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ブラック部活動 内田 良(著/文) - 東洋館出版社
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ブラック部活動 (ブラックブカツドウ) 子どもと先生の苦しみに向き合う (コドモトセンセイノクルシミニムキアウ)

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四六判
256ページ
定価 1,400円+税
ISBN
978-4-491-03333-4   COPY
ISBN 13
9784491033334   COPY
ISBN 10h
4-491-03333-1   COPY
ISBN 10
4491033331   COPY
出版者記号
491   COPY
Cコード
C0037  
0:一般 0:単行本 37:教育
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2017年5月3日
最終更新日
2017年7月5日
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書評掲載情報

2017-09-10 朝日新聞  朝刊
評者: 荻上チキ(評論家、言論サイト「シノドス」編集長)
2017-09-01 POSSE(ポッセ)  36
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紹介

部活動問題を世に広く問い、一大議論を巻き起こしている著者が、数年間のエビデンス分析から部活動に潜む矛盾と社会構造を鋭く示す。

目次

はじめに
1 部活やめたい
2 生徒だけでなく先生も
3 部活は楽しい!:「強制」と「過熱」から考える
4 本書の諸前提:「エビデンス」と「4つの基礎的視座」から運動部・文化部をよりよいものに


第1章 「グレーゾーン」を見える化する
1 「なぜ廊下を走るの?」中学生の訴え
2 「自分だけ外を走ればいい!」
3 「グレーゾーン」としての部活動
4 無法地帯のさまざまな問題と矛盾
5 部活動は「教育課程外」の活動
6 「授業」とのちがいから「部活動」を理解する
7 「スポーツクラブ」や「学習塾」とのちがいから「部活動」を理解する


第2章 自主的だから過熱する――盛り上がり、そして降りられなくなる
1 学校はトップアスリート養成機関?
2 東京オリンピックはもっと盛大に:勝つことに対して高まる期待
3 理想と現実のギャップ
4 部活は麻薬
5 10年間で部活動の指導時間が突出して増加
6 組み体操の巨大化と部活動の過熱との共通点
7 自主的だから過熱する
8 部活動に全国大会がなかった頃
9 部活動が「評価」される 過熱の背景にあるもの


第3章 自主的なのに強制される――矛盾に巻き込まれ、苦悩する
1 大きな勘違い
2 生徒の強制入部
3 部活動指導は教員の仕事なのか?
4 実現不可能な職務命令
5 「居場所」の論理と「競争」の論理:部活動の存在意義は「機会保障」にある
6 競争の論理の見えにくさ
【COLUMN】Twitter発、世間を動かした「部活動の正論」


第4章 強いられる「全員顧問」の苦しみ
1 土日も出勤:「早く負けてほしい」
2 自主的に土日がつぶれていく
3 「部活未亡人」:過労を嘆く妻たちの声
4 若い先生たちの過重負担
5 全員顧問「制度」とは?
6 全員顧問制度の拡大とその背景
7 部活動で先生が「評価」される


第5章 教員の働き方改革――無法地帯における長時間労働
1 教育は無限、教員は有限
2 在校12時間 多くが「過労死ライン」超える
3 休みなき教員の一日
4 一日の休憩時間はたったの10分
5 先生には夏休みがある?
6 夏休みも残業、土日出勤
7 労働基準法の「休憩時間」が確保されていない違法状態
8 無理矢理の休憩時間設定
9 教員の半数は「休憩時間数を知らない」
10 諸悪の根源「給特法」
11 休まないことが美化される!?
【COLUMN】部活動の法的根拠を探るなかで見えてきたこと


第6章 素人が顧問
1 未経験顧問が雪崩に巻き込まれて死亡
2 ボールにさわったことがあればOK
3 素人顧問が語る苦悩
4 部活動好きだった先生の挫折
5 次善の策として顧問を引き受ける


第7章 過剰な練習、事故、暴力――苦しむ生徒の姿
1 守られなかった「週2休」の指針
2 文科省が本気を出した
3 生徒の部活動時間:最大は千葉県の1121分/週
4 外部指導者は救世主か
5 外部指導者は生徒の負荷を増大させる?
6 部活動を「やめさせない」圧力
7 「内申」という束縛の欺瞞
8 部活動における事故
9 顧問からの暴力
【COLUMN】 スポットの当たりにくい小学校の部活動


第8章 先生たちが立ち上がった! 
1 職員室の当たり前を打ち壊す
2 「部活問題対策プロジェクト」の誕生
3 既存の組合を超えた活動
4 生徒の負担に着目した活動
5 ネット署名:部活動顧問を「する・しないの選択」
6 ネット署名:部活動への入部を「する・しないの選択」


第9章 未来展望図――「過熱」から「総量規制」へ
1 教員のオフ会:より幅広い全国ネットワークへ
2 「部活改革ネットワーク」の誕生
3 職員室のタブー:先生は部活動問題を語れない
4 草の根から変えていく
5 保護者が見た「ブラック部活動」
6 保護者からの圧力
7 未来展望図:「居場所」の論理にもとづく部活動改革
8 「居場所」と「競争」の明確な役割分担
9 最重要課題は活動の「総量規制」:「ゆとり部活動」への転換
10「総量規制」がもつ効果
11「学校」から「地域」の部活動へ
12「自由」と「規制」の部活動へ
【COLUMN】職員室から広げる 生徒・教員の負担軽減

座談会 部活動のリアル 内田 良/真由子/藤野悠介

おわりに

著者プロフィール

内田 良  (ウチダリョウ)  (著/文

名古屋大学大学院教育発達科学研究科准教授。博士(教育学)。専門は教育社会学。博士(教育学)。日本教育社会学会理事、日本子ども安全学会理事。スポーツ事故、組体操事故、転落事故、「体罰」、自殺、2分の1成人式などの「学校リスク」について広く情報発信している。ヤフーオーサーアワード2015受賞。運営サイトに、「学校リスク研究所(http://www.dadala.net/)」「部活動リスク研究所(http://www.rirex.org/)」がある。また、最新情報をYahoo! ニュース「リスク・リポート(https://news.yahoo.co.jp/byline/ryouchida/)」で発信。著書に『教育という病』(光文社、2015)、『柔道事故』(河出書房新社、2013)、『「児童虐待」へのまなざし』(世界思想社、2009。日本教育社会学会奨励賞受賞)などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。