書店員向け情報 HELP
出版者情報
アリストテレス哲学における人間理解の研究
- 初版年月日
- 2012年1月1日
- 登録日
- 2012年2月20日
- 最終更新日
- 2012年2月20日
紹介
アリストテレスが「人間の哲学的理解」の基礎概念を確立する過程を『形而上学』『デ・アニマ』『自然学』『ニコマコス倫理学』のテキスト分析を通じて追跡する。混迷する現代に生きる我々にとっても示唆を与える。
目次
序 章 アリストテレス哲学をどのようにみるか?
第一節 問題の所在
第二節 本書の構成と内容
第一部 共同性と規範
第一章 いくつかの哲学問題への「アレテー(徳)」の適切性に関する一考察
第一節 幸福論
第二節 「中間性」の解釈
第三節 従来の解釈との異同
第四節 認識としての感情
第五節 「である」ことと「する」こと
第六節 ヌスバウムの反相対主義的徳倫理
第七節 「概念枠」と徳倫理
第二章 フィリア論序説?なぜ人は友を、また愛を必要とするのか?
第一節 人の、「愛されるもの」としての特徴からの、即物的分析
第二節 愛の議論の規範性
第三節 真の「自己愛」について
第四節 『ニコマコス倫理学』第九巻九章の解釈
第三章 フィリア論の文脈
第一節 幸福の条件とフィリア
第二節 フィリアの類型と、「フィリア」という愛の統一根拠
第三節 正義、エピエイケース、愛
第四節 愛とアリストテレス流倫理
第二部 生成消滅と存在
第四章 問題としての生成
第一節 自然学の原理と、エレア派は挑戦
第二節 誤謬推理論の観点からのパルメニデス論(『自然学』第一巻三章)
第三節 アリストテレスの説明枠からの論駁(第一巻八章)
第四節 まだ残る問題?新たに生成するという事実の確保
第五節 質料概念の意義(第一巻九章)?誕生と死の説明にとくに関連づけて
第五章 自然、生成消滅、死?アリストテレス『自然学』第一巻七章とその文脈
第一節 プラトンにおける生成変化と「非存在」の問題
第二節 『自然学』冒頭の方法と「ことば」
第三節 第一巻七章の「生成」の説明
第四節 アリストテレスの説明図式
第五節 質料の導入?文字どおり世界と人間について語る方法の樹立
第六章 偶運の自然誌
第一節 遇運の問題『自然学』第二巻四章
第二節 第二巻五章の基本議論
第三節 「偶運」の諸相
第四節 偶運と、目的論の正当化
第三部 実体と心
第七章 形相が「内在」するとはいかなることか?
第一節 『形而上学』H巻六章の定義の一性の問題
第二節 形相優位の考え方から
第三節 問題の解決
第八章 思考の説明と真理把握
第一節 『デ・アニマ』第三巻六章の「不可分者」について
第二節 思考経験とその基礎
第三節 自己知について
第四節 『形而上学』?巻十章の「虚偽のない真」の解釈
注
結 び
初出一覧
参考文献
索 引
上記内容は本書刊行時のものです。