書店員向け情報 HELP
出版者情報
手数料と物流の経済全史
- 初版年月日
- 2022年10月13日
- 書店発売日
- 2022年9月30日
- 登録日
- 2022年7月15日
- 最終更新日
- 2022年9月20日
書評掲載情報
2022-11-26 |
東京新聞/中日新聞
朝刊 評者: 水野和夫(法政大学教授) |
2022-11-26 | 日本経済新聞 朝刊 |
2022-11-06 |
読売新聞
朝刊 評者: 小川さやか(立命館大学教授・文化人類学者) |
MORE | |
LESS |
紹介
何もしなくても「手数料」を得られるシステムを構築した国家が覇権を握る。出アフリカから現代までの「プラットフォーム」経済全史。
覇権国家とは、何もしなくても収入が得られる国である。
多くの国は、覇権国家が形成したシステムを使用しなければならない。
それは、いわば「ショバ代」であり、国際的な経済活動に参入するために国家はショバ代を払わなければならない。それが有史以来続いてきたシステムである。
そのシステムは、資本主義の形成によって明確な形をとるようになった。近世のオランダによって明確になり、近代のイギリスによって完成した。アメリカの覇権はイギリスのそれの変形版である。
一方、中国は一帯一路により、これまでとは違った覇権を形成しようとしているように思われる。だが、それは世界の「物流」の中心となることを目指した政策である。「自動的」に利益が得られる仕組みを作り出せてはおらず、覇権国家としての中国は成立し得ないのではないだろうか。ただ、ロシア・ウクライナ戦争以後、ロシアとの「ユーラシア覇権国家連合」形成により、その結論は変わりうる可能性がある。
手数料と資本主義という枠組みから世界史を捉えなおし、覇権国家の成立条件について論じる。
目次
序章 プラットフォームをつくる権力者たち
〈第1部 文明の形成からイスラームの拡大まで〉
第1章 出アフリカからメソポタミアの覇権
第2章 地中海世界形成とギリシア人、ローマ人、とくにフェニキア人の役割
第3章 イスラーム世界の拡大
〈第2部 中国の台頭と挑戦するヨーロッパ〉
第4章 中国文明の誕生から後漢まで
第5章 三国時代から唐代まで
第6章 宋から元へ
第7章 ヨーロッパの逆襲
第8章 商業情報の伝達と経済成長
第9章 オランダからイギリスへの覇権の移行
〈第3部 ヨーロッパの支配から新冷戦へ〉
第10章 世界に組み入れられる明清の中国
第11章 世界に組み込まれるアメリカ
第12章 ヨーロッパの拡大とディアスポラの民
第13章 産業革命とコミッション・キャピタリズムの世界
第14章 アメリカの覇権から中国の覇権へ?
終章 ユーラシア覇権国家連合の兆候
上記内容は本書刊行時のものです。