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病魔という悪の物語 チフスのメアリー 金森 修(著/文) - 筑摩書房
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病魔という悪の物語 チフスのメアリー (ビョウマトイウアクノモノガタリ チフスノメアリー)

社会一般
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発行:筑摩書房
新書判
144ページ
定価 760円+税
ISBN
978-4-480-68729-6   COPY
ISBN 13
9784480687296   COPY
ISBN 10h
4-480-68729-7   COPY
ISBN 10
4480687297   COPY
出版者記号
480   COPY
Cコード
C0236  
0:一般 2:新書 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2006年3月6日
書店発売日
登録日
2016年10月18日
最終更新日
2023年7月31日
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書評掲載情報

2020-07-11 毎日新聞  朝刊
評者: 内田麻理香(東京大学特任講師・科学技術社会論)
2020-07-11 朝日新聞  朝刊
評者: 川端裕人(作家)
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紹介

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緊 急 復 刊! これは、明日の私たちだ──

100年前のアメリカを震撼させた衝撃の実話。
伝染病の恐怖と闘う現代人が、
今読むべき歴史的教訓の書!

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料理人として働いていた彼女は、腸チフスの無症候性キャリアとして、本人に自覚のないまま雇い主の家族ら50人近くに病を伝染させた――。
20世紀初め、毒を撤き散らす悪女として「毒婦」「無垢の殺人者」として恐れられた一人の女性の数奇な生涯に迫る。
エイズ、鳥インフルエンザ、新型コロナウイルスなど、伝染病の恐怖におびえる現代人にも、多くの問いを投げかけている。

「これは、ある一人の女性の生涯の物語だ。その女性は、料理がとてもうまい人だった。子どもの面倒見もよく、雇い主からは信頼されていた。だから、料理に存分に腕をふるい、雇い主にも信頼されてそのまま生活していけたとすれば、貧しいながらも、それなりに幸せな人生だったろう。だが、その女性には過酷な運命が待っていた。三七歳になったあるとき、突然、自分自身には身に覚えもないことで、公衆衛生学にとっての注目の的になり、その後の人生が大きく変わっていく。突然、自由を奪われ、病院に収容されるのだ。」
─「はじめに」より

【目次】
第1章 物語の発端(事件以前のメアリー チフス患者の発生 ほか)
第2章 公衆衛生との関わりのなかで(腸チフス チフスと戦争 ほか)
第3章 裁判と解放(法的な問題 「チフスのメアリー」の露わな登場 ほか)
第4章 再発見と、その後(自由になって 恋人の死 ほか)
第5章 象徴化する「チフスのメアリー」(一般名詞化するメアリー 勝ち馬に乗る歴史 ほか)

「恐ろしい伝染病が、いつ社会に蔓延するかは誰にもわからず、もしそうなれば、電車で隣に座る人が、恐ろしい感染の源泉に見えてこないとも限らない。(略)そして、この生物学的な恐怖感が私たちの心の奥底に住み着き、いつその顔を現すかはわからないような状況が、人間社会の基本的条件なのだとするなら、未来の「チフスのメアリー」を同定し、恐怖を覚え、隔離し、あざけり、貶めるという構図は、いつ繰り返されてもおかしくはない。(略)もし、あるとき、どこかで未来のメアリーが出現するようなことがあったとしても、その人も、必ず、私たちと同じ夢や感情をかかえた普通の人間なのだということを、心の片隅で忘れないでいてほしい。」
─本文より抜粋

目次

第1章 物語の発端(事件以前のメアリー チフス患者の発生 ほか)
第2章 公衆衛生との関わりのなかで(腸チフス チフスと戦争 ほか)
第3章 裁判と解放(法的な問題 「チフスのメアリー」の露わな登場 ほか)
第4章 再発見と、その後(自由になって 恋人の死 ほか)
第5章 象徴化する「チフスのメアリー」(一般名詞化するメアリー 勝ち馬に乗る歴史 ほか)

著者プロフィール

金森 修  (カナモリ オサム)  (著/文

1954年札幌市生まれ。東京大学教養学部教養学科卒。パリ第一大学哲学博士。専門は科学思想史・科学史。筑波大学、東京水産大学(現、東京海洋大学)を経て、東京大学大学院教育学研究科教授。主な著書は『フランス科学認識論の系譜』『負の生命論』『自然主義の臨界』『遺伝子改造』(以上、勁草書房)、『バシュラール』(講談社)、『サイエンス・ウォーズ』(東京大学出版会)、『科学的思考の考古学』(人文書院)、『科学の危機』 (集英社新書)、『科学思想史の哲学』(岩波書店)、『人形論』(平凡社)。2016年逝去。

上記内容は本書刊行時のものです。