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就活と採用のパラドックス
- 初版年月日
- 2012年6月
- 書店発売日
- 2012年6月9日
- 登録日
- 2012年5月16日
- 最終更新日
- 2012年5月17日
紹介
すべてを凌駕する要件とはなにか?
これを知ると3歩リードできる就活の実態とは?
SNS採用は新しい就活のカタチになりえるのか?
学生と企業のミスマッチは本当か?
約1000社のコンサル実績を持つ男が、企業側の視点から就活を救う。
目次
第1章 あまり知られていない採用市場の実態
1.不変の採用市場
2.学生の質は下がっているのか?
3.採用の全体像を理解する
コラム①
第2章 大学にとっての就活の位置づけとは
1.大学が「大卒フリーター」を産み出している
2.就活偏差値は確実に存在する
3.学歴差別を突破する
4.学歴以外で勝負するには?
5.すべてを凌駕する要件とはなにか
コラム②
第3章 これを知ると3歩リードできる週かつの実態
1.企業の情報を鵜呑みにしてはいけない
2.就活三種の神器を活用するにも工夫が必要
3.何故大手有名企業に応募が殺到するのか
4.〝やりたいこと〟をやる〝入りたい会社〟に入る
5.ミスマッチは本当か?
6.求める人物像の真意とは
コラム③
第4章 採用と就活のミスマッチ
1.イマドキの学生の価値観
2.学生と企業のミスマッチ
3.学生の就活三種の神器の活動とは
4.就活と採用の関係とはどのようなものか
コラム④
第5章 企業の採用という仕事
1.連鎖的’入りたいing’症候群
2.伝えたい伝わらない症候群
3.人気ランキングに振り回される企業
4.採用コンサルティング会社ってなに?
5.優秀な人材を巡る競争とは
6.魅力的な採用という仕事
コラム⑤
第6章 採用メソッドのトレンドを斬る
1.コーチングのケース
2.コーチングの弊害
3.ビジョンは実行することに意味がある
4.コンピテンシーの機能とは
5.アセスメントの間違い
6.ディメンションとは
7.行動分析インタビュー
8.面接官トレーニングの難しさ
9.採用戦略を構築するということ
コラム⑥
第7章 SNS採用の方向性は
1.SNSは就職サイトに変われるのか?
2.SNSで学生はこう見られている
3.信憑性に乏しいネットの情報
4.SNS採用の悲劇
5.結果的にはリスクが高いSNS
コラム⑦
第8章 就活と採用のEQ革命とは
1.高学歴者は成功するのか
2.身近で使っているEQ
3.「就活」と「採用」で必要なEQ
4.行動変容は誰にでもできる
5.「異」の出会いから学ぶこと
6.学生と企業は如何にあることが望ましいのか
コラム⑧
前書きなど
近年、就職活動(以降、就活)と、企業の新卒採用を巡る議論が盛んになっています。特にリーマンショック以降、日本においては景気低迷による消費の落ち込みや、円高より輸出産業の競争力が減退したこともあり日本経済は大きく低迷しています。
さらに、東日本大震災の影響により就活期間が短期化したことから、一部の学生を巡る採用競争が過熱しています。2011 年3 月に日本経団連が「採用選考に関する企業の倫理憲章」を改定し、広報活動の開始時期が従来の10 月から12 月へと若干の変更が見られましたが、依然、就活と採用の実情は混迷さを極めています。いまや、これらの、就活と採用に起因する問題が、日本経済における根幹に影響を及ぼす課題とさえいわれています。
一般的に大学生の就活は大学3年時からはじまります。学生は就職課のガイダンスや就活セミナーで情報を収集することにより、就活の流れや、就活対策について学ぶことになりますが、現実的には企業は出身大学で振分けをおこなっています。就活がテクニック化して、学生の本質が選考で見えにくくなっているため就活の際の評価はまったく当てにならず、結局は出身大学である程度の絞込みをおこなわざるを得ないためです。
ところが学生は「学歴不問」「面接重視」という採用方針の本質が理解できずに、毎年、大手有名企業に応募が殺到することになります。しかし残念ながら学生の思惑とは裏腹に大手有名企業の就活難易度が下がることはありません。結果的に全体的な、内定率の低さも相まって、大量の就職浪人や就職留年が発生することになります。
本来、採用は「日本経済の将来を担う学生と企業を結びつける効果的なマッチングシステム」でしたが、残念ながらその役割を果たしているとは言えません。
このような現状を打破するため、いくつかの企業においては、新たな採用の仕組みを模索する動きが活発化しています。ユニクロが新卒一括採用を見直して、店舗スタッフを大学1年生時から育成し採用するという方針を発表し、GREEも、2013年度新卒採用において一部の優秀な学生には年収1500万円で処遇する方針を打ち出すなど、能力の高い学生を厚遇する動きも見られています。
しかし、このような動きが活発化していくと、一部の能力の高い学生と、その他の学生との能力格差が拡大してしまうため、大学の競争力自体は低下していきます。いまの就活と採用は、学生にとっても企業にとっても非合理な活動になっています。この状況を転換させて新たな就活と採用を実現するために仕組みの構築を早急に実施する必要があります。
本書では、いまや大きな社会問題になっている、就活と採用の変遷を紐解きながら、学生と企業を取り巻く就活と採用の全体像や、今後の方向性について明らかにしていきます。
なお、本書を通じて、多くの方に就活と採用に関心をもっていただければ幸いです。学生にとって就活とは自分のキャリアを決定する夢のある活動であり、企業にとって採用とは自社の将来を担う人材を決定する機会なのです。就活も採用は苦しいものではなく「夢があり輝かしいもの」だと確信しています。
版元から一言
昔から存在するミスマッチ採用。
1000社以上のコンサル実績を持つ著者が、
企業、学生の視点でその問題と原因を分析する。
上記内容は本書刊行時のものです。