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新1冊まるごと佐藤可士和。[2000-2020]
- 書店発売日
- 2021年2月10日
- 登録日
- 2020年12月24日
- 最終更新日
- 2021年2月4日
紹介
世界に挑むSAMURAIの20年の歴史、そしてこの先へ。
ここ数年で、デザインに対する社会的価値は急速に変化している。
本書では、そうした時代の流れの中で、 日本を代表するクリエイティブディレクター・佐藤可士和のさらなる挑戦と活躍、今までとこれからを追う。
佐藤可士和の仕事を通じて、デザインのもつ力と可能性を感じ取れる一冊。
【改訂版によせて】
雑誌「Pen」で、初めて僕の特集を組んでいただいたのが2006年。その後、「Pen Books」として単行本化、さらに2010年には増補新装版を出版していただきました。それから10年、今回新たに全面的な改訂の運びとなったのはうれしい限りです。
この10年間を振り返ると、僕の仕事にはかなり変化がありました。ひと言でいえば、デザインの領域がどんどん広がっていったのです。博報堂時代の広告の仕事から、独立後はプロダクトや空間などへと幅が広がり、ここ10年は企業経営の領域にまで深く入り込んでいくことが増えました。ビジネスとクリエイティブを融合させ、経営にデザインを戦略的に取り込んでいく。そうした企業ブランディングが、仕事のほとんどを占めるようになりました。ユニクロや楽天のプロジェクトは、その先駆けです。
2016年からは、SAMURAIに建築家がメンバーとして加わり、本格的に空間デザインを手がけられるようになりました。それまでも外部の素晴らしい建築家やインテリアデザイナーの方々との協働はありましたが、インハウスで行うと毎日がトライ&エラーの連続であり、新しい考え方が生まれる土壌を育むのです。グラフィックから空間、各種コミュニケーションまで、ブランディング全体を一貫してSAMURAIで行えるようになったのは大きな進化だと思います。
近年では、団地の再活性プロジェクトを始め、公共性の高い仕事も増えてきました。一企業の課題を超えた取り組みに挑むことで、社会に向けての視点が開かれたと感じています。
ここ何年かで、デザインに対する社会の認識も確実に変わってきました。2016年に文化庁の文化交流使に指名されたことや、2021年の国立新美術館での個展開催依頼などは、デザインがひとつの文化として捉えてもらえるようになった証として、とても光栄に思っています。本書を手に取ってくださった方が、僕の仕事を通じて、デザインのもつ力と可能性を感じ取っていただければ幸いです。
目次
話題の大プロジェクト、すべて見せます。
・ユニクロ/世界に挑む日本発ブランドを、力強くアピール
2010年対談 柳井正×佐藤可士和
2020年対談 柳井正×佐藤可士和
・ふじようちえん/幼稚園をとりまく〝状況〟をデザインする。
・国立新美術館/美術と人と社会の、開かれた新しい関係を表現。
・今治タオル/クリエイティブの力が、地方再生を実現する。
・セブン-イレブン/プライベートブランドを軸に、イメージを刷新。
・楽天/フォント開発も行う、「デザイン経営」の先駆け。
・武田薬品工業/アイコンを配した、スペースブランディング
・くら寿司/ジャパンカルチャーを、ロゴや旗艦店で表現。
世間を騒がせた代表作を、徹底解剖する。
・SMAP/街をメディアに、CDやグッズ、広告までデザイン!
・キリンビール/イメージを変えない「ラガー」、概念を変えた「極生」。
・NTTドコモ/日常のリアリティから生まれたプロダクト
・リサージ/スキンケアブランドの理念を、機能美で表現。
・明治学院大学/大学のブランディングは、ここから始まった。
・キリンビバレッジ/「チビレモン」をきっかけに、独立してSAMURAIへ。
・TSUTAYA TOKYO ROPPONGI/20 年先を見据え、ブランド戦略の舵を取る。
・ホンダ/大胆な手法で、車の広告のセオリーを打ち破る。
・東京都交響楽団/ボトムアップの議論から、VIを生み出す。
・KAJIMOTO/固定観念を突き破る、遊び心満載のロゴ
・ロフト/脱・マス広告。客もメディアになる新しい仕掛け。
・パルコ/広告黄金期の輝きに、新たな時代のパワーを注入。
・ビューティーエクスペリエンス/社名から空間まで、一気通貫のブランディング
・千里リハビリテーション病院/病院の空間に、アートと木の温もりを。
・ワイマラマ/NZワインのラベルに、日本の美意識を宿す。
・三輪山本/老舗の未来を見据え、パッケージを大胆に刷新。
・えいごであそぼ/ビジュアルを活用し、色鮮やかにリニューアル
・イッセイミヤケ/互いの領域が交わる、刺激的なコラボレーション
・日清食品/不文律は「ユニークじゃなければ、日清食品じゃない」。
・ヤンマー/ブランドを、今あるべき姿にアップデート
・グラフィックワーク/アイデアとテクニックのロジカルな実験場。
・アイコニックブランディング/本質を極めたロゴが、ブランドの磁場となる。
・音楽/情感が表れるドローイングで音楽に共鳴する。
・本/本や雑誌のデザインも、「ブランディング」だ。
・絵本/敬愛する作家とセッションした、新感覚の絵本。
・アート/究極の美しさへの憧れを、アートに表現する。
・八代目中村芝翫襲名披露/ポップな歌舞伎を、現代によみがえらせる。
「整理」された、クリエイティブ哲学に迫る。
・SAMURAI/常に「見せる化」で、進化してきたオフィス
・思考のデザイン/考え方を変える、きっかけ作りのアプリケーション
・空間のデザイン/意識改革を誘う、スペースブランディングの力。
村上隆×佐藤可士和 「tokonoma project」
「佐藤可士和」は、どのように作られたのか。
クリエイティビティの源を、その半生から探る。
すべてが一本の線でつながる、佐藤可士和の年譜。
敬愛するクリエイターは、この10人。
音楽のない人生なんて、まったく想像できない!
映画を通して、「想像を超えた世界」を見たい。
30年の活動を再編集、佐藤可士和展
〝現実美術〟としての、「佐藤可士和展」の意義。
デザインで社会に貢献する、未来へのプロジェクト
・GLP ALFALINK相模原/物流の未来は、〝創造の連鎖〟から始まる。
・FLAT HACHINOHE/空中をメディアにして、新たなアリーナを訴求。
・団地の未来プロジェクト/団地を活性化する、「建築×活動」の意義とは。
・教育活動/デザインのもつパワーを、若い世代に伝えたい。
column 佐藤可士和クリエイティブ語録
上記内容は本書刊行時のものです。