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いじめ対応の限界 内田 良(編著) - 東洋館出版社
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いじめ対応の限界 (イジメタイオウノゲンカイ)

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四六判
160ページ
定価 1,700 円+税   1,870 円(税込)
ISBN
978-4-491-05057-7   COPY
ISBN 13
9784491050577   COPY
ISBN 10h
4-491-05057-0   COPY
ISBN 10
4491050570   COPY
出版者記号
491   COPY
Cコード
C3037  
3:専門 0:単行本 37:教育
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2024年3月22日
最終更新日
2024年3月22日
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紹介

いじめの「わからない」を突き止める!

本書の概要

「いじめの被害者と加害者は入れ替わる」「教師が現場を押さえるのは容易ではない」「子どもは被害を正直には話さない」。いじめの被害者、加害者、教師、保護者……三者調査からわかったきた本当の問題とは――。気鋭の教育社会学者が明らかにした「いじめ対応」の実態。


本書からわかること

最大の問題は、いじめの「わからない」ことが知られていない

いまも昔も、学校現場はいじめ対応に苦しんでいます。いじめの被害と加害には、三重の見えにくさがあるからです。一つ目は、いじめの被害者と加害者が入れ替わること。数日前まで被害者の立場にあった子供が、気がつけば加害者の側にまわっています。二つ目は、明確に加害と被害が分けられるとしても、隠れて行われるいじめを教師側がそれを発見し、そこで加害と被害を区分することは簡単なことではないこと。そして三つ目は、子供はいじめ被害の事実を表立って語れないことです。
だから、いじめはきわめて見えにくいというところから、私たちは話を始めなければなりません。何が起きているかさえ、よくわからない。いじめは、現場に下りるほど、「わからない」ことだらけなのです。
そして「わからない」ことの追究を教師に任せるには限界があり、だからこそ、専門家の介入が必要です。「わからない」ことは、ただひたすらに教師の業務負担を増やすだけです。そして最大の問題とは、「『わからない』ことが知られていないこと」なのです。


教育現場は、いじめの「わからない」ことに苦悩している

現場は、「わからない」ことに苦悩している。それにもかかわらず、「学校はいじめを隠蔽し、教育委員会もそれに加担する」との先入観が独り歩きし、現場をいっそう戸惑わせています。
本書は、上記の問題意識のもと、4名の著者により執筆されています。著者4名は2021年8月に「学校のいじめに関する三者調査」を共同研究として実施。その調査結果を活用しつつ、各々の問題意識から「わからない」ことの困難に言及しています。
「わからない」ことから始めよう。それが、本書の提案です。「わからない」からこそ、その闇に切り込んでいかねばなりません。「わからない」からこそ、科学的な調査と研究が必要です。
目の前が真っ暗であるときほど、一つの光は救いにもなりうる。「わからない」ことからの出発が、いじめで苦しむ子供と保護者、そして教師の助けになるはず――。
本書の提案が、一人でも多くの方の手助けになることを祈っています。


こんな先生におすすめ

いじめ問題に関心のある先生

目次

はじめに 
第1章 見えない、語られない事実 
思い込みからの脱却/都道府県間でバラバラ いじめの認知件数/子供の受難―いじめと虐待/子供はいじめ被害を話さない/事実確認の困難/いじめ被害者にも責任がある?

第2章 主観に頼ったいじめ認知とその落とし穴 
「いじめ」定義の変遷/教員の理解と認知件数の増加/教員の共感と切り捨てられたリアリティ/個人の中のわかりにくさ

第3章  オンラインへの誤解と期待
:いじめ被害者の救済と加害者の発見に向けて 
「ネットいじめ」の「わからなさ」/オンラインいじめについて残された課題/オンラインいじめの実態/認知件数から読み解くオンラインいじめ/オンラインに対する大人のまなざし/大人はオンラインをどのように認識しているのか/子供にとっても危険なオンライン/オンラインは被害者の居場所にもなっている/オンラインへの誤解が生み出す帰結/オンラインに期待を寄せること/オンラインといじめ加害者の今後

第4章 生徒の人間関係といじめを防止する教師の役割 
傍観者はワルなのか/被害者のための相談体制/被害者の周縁から教師につながる/わからない教師にできること/教師が築くピア・サポートプログラム/教師は家庭・地域社会・学校の架け橋/教師がつくるいじめ防止の相談体制

第5章 いじめをめぐる現場の判断の難しさ 
いじめ認知件数の実態/事実認定の難しさ/保護者に合わせて対応を変えなければいけない/子供がケガをしてしまったときの対応も大変/同じクラスで揉め事が起こったとき

第6章 だれにも頼れない悲劇 
どんな小さなことでも取り上げる/物をなくす、忘れる/子供の話を鵜呑みにできない/保護者にどう伝えるかでその後が変わる/指導に労力を要する子供中心にクラスが編成される/ハサミを持って暴れる子供にどう対応するのか

おわりに 

著者プロフィール

内田 良  (ウチダリョウ)  (編著

名古屋大学大学院教育発達科学研究科教授。スポーツ事故、組体操事故、「体罰」、教員の部活動負担や長時間労働などの「学校リスク」について広く情報を発信している。2015ヤフーオーサーアワード受賞。著書に『校則改革』『ブラック校則』『ブラック部活動』(いずれも東洋館出版社)、『部活動の社会学―学校の文化・教師の働き方』(岩波書店)、『教育という病 子どもと先生を苦しめる「教育リスク」』(光文社新書)など多数。本書では、「はじめに」・第1 章・第5 章・第6 章・「おわりに」を執筆。

古殿 真大  (フルドノシンタ)  (

名古屋大学大学院教育発達科学研究科博士後期課程・日本学術振興会特別研究員(DC 2)。論文に「普通学級における精神衛生的処置と「性格異常」」『保健医療社会学論集』(近刊)、「教育事例集に見られる緘黙児認識の変化」『SNEジャーナル』第28巻第1 号などがある。本書では、第2 章を執筆。

藤川 寛之  (フジカワカンノ)  (

名古屋大学大学院教育発達科学研究科博士後期課程。論文に「ICT教育をめぐる研究動向と展望」『教育論叢』第64号、「なぜ教員と保護者の連携は難しいのか」『名古屋大学大学院教育発達科学研究科紀要(教育科学)』第70巻1 号(共著)などがある。本書では、第3 章を執筆。

澤田 涼  (サワダリョウ)  (

名古屋大学大学院教育発達科学研究科博士後期課程・名城大学総合企画部(愛知県立愛知総合工科高等学校専攻科)。論文に「大学におけるピア・サポーターの成長を導く「居場所」概念の考察」『ピア・サポート研究』第19号、「大学生のピア・サポート経験の効果検証」『名城大学教育年報』第17号などがある。本書では、第4 章を執筆。

上記内容は本書刊行時のものです。