめざした制御系設計
  6.3 SRS解析を用いた制御
 第7章 HDDベンチマーク問題
  7.1 HDDベンチマーク問題の一般公開について
  7.2 制御対象
  7.3 外乱のモデル
  7.4 HDDベンチマーク問題Ver.3の概要
  7.5 HDDベンチマーク問題の適用例
 附属CD-ROMについて
 索 引

前書きなど

 「ナノスケールサーボ制御」という言葉は,造語である。ナノスケールサーボ制御とは,ナノスケール,つまりナノメートルのオーダの位置決め制度を実現し,かつ目標の位置まで高速性や静粛性といった設計指標のもとで移動させるサーボ制御の設計手法,実現技術である,と定義する。本書では,この「ナノスケールサーボ制御」を体系的に理解できるようにまとめたものである。
 情報記憶装置の代表的な製品であるハードディスク装置では,磁気ヘッドを目的のトラックに向けてミリ秒オーダで移動させ,移動後はトラックにナノメートルオーダの精度で位置決めしてデータの記録再生を行っている。この高速・高精度位置決めサーボ制御技術は,ナノメートルオーダの制御を達成する「ナノスケールサーボ技術」の代表的な実例である。
 そこで本書では,ハードディスク装置を例にとって,基礎的なサーボ制御の設計,応用例をはじめ,複雑な機構共振に対する位相安定化制御,外乱抑圧制御,目標軌道の設計と追従制御系の設計,多重サンプリングを行なうマルチレート制御,および静音や省電力のための制御技術など,実用的なサーボ制御を紹介している。大量生産されている製品に対して,制御理論を背景にした制御技術が,どのように適用され効果を発揮しているか,がわかるようにまとめられている。これが本書の一つめの特徴である。
 本書の二つめの特徴は「ハードディスク装置のベンチマーク問題」を設けている点である。企業の技術者と大学の研究者がチームを組んで開発した,実際のハードディスク装置を模擬した詳細なモデルが開示されている。そして,本文で説明されている制御方式の半分以上のアルゴリズムが,MATLABのm-Fileとして添付のCD-ROMに入っている。実際の製品に近い制御対象モデルに対して,本書で述べている制御技術がどういう効果を出しているかを,読者各位がシミュレーションを通じて具体的に理解できるようになっている。2007年現在,このベンチマーク問題を用いた新しいサーボ制御方式の提案が,関連学会で多く発表されている。
 本書の三つめの特徴は,執筆者の大半が,ハードディスク装置サーボ制御系の製品開発や研究に直接携わっている30歳代後半(執筆時点)の企業ならびに大学の研究者,技術者であり,自らが開発し製品に適用した技術を,開発者本人が執筆している点である。なお,本書は三名の編著者によって,全体の構成,流れが読者にとって読みやすくなるように再構成している。
 本書は以上述べたような三つの特徴をもっており,さまざまな分野の制御技術者,研究者,および制御工学の応用に興味がある高専学生,学部学生,大学院生にとって,制御理論の応用を学ぶ入門書として役に立つのではないかと考えている。
 最後に,本書はハードディスク装置サーボ制御系の研究,開発に携わっている多くの大学の先生方のご指導,および企業技術者の多大なる協力によってなりたってる。関係各位に厚く感謝します。また,本書を出版するにあたりご尽力いただいた東京電機大学出版局の植村八潮氏と吉田拓歩氏に感謝いたします。

2007年10月
著者代表 山口 高司

上記内容は本書刊行時のものです。