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ヤクザときどきピアノ
- 書店発売日
- 2020年4月1日
- 登録日
- 2020年1月23日
- 最終更新日
- 2020年3月7日
書評掲載情報
2020-09-19 |
東京新聞/中日新聞
朝刊 評者: 栗原裕一郎(評論家) |
2020-07-26 |
読売新聞
朝刊 評者: 通崎睦美(木琴奏者) |
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紹介
「『ダンシング・クイーン』が弾きたいんです」
――校了明けに観た一本の映画が人生を変えた。
『サカナとヤクザ』『ヤクザと原発』など、潜入ルポで知られるライターがピアノ教室に!
譜面の読みかたも知らない52歳の挑戦がはじまる。
レッスンは冒険であり、レジスタンスだ。
ピアノは人生に抗うための武器になる。
俺は反逆する。
残酷で理不尽な世の中を、楽しんで死ぬ。
5年もの時間をかけて書き上げた『サカナとヤクザ』(小学館)を校了した「俺」には、やりたいことがあった。ピアノである。子どもの頃からピアノには淡い憧れがあったが、大人になり、ヤクザ取材を中心に行うライターとして多忙な日々を送るなかで、そんな機会が実現することはついぞなかった。しかし、人生はわからない。校了明けに観た映画『マンマ・ミア! ヒア・ウィー・ゴー』が運命を変えた。ABBAのスマッシュ・ヒットである『ダンシング・クイーン』が流れた時、涙腺が故障したのかと思うほど涙が溢れて止まらなくなった。特徴あるピアノの旋律に直接感情の根元を揺さぶられた。身体が音楽に包まれていた。
ピアノでこの曲を弾きたい。
校了明けのライターにありがちなライターズ・ハイがもたらす万能感に背中を押され、近所のピアノ教室に電話をかけまくった。が、簡単にはいかない。譜面も読めないとわかると、電話口の声は困った様子になる。やはり、50代の未経験者が、いきなりABBAを弾きたいなんて無謀なのか。そんななかで、出会ったのがレイコ先生だった。彼女はきっぱりと言った。
「練習すれば、弾けない曲などありません」
1回30分、月3回で月謝は6千円。ときにヤクザの抗争に阻まれても必死で練習した。憧れの『ダンシング・クイーン』を自分で弾くために。先生の期待に応えるために。
いくつになってもYOU CAN DANCE.
ABBAの名曲に乗せて贈る、ハードボイルド中高年応援ストーリー。
目次
まえがき
【Prelude】シネマでABBAが流れたら: ライターズ・ハイの涙
【Op.1】グランド・ピアノと九ミリ弾: レイコ先生との出会い
【Op.2】ロール・オーバー・ベートーヴェン: 初めて曲を弾く
【Op.3】憎しみと? 愛のテーマ: マイ・ピアノを買う
【Op.4】仁義なきピアノ史: ファミリーの系譜
【Op.5】よい集中!!: 予習、復習、ひたすら練習
【Op.6】強く弾きたいと思うこと: ABBAときどき抗争
【Postlude】トイ、トイ、トイ: 舞台ソデの魔法
あとがき
上記内容は本書刊行時のものです。