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人は囚われてこそ 澤田 幸展(著) - 柏艪舎
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人は囚われてこそ 囚われで読み解く現代ストレス社会そして瞑想 (トラワレデヨミトクゲンダイストレスシャカイソシテメイソウ)

社会一般
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発行:柏艪舎
発売:星雲社
四六判
重さ 300g
204ページ
並製
定価 1,500円+税
ISBN
978-4-434-27383-4   COPY
ISBN 13
9784434273834   COPY
ISBN 10h
4-434-27383-3   COPY
ISBN 10
4434273833   COPY
出版者記号
434   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2020年4月24日
書店発売日
登録日
2020年3月11日
最終更新日
2020年6月26日
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書評掲載情報

2020-07-05 北海道新聞  朝刊  全道版
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紹介

「ほどほどに囚われる」べし――
でも、このストレス社会でどうやって?
読んで気づきたい、読んで備えたい、読んで生かしたい
ストレス研究で知られる著者が伝授する目からウロコの一冊!

目次

はじめに/第一章 囚われは人の天性/第二章 現代ストレス社会の生みの親/第三章 だからこそ瞑想が効果的/第四章 ストレス再考/おわりに

前書きなど

はじめに

街の本屋で、「囚われ」がタイトルに含まれた本を見かける。多くは仏教的な考え方に立ち、迷い・苦しみ・悩みなどといった陰性感情から解放されるには、囚われない生き方が大切だと説く(例えば、『囚われない練習 人生を変える禅の教え』平井正修、宝島社)。

 だが、「光強ければ、影もまた濃し」(ゲーテ)。

何事にも、光と影がある。囚われもまた然りで、囚われたからこそ、人は壮大な文明を創り上げ、時代と共にその光をますます強めてきた。しかし同時に、その影をますます濃くもしてきたのである。本書は、現代ストレス社会を問題とする。そのため、ますます濃くなってきた影に焦点を当てがちだが、ますます強まってきた光のことも折に触れて指摘したい。そうして初めて、囚われのダイナミックな姿が、分かろうというものだ。
ちなみに、辞書的な意味で言えば、囚われとは、敵に捕らえられること。そこから広がって、固定した価値観や考え方などに拘束されること、である。これらを踏まえた上で、かつ、仏教的な考え方も斟酌した上で、本書がどう考えるかといえば、
囚われとは、心理社会的欲求に突き動かされること。

このように定義すれば、人は寝ても覚めても囚われの身、ということになる。確かに、性的欲求は多分に本能的であろう。だが、相手に認めてもらいたいとか(承認欲求)、相手を意のままにしたいとか(支配欲求)、さまざまな心理社会的欲求が貼り合わさっているものだ。純粋に本能的だとしたら、人以前の動物レベルなわけで、囚われとは無縁だ。
こうした囚われの定義を踏まえ、筆者の考えるところを凝縮して表現したのが、本書のタイトル『人は囚われてこそ 囚われで読み解く現代ストレス社会そして瞑想』。具体的には、囚われは人の天性、現代ストレス社会の生みの親、だからこそ瞑想が効果的、と三つの側面から分析している。
先ず、『囚われは人の天性』(第一章)。囚われは、天性と言うのだから、死ぬまで変わらない生まれつきの性質。排除する必要はなく、できるものでもない。ほどほどである限り、善いだの悪いだの、ましてや美しいだの醜いだの、と言ってみても始まらない。
次いで、『現代ストレス社会の生みの親』(第二章)。なるほど、囚われは人の天性。だが、これの高じた現代人は、強く囚われる生き方に陥っている。その結果、現代ストレス社会が到来した。この因果関係を得心することが、きわめて重要である。
そして、『だからこそ瞑想が効果的』(第三章)。瞑想は、まったく囚われない生き方を希求する(動物レベル、とは逆の極端を目指す)修行法。瞑想の練習を通して、凡人の我々にもほとんど囚われない意識状態が感得できる。束の間の意識状態、でよいのだ。まったく囚われない生き方が希求された日には、禅の修行に励む僧侶でもない限り、そのことでかえって囚われる。果ては、人らしい生臭さまで失ってしまう。
総じて、囚われは人の天性。そう見極めた上で、一方では、囚われと現代ストレス社会との因果関係を得心する。いま一方では、瞑想の練習を通して、ほとんど囚われない意識状態を感得する。これら両者に後押しされながら、「ほどほどに囚われる生き方」へと、登り路を歩み出そうというのである。
本書の内容をイメージするには、簡単すぎる紹介だ。だが、ほどほどに囚われる生き方への登り路は、山あり谷ありの複雑な造作であるため、本書へ分け入って一歩ずつ進んでいただくしかない。いささか自己宣伝めくが、登り路にはさまざまな話題が仕掛けられているから、飽きずに歩を進めていただけることであろう。
ただし、留意されたい。本書は心理学者に限らず、ストレス研究の専門家が展開する従来のストレス論(本書末尾の第四章を参照)と、内容を異にする部分が少なくない。とくに、現代ストレス社会の成り立ちに焦点を当て、しかも囚われで読み解くあたりは、本書に独自のものである。ストレス研究とはこういうものだと、読者が誤解されても困るので、あらかじめお断りしておきたい。

著者プロフィール

澤田 幸展  (サワダ ユキヒロ)  (

澤田幸展(さわだゆきひろ)
1945(昭和20)年、北海道生まれ。札幌医科大学名誉教授。心理学者(ストレス研究)。北海道大学文学部卒業の後、札幌学院大学教授、ロンドン大学訪問研究員、札幌医科大学教授などを経て現職。実験室でのストレステストに対する循環器反応と関連する国内外での論文多数。著書に『和の影が日本人を苦しめている 平成の衰退マインドは捨て去れ!』(展転社、令和元年)。博士(文学)、博士(医学)。

上記内容は本書刊行時のものです。