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教師の自腹 福嶋尚子(著/文) - 東洋館出版社
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教師の自腹 (キョウシノジバラ)

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四六判
328ページ
定価 2,100円+税
ISBN
978-4-491-05446-9   COPY
ISBN 13
9784491054469   COPY
ISBN 10h
4-491-05446-0   COPY
ISBN 10
4491054460   COPY
出版者記号
491   COPY
Cコード
C3037  
3:専門 0:単行本 37:教育
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2024年3月29日
最終更新日
2024年5月9日
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紹介

語られてこなかった自己負担――教職員、1,034人の声。
本書の概要
教職員自らによる経済的負担の存在は、関係者間では周知の事実であった。「自腹」には様々な経緯や背景が存在する。本書では全国の公立小・中学校に勤める1,034人の教職員に対し大規模調査を実施。集まった声をもとに、私費に頼らない公立学校の実現を模索する。

本書からわかること
授業の教材費、部活動の審判資格取得費用、家庭訪問の交通費、徴収金未納の立替……うやむやになってきた教職員の自己負担

採点用の文房具、授業のための教材、部活動の審判資格取得費用、大会への交通費、家庭訪問時のガソリン代、各家庭の徴収金未納の立て替え、物品破損の弁償――。教職員が仕事をする上で、必要なものを私費で負担する「自腹」。それは、人や学校により差はあるものの、金額の大小や費目・場面を問わず、これまでも確実に存在し、関係者間では周知の事実でした。
「自腹発生」の背景には、法制度上のマクロな理由に加え、「教育は生もの」という、常に柔軟さが必要とされる学校という場ならではの性質、もしくは各教職員側の意識や各学校の風土などのミクロな理由も複雑に絡み合っています。
本書は、その現状をありのままに映し出し、共有し、教職員が働きやすい公立学校を展望することを目的としています。



積極的自腹、消極的自腹、強迫的自腹。大規模調査でみえてきた枠組みと特徴

「未踏の地」であった自腹という現象に踏み込むため、「教職員の自己負担額に関する調査(2022年度間)」を実施。全国の公立小・中学校に勤務する、現在の職についてから2年目以降の教職員計1,034人に対し、下記のカテゴリについて2022年度に自己負担した名目や金額、その経緯、また、これまでの教職員人生における支出総額などを調査しました。

【調査対象】

校長、教頭、副校長、主幹教諭、指導教諭
教諭(正規雇用)、教諭(非正規雇用)
事務職員
【カテゴリ】

授業
部活動
旅費
弁償・代償
その他
その調査結果をもとに、10人いれば10人それぞれ、10回あれば10回それぞれの経緯や背景が存在する自腹を、「積極的」「消極的」「強迫的」という三つの分析枠組みで整理しながら、発生率・頻度の関係に加え、自腹への意識などについて分析します。また、属性別の傾向や学校の特徴との相関などについて、考察を行います。

こんなみなさまにおすすめ
・自腹の存在に違和感がある小・中学校教職員の方
・自腹を抑制していくための学校財務マネジメントの具体的な実践方法を知りたい学校事務職員の方
・自腹の抑制や教職員のよりよい働き方の実現のために、学校経営を見直していきたい学校管理職の方
・公立小・中学校教職員の自腹の状況について知りたいすべての方

目次

はじめに 
序章 自腹という未踏の地 
第1節 語られてこなかった、もう一つの私費
第2節 自腹を生み出す背景 
第3節 自腹を語る意義
第4節 本書の構成

第1部 自腹の事例
第1章 小学校教員・ミカ先生の自腹フルな一日 
自腹の分析枠組み――三つの自腹

第2章 自腹をする理由
第1節 授業に関わる自腹
第2節 部活動に関わる自腹 
第3節 旅費に関わる自腹 
第4節 弁償・代償のための自腹 
第5節 その他の自腹 

第3章 自腹に対する声
第1節 自腹の自覚性 
第2節 自腹の受容の論理 
第2節 自腹への抵抗の論理 
第3節 教職員の自腹への対案 

コラム 養護教諭の自腹

第2部 自腹のデータ
第4章 調査の概要
第1節 調査の概要 
第2節 データをみる上での注意点 

第5章 調査から見えた実態 
第1節 多くの教職員が経験する自腹 
第2節 自腹の頻度と金額 
第3節 自腹の理由 
第4節 自腹に対する意識

第6章 調査を踏まえた考察 
第1節 授業に関わる自腹をしやすい小学校教員 
第2節 部活動に関わる自腹を切る中学校教員の特徴 
第3節 管理職層で多い自腹 
第4節 非正規教員の自腹の実態 
第5節 高額自腹の中身
 
コラム 校長の自腹 

第3部 自腹の解決策
第7章 学校財務マネジメントの確立と意識改革 
第1節 学校財務マネジメントとは 
第2節 マネジメント効果による自腹の抑制 
第3節 ヒト、モノ、カネへの意識改革 

第8章 学校財務制度の改善と教育行政との連携 
第1節 自腹を誘引させる学校財務制度 
第2節 自腹を解消させるために教育行政と連携できること(事例・改善) 

コラム 事務職員の自腹 

終章  自腹からの解放 
第1節 自腹問題をどう考えるか 
第2節 自腹問題解放に向けた自腹類型の整理 
第3節 自腹問題からの解放 

小学校教員・ミカ先生のノー自腹な一日 

おわりに
巻末資料 教職員の自己負担額に関する調査(2022年度間) 
執筆分担一覧・著者紹介

著者プロフィール

福嶋尚子  (フクシマショウコ)  (著/文

千葉工業大学工学部教育センター准教授/「隠れ教育費」研究室チーフアナリスト
新潟大学教育人間科学部(当時)で教育行政学、教育法学、教育政策学を学び、修士課程を経て、2011年東京大学大学院教育学研究科の博士課程に進学。2015年度より千葉工業大学にて教職課程に助教として勤務し、2021年より准教授(現職)、教育行政学を担当。2016年12月に博士号(教育学)取得。モットーは「子どもを排除しない学校」「学校の自治」「公教育の無償性」の実現、「教職員の専門職性」の確立。研究関心は、教材整備、学校財務、学校評価、校則、給食、PTA、不登校など。主な著書に『隠れ教育費』(栁澤靖明との共著/太郎次郎社エディタス)、『だれが校則を決めるのか』『#教師のバトン とはなんだったのか』(ともに分担執筆/岩波書店)『占領期日本における学校評価政策に関する研究』(風間書房)など。

栁澤靖明  (ヤナギサワヤスアキ)  (著/文

埼玉県川口市立青木中学校事務主幹/「隠れ教育費」研究室チーフディレクター
県内の小・中学校に事務職員として勤務。「事務職員の仕事を事務室の外へ開き、教育社会問題の解決に教育事務領域から寄与する」をモットーに、教職員・保護者・子ども・地域、そして現代社会へ情報を発信。研究関心は、家庭の教育費負担・就学支援制度。具体的には、「教育の機会均等と無償性」「子どもの権利」「PTA活動」などを研究している。勤務と並行し、中央大学法学部通信教育課程で学び、校内でリーガルサポートにも取り組む。日本教育事務学会理事(研究推進委員会副委員長)、学校事務法令研究会会長、川口市立労働安全衛生委員、川口市教育研究会事務局長などをつとめる。主な著書に『隠れ教育費』(福嶋尚子との共著)『本当の学校事務の話をしよう』(ともに太郎次郎社エディタス)、『学校徴収金は絶対に減らせます。』『事務だよりの教科書』(ともに学事出版)など。

古殿真大  (フルドノシンタ)  (著/文

名古屋大学大学院教育発達科学研究科博士後期課程院生/日本学術振興会特別研究員(DC2)
筑波大学人間学群教育学類で教育社会学を学び、名古屋大学大学院教育発達科学研究科の博士課程に進学。専門は教育社会学、障害児教育。教育に医療の知識が持ち込まれることに関心を寄せ、とりわけ情緒障害に着目し、歴史的な観点から研究をしている。主要業績として「普通学級における精神衛生的処置と『性格異常』」(『保健医療社会学論集』近刊)などがある。「教育事例集に見られる緘黙児認識の変化」(『SNEジャーナル』)で日本特別ニーズ教育学会奨励賞受賞。内田良、澤田涼、藤川寛之とのいじめに関する共同研究の成果として『いじめ対応の限界』(分担執筆/東洋館出版社)や「中学生の規範意識といじめの相談」(澤田涼・藤川寛之・内田良との共著/『名古屋大学大学院教育発達科学研究科紀要(教育科学)』)などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。