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増補 聖別された肉体
オカルト人種論とナチズム
- 初版年月日
- 2020年8月30日
- 書店発売日
- 2020年8月27日
- 登録日
- 2020年6月18日
- 最終更新日
- 2020年8月18日
紹介
現在においても、公認文化から排斥され、深層に抑圧された無意識的な概念の表出する舞台であるオカルティズム。
それは近代ヨーロッパにおいて社会ダーヴィニズムと接合し、とりわけナチ・ドイツにおいて、フェルキッシュな人種論として先鋭化、ついには純粋アーリア=ゲルマン人種のホムンクルスを造らんとする計画が「生命の泉」で実行に移されようとするまでに至った。
ヨーロッパの底流に流れるそのオカルティズムの全体と本質を初めて明らかにした幻の名著がついに増補再刊。
叢書パルマコン第二弾!
※初版は、1990年に書肆風の薔薇(現、水声社)から発行。
目次
【目次】
第1章 ウィーン=バビロン
第2章 鉤十字の城
1 ランツの『神聖動物学』
2 ヒトラーと『オースタラ』
3 「新聖堂騎士団」
4 アリオゾフィの展開
第3章 根源人種の彼方に
1 オカルト・リヴァイヴァルと神智学協会
2 ブラヴァツキーの『秘奥の教義』
3 人と獣の交合
4 ユダヤ人とチャンダーラ
5 反ユダヤ主義とオカルティズム
6 帝政末期ロシアのオカルティズム
第4章 予言者たち
1 『神智学とアッシリアの獣人』
2 独墺における神智学の展開
3 リストの「アルマーネンシャフト」
4 「北極」の白色人種
5 「リスト協会」の設立
6 シュヴァービングとアスコーナ
7 ヘッケルの唯物論的一元論[モニスムス]とフェルキッシュ思想
8 「血はまったく特製のジュースだ」
第5章 ナチ出現前後
1 「トゥーレ協会」の影
2 ゼボッテンドルフと右翼政治運動
3 ゴルスレーベンと「エッダ協会」
4 アリオゾフィの復興
第6章 「二十世紀の神話」
1 弾圧されるオカルティズム
2 ローゼンベルクと「北方」のアトランティス
3 人種論と性的妄想
4 親衛隊大佐シュヴァルツ=ボストゥニッチュ
5 オカルト人種論とナチ人種論
6 「新たなる貴族」の育成
第7章 「祖先の遺産」
1 ヒムラーとオカルティズム
2 アーネンエルベと宇宙氷説
3 ヴィリグート、親衛隊のラスプーチン
4 「聖杯の城」ヴェーヴェルスブルク
第8章 ホムンクルスの流産
1 「生命の泉」
2 優生学の悪夢
3 オカルト人種論という暗渠
附録
Ⅰ 歪んだ性意識――ヴァイニンガー、シュレーバー、ランツ
Ⅱ 玄米、皇国、沈没大陸
Ⅲ J・ランツ=リーベンフェルス博士『神智学とアッシリアの獣人』(抄)
註
あとがき
三十年後のあとがき
解説(森貴史)
索引
上記内容は本書刊行時のものです。