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中国は“中国”なのか 「宅茲中国」のイメージと現実 葛兆光(著/文) - 東方書店
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書店員向け情報

9784497220141

中国は“中国”なのか 「宅茲中国」のイメージと現実

歴史・地理
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発行:東方書店
A5判
384ページ
定価 5,000円+税
ISBN
978-4-497-22014-1   COPY
ISBN 13
9784497220141   COPY
ISBN 10h
4-497-22014-1   COPY
ISBN 10
4497220141   COPY
出版者記号
497   COPY
Cコード
C1022
教養 単行本 外国歴史
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2020年12月20日
書店発売日
登録日
2020年12月21日
最終更新日
2021年2月4日
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紹介

「中国」という言葉は、紀元前11世紀に造られた青銅器(酒器)に書かれた銘文「余其宅茲中国、自之乂民」(余は其れ、茲〈ここ〉、中国に宅し、之〈ここ〉自〈よ〉り民を乂〈おさ〉めん)が初出とされている。それから数千年の歴史が流れ、「中国」という言葉に様々なイメージが投影され、膨張し続けている。この、日本が、世界が、更には中国自身が理解し難い、「中国イメージ」について、膨大な資料より掘り起こした歴史的叙述及び周辺地域(日本・朝鮮・欧州など)の視点とその交流史から多角的に描き出し、多面的な「中国」理解に対する一つの方向性を提示したのが『宅玆中国』である。本書は、名著『宅茲中国 重建有関「中国」的歴史論述』(中華書局、2011年)の全訳である。

目次

はじめに
日本語版序文

序論 「中国」についての歴史論述の再構築
     ――民族国家から歴史を救済するか、それとも歴史のなかで民族国家を理解するか
    はじめに 「中国」が問題となること、そして問題としての「中国」
    一、スキナーからハートウェルへ――「地域研究」が中国の同一性への疑問を引きだした
    二、アジアから考える――アジアのなかで氷解する「中国」
    三、台湾の学者の立場――同心円理論
    四、大汗の国――「中国」の歴史に対するモンゴル・元と大清帝国という挑戦
    五、ポストモダン歴史学――民族国家からどのような歴史を救いだすのか
    六、中国の歴史においていかに歴史上の中国を理解するか
    おわりに 歴史、文化、政治――中国研究の三つの指標

第一編 歴史のなかで中国を理解する
第一章 宋代に顕在化する「中国」意識
     ――近世ナショナリズム思想の一つの淵源
    一、「中国論」と「正統論」――中国意識の真の出現
    二、現実の政治と観念におけるイメージとの差異――天下、四夷、朝貢、敵国
    三、中国――「境界」の出現
    四、民族、国家そして文化の観念――夷狄の宗教に反発する意識および道統の確立
    五、漢族的と中国的――「漢族の」とはどのようなものか、「中国の」とはどのようなものか
第二章 『山海経』、「職貢図」と旅行記における異域の記憶
      ――マテオ・リッチ来華前後の中国人の異域に関する知識リソースとその変化
    一、イメージと知識のへだたり――異域のイメージ
    二、異域イメージを構築する三種のリソース――旅行記、職貢図、そして神話・伝説・寓言
    三、イメージにイメージを加え、物語に物語を加える――女人国、狗国、屍頭蛮
    四、マテオ・リッチ以前の異域イメージ――古典知識と歴史記憶からもたらされるもの
    五、マテオ・リッチ来華のあと――「天下」から「万国」へ
第三章  思想史としての古地図
    一、周縁と中心――古代ヨーロッパの世界地図における東方イメージ
    二、天下から万国へ――古代中国の華夷図、輿地図、禹貢図における観念世界
    三、仏教の地図――別種の世界イメージ
    四、諸夏を内にして諸夷を外にす――明代の海防地図を例として
    五、「公」を大とし「私」を無とす――明代地方志の地図から当時の公私観を見る
    六、小結
  【附録】謎めく古地図
    一、世を驚かせた「混一疆理歴代国都之図」
    二、モンゴル・元時代における世界についての新知識
    三、ムスリムからの贈りものか
    四、領域を超越する知識史の視野

第二編 交錯するアジア、東アジア、中国
第四章 西洋と東洋、あるいは東洋と東洋
     ――清代中葉における朝鮮と日本の中国に対しての感懐
    一、誰が「東洋」なのか、何が「中華」なのか
      ――一七世紀中葉からしだいに遠ざかってゆく中国、日本、朝鮮の三国
    二、明以後に中華はない――朝鮮人の感懐
    三、誰が中華文化の血統をついだのか――日本人と漂着唐船船員との筆談
    四、それぞれの道へ――一七世紀以降の東アジアになおアイデンティティはあったか
第五章 イメージの、そして現実の……誰が「アジア」をアイデンティティとするのか
     ――清末から民国初頭にかけての日本と中国の「アジア主義」言説について
    一、日本近代のアジア主義について
    二、清末から民国初頭にかけての中国における「アジア主義」への複雑な反応
    三、世界像へのそれぞれのイメージ――中国と日本にある差異
    四、ナショナリズムとコスモポリタニズム、あるいは伝統性と近代性
第六章 国家と歴史のはざま
     ――中国の道教と日本の神道および天皇制との関係をめぐる日本の論争を起点として
    はじめに 小さな問題が大きな問題をもたらした
    一、「福福論争」、それは何を論争したのか
    二、津田左右吉およびその中国道教に対する見解
    三、津田左右吉のジレンマ――「影響」かそれとも「借用」か
    四、「古層」のさらなる「古層」――神道と天皇について
    五、中国の影響――日本の学術界の新しい観点
    六、高句麗を経由したか――東アジアにおける道教伝播の経路
    七、中国の学者が論戦に加わる――宮崎市定の説
    八、「たちばな」が「からたち」になる――中国の道教と日本の神道における差異
    おわりに 道教、神道と天皇制をめぐる論争の背景

第三編 アジア理解と中国史の方法
第七章 国境の関所はどこにあるのか
     ――一九、二〇世紀交代期における日本の「満蒙回蔵鮮」学の背景から論じる
    はじめに 問題提起
    一、清末民初あるいは明治大正期――日本の「満蒙回蔵鮮」研究への関心と東洋史学の形成
    二、ヨーロッパとの勝負――日本の歴史学者における中国周辺に対する研究の動機の一つ
    三、清国は国ではない――満蒙回蔵鮮の学が日本で興起した歴史的背景と政治的意義
    四、国境か、それとも周辺か――いかにして歴史と現実から中国の境界を画定するのか
第八章 「西域」から「東アジア海域」へ――新しい歴史世界の形成とその方法および問題
    はじめに 文明が交錯する空間――地中海、西域と東アジア海域
    一、西域――近代ヨーロッパ・シノロジーと日本東洋学の転回から敦煌の大発見へ
    二、東アジア海域――東アジア近世における伝統文化の交錯と分離
    三、研究の主眼と研究の方法――西域研究と東アジア海域研究の相違点

結論 預流(よる)、立場、方法――歴史研究の新たな視野を求めて
    はじめに 学術史は何を告げているか
    一、国際的視野――「虜学」から「周辺から中国を見る」へ
    二、中国の立場――国外の中国学との比較
    三、交錯する文化史――土地をくぎって囲う必要はない
    おわりに 新しい資料、新しい方法論、そして新しいパラダイム――歴史研究の展望

後記
訳者解説
索引

著者プロフィール

葛兆光  (カツチョウコウ)  (著/文

1950年上海市生まれ。北京大学大学院中国古典文献学専攻を修了後、清華大学歴史系教授、復旦大学文史研究院院長などを歴任。現在、復旦大学歴史系特聘資深教授。主な著作に『中国思想史』全2巻(復旦大学出版社、1998、2000年)、『西潮又東風 晩清民初思想、宗教与学術十講』(上海古籍出版社、2006年)、『想像異域 読李朝朝鮮漢文燕行文献札記』(中華書局、2014年)などがあり、日本で翻訳出版されたものに『道教と中国文化』(坂出祥伸監訳、大形徹・戸崎哲彦・山本敏雄訳、東方書店、1993年)、『中国再考 その領域・民族・文化』(辻康吾監修、永田小絵訳、岩波書店、2014年)がある。

橋本昭典  (ハシモトアキノリ)  (翻訳

1968年滋賀県生まれ。神戸市外国語大学外国語学部中国学科卒業、関西大学大学院文学研究科中国哲学及哲学史専修修了。博士(文学)。現在、奈良教育大学教授。主な論文に、「中国古代「情」観念芻議――尋求「感情論」的所在」(『東亜観念史研究』11、台湾・政大出版社、2016年)、「経学史論述与日語翻訳的有関問題――以『尚書』今古文言説為中心」(『国際漢学研究通迅』11、北京大学漢学研修基地、2016年)、「儒教道徳の源泉としての情感主義―道徳的正しさと中国古典」(『社会と倫理』26、2012年)がある。共訳書に『朱子語類訳注』巻87~88(汲古書院、2015年)がある。

上記内容は本書刊行時のものです。