版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊
これからどこへ向かうのか 鈴木邦男(著) - 柏艪舎
.
【利用可】

書店員向け情報 HELP

書店注文情報

注文電話番号:
注文FAX番号:
注文メール:

在庫ステータス

在庫僅少

取引情報

直接取引:あり
返品の考え方: 弊社は星雲社を通して流通しております。返品については「フリー入帳」で、いつでも受け付けております。

出版社への相談

店頭での販促・拡材・イベントのご相談がありましたらお気軽にご連絡ください。

これからどこへ向かうのか (コレカラドコヘムカウノカ)

社会一般
このエントリーをはてなブックマークに追加
発行:柏艪舎
発売:星雲社
四六変形判
縦180mm 横120mm 厚さ16mm
重さ 250g
216ページ
並製
価格 1,400円+税
ISBN
978-4-434-22381-5   COPY
ISBN 13
9784434223815   COPY
ISBN 10h
4-434-22381-X   COPY
ISBN 10
443422381X   COPY
出版者記号
434   COPY
Cコード
C0095  
0:一般 0:単行本 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
在庫僅少
初版年月日
2016年9月
書店発売日
登録日
2016年8月16日
最終更新日
2016年11月17日
このエントリーをはてなブックマークに追加

紹介

「愛国運動を五十年もやってきて、やっと時代は好ましい方向に向かっているのに、なぜ今、悩み、考え込んでいるんだ」、「俺こそ日本一の愛国者だ。それだけの闘いをやってきた!と胸を張ればいいじゃないか」そんな疑問、疑惑、批判が僕の周りで渦巻いている。

「おい、鈴木君。きみは一体どこへ行くんだよ」と野村秋介さんも見ているだろう。ゴーギャンも、ゴッホも見ている。僕はこの絵に呪縛されていた。しかし、この本を書くことによって、その呪縛からも解き放たれるだろう。きっとそうなる。そんな覚悟をもってこの本を書いた。あとは読者が判断してくれることだ。

―本書より

目次

第1章 鈴木邦男はどこからきたのか

母と〈生長の家〉 8 / 弟が語る両親 11 / 親父の教え 13 / 姉の影響 17 / 小学校の想い出 20 / 体罰は必要か? 22 / 三島由紀夫のある予言 26 /流れのままに 30 / 本当の教育とは? 32 / テレビとアメリカ 36 / 報道の自由と覚悟 40 / 思い出の映画 44 / 永倉新八のように 50

第2章 鈴木邦男はなにものか

ガンジーに学ぶ 54 / 現代の〝アジア主義〟 56 / 愛国心と万教帰一 59 / 真の宗教とは? 真の愛国者とは? 62 / 何のための宗教か? 67 / 戦争捕虜は恥か? 72 / 想像力を養う 76 / 覚悟を養うには? 81 / 体験から学ぶ 84 / 〈連合赤軍〉事件と〈オウム真理教〉事件に学ぶ 88 / 〝小さな戦争〟の体験者たち 90 / 幸せはどこに? 93 / 日本は社会主義国家? 96 / 理想の結婚とは? 100 / 右翼とマスコミ 105 / 世界愛国者会議 109 / 世界の愛国者と靖国参拝 113 / 本家フランスの〝右翼〟 115 / 最後に国を護るのは誰か? 123 / 美化される戦争 128 / 戦争の真実を語る 132 / 戦う覚悟はできているか? 134 / 朝日新聞の慰安婦報道に見る 138

第3章 鈴木邦男はどこへいくのか

・あなたにとって最も必要なもの、最も不要なものを挙げてみて下さい。146
・あなたの生き甲斐は何ですか。 147
・あなたにとって死とは何ですか。 148
・その人の死に方を見れば生き方がわかると思いますか。 150
・あなたにとって、愛国心とはなんですか。 151
・この人(物)のためには死んでもいい、と思う存在はありますか。 152
・今日のネット右翼についてどう思いますか。 152
・あなたにとって、天皇とはどのような存在ですか。 153
・日本とアメリカの関係はどうあるべきでしょうか。 155
・韓国、そして特に中国が国策とした反日教育を推し進めている現状をどう思いますか。
 打開策はあるのでしょうか。 156
・国家が国家機密を保護するのは当然ではありませんか? 
 表現の自由とは次元の違う問題ではありませんか。 158
・歴史に学べ、とよく言われますが、
 人間は本当にそんなに理知的な存在なのでしょうか。 160
・歴史に学ぶことと、体験に学ぶことはどこがどう違うのでしょうか。 161
・戦争をなくし、原発をなくし、人間にとって害となるものをひたすら削ぎ落としていく。
 その先にいったい何が残るのでしょうか。 162
・たとえ殺されても、殺す側になりたくないという主張をどう思いますか。 164
・人一人の命は地球より重い、と思いますか。 165
・あなたは自分の子供、あるいは家族に死ねと言えますか。 166
・あなたは子供、あるいは家族のために死ねませんか。 167
・肉体が滅びると、魂(精神)も滅びてしまうと思いますか。 167
・最後のところで、あなたは肉体と魂のどちらを優先させますか。 168
・あなたは今、いわゆる右翼の人たちからどのように思われていると意識していますか。 169
・そして、そのような彼らの認識は間違っているのですか。
 もし間違っているのなら、どう間違っているのですか。 170
・愛国者同士で闘い、決着をつければいい、と鈴木さんはおっしゃっていますが、
 その愛国者の中に鈴木さんは入るのですか。 174
・現状分析をするにあたって、〝強い現実〟、〝弱い現実〟
 という分け方があるようですが。 174
・それでは、今回の集団的自衛権の問題についてどう思いますか。 176
・鈴木さんは武道に造詣が深いようですが、
 武道は今の鈴木さんにどのような影響を与えているのでしょうか。 180
・今回の衆議院選挙(二〇一四年十二月)をどう思いましたか? 187
・世界各国の右翼、あるいは愛国者たちが連帯することは可能ですか。 188
・左翼知識人に取り込まれ、日本人としての魂を売り渡してしまったという声に対して、
 あなたはどう思いますか。 190
・そういうスタンスが、既成右翼の背後にいる圧倒的多数の
 〝普通の〟日本人に話しかけたい、というあなたの目的を阻害していると思いませんか。 192
・右翼が暴力的だと思われても仕方がないのではありませんか。
 むしろそれは、健全な人間として生きる上で必要な資質なのでは。 194
・最近、ヨーロッパを震撼させている難民流出問題。日本は何をすべきでしょうか。 196
・ところで、あなたは結婚されていませんが、何か理由はおありですか? 
 老後が心配では? 197
・それで、食事の問題とか、健康管理のほうはどうされているんですか。 199
・先日亡くなった高倉健氏に一言。 201
・あなた自身の十年後の姿を描いてみて下さい。 203
・では最後に、日本の十年後の姿を描いてみて下さい。 204
あとがき 209

前書きなど

あとがき

奇妙な本だ。タイトルも二転、三転した。初め、この本のタイトルは「鈴木邦男はどこへ行くのか」だった。僕は抵抗した。反対した。自分で自分の行く末を、そして終わりを書くなんていやだ。「いや、もっと正々堂々とやりましょう。この時代の変わり目において鈴木邦男は何を考えているのか、それを知りたいのです」と柏艪舎の山本代表は言う。こうした疑問や批判は実は、多くある。「愛国運動を五十年もやってきて、やっと時代は好ましい方向に向かっているのに、なぜ今、悩み、考え込んでいるんだ」。「俺こそ日本一の愛国者だ。それだけの闘いをやってきた! と胸を張ればいいじゃないか」「それなのに自分の運動に疑問を持ち、『〈愛国心〉に気を付けろ!』なんて自虐的な本を出している。どうしたんだ」「鈴木邦男はもう終わったのだ」……と。そんな疑問、疑惑、批判が渦巻いている。「だから、それに応える本を書きましょうよ」と山本代表は言う。「勝手に疑問を持ち、批判したらいいだろう。僕は知らないよ」と相手にしなかった。それで一年ほどこの企画は放っておかれた。
ところが、まず第三章のゲラが送られてきた。いやだと言いながら山本代表や可知さんと話していた内容だ。それが第三章になっている。タイトルも『鈴木邦男の本音』に変えますよ、と言う。ゲラはまだ変わってない。そこまで突き付けられたら、第一章、第二章も書くしかないか、と思い直して書いた。第一章は自分の生い立ちから今までの運動について書いた。第二章は今の心境。今、何を思い、何をやっているかだ。自分の独り言のようで、気が進まなかったし、時間もかかった。だが、後で全体のゲラが送られてきて、アッと思った。凄い! 「これを作りたかったのか、山本代表は」と叫んだ。そして思った。「もしかして、あのことを知っているのではないか?」と。その秘密を知っていたので、僕にこの本を書かせたのではないか。何やら、推理小説のような展開になったが、実に不可思議な話なのだ。
一章から三つの章の章立てに驚いた。第一章は「鈴木邦男はどこから来たのか」。第二章は「鈴木邦男はなにものか」。第三章は「鈴木邦男はどこへ行くのか」。奇妙な章立てだ。鈴木邦男の「過去・現在・未来」だ。そして各章の扉には一枚の絵が掲げられている。あれ、ゴーギャンじゃないか。山本代表が好きなのかな、と思った。次の瞬間、思い出した。その絵のタイトルを。かなり長いがこうだ。「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」。これだよ、きっと。これからとったんだよ僕の本のタイトルは。これはタヒチでゴーギャンが描いた絵だ。ゴッホとの共同生活から逃れて、タヒチに行き、そこで描いた。亡くなる六年前だ。ゴーギャン最高の傑作だ。でも、山本代表はこの長いタイトルに魅せられただけではない。きっと、あのことを知っていたのだろう。そんな疑問がわいた。
僕の尊敬する先輩で野村秋介さんという人がいる。説明するまでもなく皆は知ってるだろう。火のような人生だった。「新右翼」という言葉を作り、その実体を作った人だ。一九九三年(平成五)十月二十日、朝日新聞本社で壮絶な自決をした。二十三年前だ。野村さんに初めて会ったのは一九七五年だ。河野一郎邸焼討事件で千葉刑務所に十二年服役し、この年に出所したのだ。伝説的な活動家である。話は聞いていたが会うのは初めてだった。この年末に対談し、『現代の眼』(一九七六年二月号)に載った。「反共右翼からの脱却――われわれは現体制の手先ではない」だ。今までの反共一本だった右翼を否定し、いわゆる「新右翼」をつくった対談といわれた。『現代の眼』という新左翼雑誌に載ったということも話題を呼んだ。今まで一緒に運動をしたこともないし、初めての対談なのに、あらゆる問題で考えが一致した。野村さんの迫力には圧倒されたし、ともかく凄い人だと思った。野村さんを中心に「新しい日本を創る青年集会」を全国各地でやり、若者も集まった。ところがこの二年後の一九七七年に経団連襲撃事件を起こし、再び獄中に。六年後の一九八三年に出所。出所した時、「これから十年は死に物狂いで運動をする。今まで自分の生き様を見せてきたが、今度は死に様を見せる」と言った。そして、十年後に本当に自決した。これほど多くのことを教えられ、影響を受けた人はいない。十八年の短いお付き合いだった。初めは意気投合し、あらゆる問題について考えが一致していた。
でも、後半はいろんな問題で考えの違うことも出てきた。というよりも、初めは僕に期待してくれていたが、僕のことをよく知るにつれて、段々と失望したのだと思う。僕も虚勢を張っていたが、「化けの皮」がはがれてきたのだ。言ってることがどんどん変わり、叱られたこともある。運動に対する真摯な気持ちが薄れているのではないか、と言われたこともある。全くその通りだと思う。いつもいつも気を張り詰めて生きていくことが出来なかったのだ。どこかで息抜きをしたり、逃げの姿勢もあったと思う。
ある時、野村さんはこんなことをポツリと言った。「鈴木君、君はゴーギャンだ」と。そして、「俺はゴッホだ」と付け加えた。「どうしてですか」と聞けばよかったが、そんな雰囲気ではなかった。ゴッホとゴーギャンは共同生活をして、絵を描いた。そして毎日のように芸術論を闘わせた。時々は喧嘩にもなった。思いつめ、思いつめた末にゴッホは自分の耳を切り落とす。ゴーギャンは逃げだしてタヒチへ行った。運動のことを考えつづけ、その先が自決であろうと真面目に突き進んだ野村さん。逃げ出した鈴木。そんなことを言ったのかもしれない。いや、そうなっては困るという暗示だったのかもしれない。
二十年以上も前のことだ。この本の章立てとゴーギャンの絵を見て、瞬間的にそのことを思い出したのだ。でも、僕は野村さんの言葉は、どこにも書いていないはずだ。あるいは、山本代表に断片的に言ったことがあるのか。あるいは天才編集者としての勘なのか。恐ろしいと思った。その恐ろしい勘と眼力に射竦められて書いたのがこの本だ。奇妙な本であり、恐ろしい本だ。「おい、鈴木君。一体どこへ行くんだよ」と野村さんも見ているだろう。ゴーギャンも、ゴッホも見ている。僕はこの絵に呪縛されていた。しかし、この本を書くことによって、その呪縛からも解き放たれるだろう。きっとそうなる。そんな覚悟をもってこの本を書いた。あとは読者が判断してくれることだ。

  
           二〇一六年八月二日     鈴木邦男

版元から一言

左翼の提灯持ち、と揶揄される著者が
積年の真情を吐露する話題の書!

鈴木邦男は進化したのか、それとも初心に戻ったのか……。
あなたは鈴木邦男を自分に都合のいいように
誤解してはいませんか?

第1章 鈴木邦男はどこからきたのか
第2章 鈴木邦男はなにものか
第3章 鈴木邦男はどこへいくのか

カバー画:ポール・ゴーギャン
「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」

著者プロフィール

鈴木邦男  (スズキ クニオ)  (

鈴木 邦男(すずき くにお)
1943年福島県に生まれる。1967年、早稲田大学政治経済学部卒業。同大学院中退後、産経新聞社入社。学生時代から右翼・民族運動に関わる。1972年に「一水会」を結成。1999年まで代表を務め、2015年7月まで顧問。新聞・テレビをはじめ多彩な言論活動を行なっている。著書多数。

上記内容は本書刊行時のものです。